くらしの栄養学

長鎖脂肪酸代謝異常症の食事|脂質を控えるための食品の選び方と調理の工夫

4799 「脂質を控えた食事」と聞くと、「好きなものを我慢しなければならない」と感じる方も多いかもしれません。しかし、食品の選び方や調理方法を工夫することで、脂質を抑えながら食事を楽しむことができます。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂質(長鎖脂肪酸)からエネルギーを作り出しにくいため、食事の脂質を控えることが治療の一部になります。この記事では、脂質を控えやすい食品の選び方や、調理で脂質を抑える工夫をご紹介します。

脂質を控えやすい食品を上手に選びましょう

「脂質を控えたいけれど、何を選んだらよいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。食品によって脂質の量は異なるため、それぞれの特徴を知っておくと、毎日の食事を考えるときのヒントになります。
また、市販の商品には、見た目では分かりにくいほど脂質を多く含むものもあります。食品を選ぶ際は、パッケージ裏面の栄養成分表示を確認し、「脂質」の量をチェックする習慣をつけましょう。

主食(炭水化物)

エネルギー源となる主食は、しっかりとるようにしましょう。

パン

パンは選ぶ種類によって脂質量が大きく変わります。
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<脂質が多い>
・クロワッサン、デニッシュなどのバターを大量に使用したパン
・カレーパン、ピザパン、ホットドッグなどのおかずが入っている調理パン
・クリームパン、チョコレートパンなどクリームが入っている菓子パン
<脂質が少ない>
フランスパン、ライ麦パン、ベーグル、食パン、コッペパンなど

ごはん・めん類

ごはんやめん類は、種類の違いで大きく脂質量は変わりません。主食は無理に制限せず、具材や調味料、調理方法なども含めて、食事全体で脂質量を調整しましょう。

主菜(肉や魚などのたんぱく質)

肉類

選ぶ部位によって脂質量が変わります。
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<脂質が多い>
牛肉・豚肉
バラ肉、ロース肉、加工肉(ウインナーソーセージ、ベーコンなど)など
鶏肉
皮
ひき肉
牛ひき肉、豚ひき肉、鶏ひき肉(皮を含むもの)
<脂質が少ない>
牛肉・豚肉
ヒレ肉、もも肉などの赤身肉
鶏肉
ささみ、むね肉、もも肉

<ひき肉を選ぶときは>
ひき肉は脂身を含んで挽かれているものが多く、種類にかかわらず脂質が多めです。
脂質を控えたいときは、「赤身」「むね肉」などと表示されたものを選ぶか、かたまり肉を購入してフードプロセッサーで挽く方法もあります。
また、下ゆでして脂を落としてから調理すると、脂質を減らせます。

魚類

魚の種類によって脂質量が変わります。
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<脂質が多い>
トロ(マグロ)、サーモン、鮭(腹側)、青魚(さば、イワシ、ブリ、さんまなど)、銀だら、うなぎ など
<脂質が少ない>
白身魚
たら、カレイ、たい、スズキ、鮭(背側)など
赤身
マグロ、カツオなど
魚介類
えび、いか、タコ、ホタテ、貝類など

※まぐろや鮭は部位によって脂質量が変わります。まぐろはトロの部分に脂質が多く、赤身は脂質を抑えられます。鮭は腹側に脂質が多く、背側は脂質を抑えられます。

大豆製品

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<脂質に気をつけたい>
厚揚げ、油揚げ、がんもどきなどは、製造の工程で揚げてある分、脂質量が多くなります。
使うときは、油抜きをしてから調理するのがおすすめです。
<脂質少なめ>
大豆(蒸し、ゆで)、豆腐、納豆、豆乳

卵

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卵は、脂質を適度に含んでいます。脂質は主に卵黄に含まれており、卵白にはほぼ含まれません。

その他の食品

乳製品

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<脂質に気をつけたい>
生クリーム、チーズ、バターなど
<脂質少なめ>
低脂肪乳、無脂肪ヨーグルト、カッテージチーズ、スキムミルク

お菓子

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<脂質に気をつけたい>
洋菓子、スナック菓子
ケーキ、クッキー、ドーナツ、アイスクリームなど、バターやクリームを使用しているもの。
ポテトチップスなど油で揚げたもの。
<脂質少なめ>
和菓子
水ようかん、わらび餅、大福、団子、焼きせんべいなど
ノンフライ商品
ノンフライスナック、ノンフライ野菜チップス
その他
ゼリー、ラムネ、マシュマロ、メレンゲクッキー、氷菓

調味料・油脂

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<脂質に気をつけたい>
マヨネーズ、バター、マーガリン、ドレッシング、調理油(オリーブ油、ごま油、菜種油など)
<脂質少なめ>
ノンオイルドレッシング、しょうゆ、砂糖、酢、ぽん酢しょうゆ、めんつゆ、ケチャップなど

野菜や果物

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野菜類・きのこ・海藻類・いも類・果物(アボカドは除く)は、食品自体の脂質が少ないため、調理方法や味付けに気をつけながら、積極的にとるようにしましょう。

脂質を減らす調理の工夫

脂質量が気になる食品でも、調理方法やちょっとしたひと工夫で、脂質を減らすことができます。

調理方法の工夫

①ゆでる
脂質の多い食品でも、一度ゆでてから炒めることで、余分な脂を落として脂質を減らすことができます。
また、焼き餃子より水餃子、焼き肉よりしゃぶしゃぶといったように、メニューを選ぶ際にも「ゆでる」調理を取り入れた料理なら、より脂質が控えられます。
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②蒸す(蒸し焼き)
蒸し料理は調理油を使用せずにおいしく仕上げることができます。アルミホイルやクッキングシートで包んだホイル蒸し(焼き)も手軽にできるおすすめの方法です。
また、通常、油を使って焼く料理でも、水分を加えて蒸し焼きにすることで、油を使わずにおいしく調理することができます。
例:魚の蒸し焼き、ハンバーグ、豚のしょうが焼きなど
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③煮る
炒めてから煮るような料理でも、炒める工程を省き、煮るだけでもおいしく作ることができます。
例:肉じゃが、カレー、豚汁など

④電子レンジやオーブン、グリルでの調理
調理油を使用せずに、食品自体に含まれる油を利用し、手軽においしく調理することができます。

調理時の工夫

①鶏肉の皮を取り除く
例えば鶏もも肉の場合、皮を取り除くだけで脂質を約65%減らすことができます。スーパーでは「皮なし」の商品も販売されているので、手軽に脂質を抑えられます。
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②肉の脂身を切り落とす
ロース肉などの白い部分は脂身です。調理前に切り落とすことで、余分な脂質を減らすことができます。
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③調理中に出てきた油をこまめに拭き取る
肉や魚から出た油は、味付けをする前にキッチンペーパーで拭き取るのがおすすめです。料理全体の脂質を抑えられます。

④ノンオイル製品、低脂肪製品の活用
ノンオイルドレッシング、オイル不使用ツナ缶、低脂肪乳などを選ぶことで、無理なく脂質を減らすことができます。

あると便利な調理器具

最後に、あると便利な調理器具、調理アイテムをご紹介します。

・フッ素樹脂加工のフライパン
食材がくっつきにくく、少量の油や油がなくても調理しやすいため、脂質を抑えたいときに便利です。

・フライパン用ホイル
フライパンに敷くだけで、油を使わずに焼き物ができる便利な調理アイテムです。

・せいろ
食材のうま味を生かしながら、油を使わずに手軽に蒸し料理が作れます。

・シリコンスチーマー
電子レンジで手軽に蒸し料理が作れる便利な調理器具です。

・ノンフライ調理器
熱風で食材を加熱し、揚げ物のように仕上げる調理器具です。
油を使わずに調理できるほか、市販の揚げ物を温め直すと余分な油を落とすことができます。

参考

・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士