腎臓病とリンの関係とは?食品の選び方と食事の工夫【管理栄養士監修】
公開: 2026年9月14日
監修:
おいしい健康管理栄養士

腎臓の病気で通院していて、「リンに気をつけましょう」と言われたけれど、何をどう控えればいいのかわからない……そんなふうに感じていませんか。
塩分やたんぱく質と同じように、リンも腎臓病の食事管理で意識したい栄養素のひとつです。とはいえ、リンは食品にどのくらい含まれているのか、イメージしにくいかもしれません。
この記事では、おいしい健康の管理栄養士が、リンを含む食品との付き合い方や、毎日の食事に取り入れやすい工夫をわかりやすくお伝えします。
リンとはどのような栄養素? 腎臓病との関係は?
リンは、骨や歯をつくるもとになるほか、体のエネルギーづくりにも関わっているミネラルです。肉・魚・卵・乳製品・豆類など、たんぱく質を含む食品に幅広く含まれています。
健康な状態では、余分なリンは腎臓を通じて尿として排出されます。ところが腎臓の働きが低下すると、リンをうまく排出できなくなり、血液中にリンが増えやすくなることがあります。
これは、CKD(慢性腎臓病)に伴う骨やミネラルの代謝異常(CKD-MBDと呼ばれます)に関わる変化のひとつで、状態が続くと骨や血管の健康に影響することがあるとされています。だからこそ、腎臓病と診断された方は、リンとの付き合い方を意識しておくことが大切なのです。
とはいえ、リンの管理がどのくらい必要かは、CKDの進行度や血液検査の結果、治療状況によって一人ひとり異なります。すべての方が一律に厳しく制限する必要があるわけではないので、自己判断で極端に減らすのではなく、まずは主治医や管理栄養士に、ご自身に合った目安を確認してみてくださいね。
リンを含む食品との付き合い方
リンはさまざまな食品に含まれていますが、含まれ方や体への吸収されやすさには食品によって違いがあります。
リンを多く含みやすい食品
- レバーなどの内臓類
- しらす、ちりめんじゃこなど骨ごと食べる魚介類
- プロセスチーズなどの乳製品
リンの添加物に注意したい食品(加工食品)
- ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉
- かまぼこ・ちくわなどの練り製品
- インスタント食品、スナック菓子
リンを含むものの、日常的に取り入れやすい食品
- 卵
- 豆腐・納豆などの大豆製品
- 生の肉・魚(加工されていないもの)
加工食品には、保存性や食感を良くする目的などで、「リン酸」「リン酸塩」といったリンを含む添加物が使われていることがあります。
一方、肉・魚・卵などの動物性食品に含まれるリンは比較的吸収されやすく、大豆などの植物性食品に含まれるリンは、フィチン酸と結合しているものが多いため、吸収されにくいとされています。「多い・少ない」だけでなく、「どんな形でとるか」も意識できると、日々の選択がしやすくなりますよ。
今日から実践できる3つのポイント
ポイント1:加工食品を選ぶ回数を少し見直してみる
ハムやソーセージ、練り製品、インスタント食品などを、「まったく食べない」のではなく、「食べる頻度や量を少し見直す」ことから始めてみましょう。
例えば、お弁当のおかずをハムから焼いた肉や魚に変えてみる、スナック菓子を果物に置き換えてみるなど、小さな工夫の積み重ねで十分です。
ポイント2:たんぱく質は「量」と「質」のバランスを意識する
肉・魚・卵・大豆製品にはリンとたんぱく質がどちらも含まれています。リンが気になるからといって、たんぱく質そのものを一律に減らせばよいわけではありません。
主治医や管理栄養士からたんぱく質の目安量について指示がある場合は、その範囲の中で、加工度の低い食品を選ぶよう意識してみてください。
ポイント3:調理・食品選びでひと工夫できること
献立を大きく変えなくても、ちょっとした工夫でリンとの付き合い方は変わってきます。
- 加工食品を選ぶときは、原材料表示に「リン酸」「リン酸塩」など、リンを含む添加物が使われていないか確認してみる
- 骨ごと食べる小魚はリンを多く含む傾向があるため、量や頻度を調整し、切り身魚なども取り入れてみましょう
- 練り製品や加工肉に偏らないよう、主菜には加工されていない肉や魚も取り入れる
「今日からすべて完璧に」を目指す必要はありません。まずは一品、置き換えられそうなものから試してみましょう。
管理栄養士が選んだおすすめレシピ
「リンが少ないレシピ」というよりも、加工食品を多用せず、素材を活かした腎臓病の方におすすめのレシピを5品ご紹介します。
おいしい健康アプリの活用法
毎日の食事療法は、一人で抱え込まなくても大丈夫です。おいしい健康アプリは慢性腎臓病(CKD)の方にも対応しており、無理なく続けやすいレシピが見つかりますよ。
プロフィールを登録すると、食事基準を自動で算出
「慢性腎臓病(CKD)」を選択し、性別、体格、活動レベルなどに答えると、あなたの食事基準を算出。1日に必要な栄養価がわかります。
食事記録で食塩・たんぱく質・カリウム・リンの量が確認できます
食べたものを記録することで、1日の食塩・たんぱく質・カリウム・リンの摂取量の目安を確認できます。外食した日の振り返りにも役立ちます。
レシピ通りに作れば、栄養計算の手間なし
自炊する時のレシピには、食塩相当量・たんぱく質・カリウム・リンなどの栄養価を表示。制限がある場合でも、食事基準におさまっているかがひと目でわかり、安心して食べられます。
まとめ
腎臓病とリンの関係、そして食品との付き合い方についてお伝えしました。
リンは体に大切な栄養素であると同時に、腎臓の働きが低下すると付き合い方を見直したい栄養素でもあります。とはいえ、特定の食品を「食べてはいけない」と考える必要はありません。
加工食品の頻度を見直す、素材を活かした料理を選ぶ。そんな小さな一歩の積み重ねが、無理なく続けられる食事療法につながります。
ご自身に合ったリンの目安については、ぜひ主治医や管理栄養士に相談しながら、できることから始めてみてくださいね。
参考
- 日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」
- 日本腎臓学会「患者さんとご家族のためのCKD療養ガイド2024」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、治療方針や食事制限の詳細については、必ず主治医・管理栄養士にご相談ください。
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