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糖尿病食事療法としての低GI/低GL食に関するメタ解析[ヘルスデーニュース]

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糖尿病患者がグリセミックインデックスやグリセミックロードの低い食品を選んで食べることにより、血糖値だけでなく血清脂質、炎症などの良好なコントロールにつながることを示すデータが報告された。トロント大学(カナダ)のJohn Sievenpiper氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果であり、研究の詳細は「The BMJ」に8月5日掲載された。

グリセミックインデックス(GI)とは、食品を摂取後の血糖値の上昇しやすさの指標で、ブドウ糖はGIが100。一方のグリセミックロード(GL)は、食品に含まれている炭水化物の量をGIに加味した指標で、GLが高い食品ほど食後の血糖値がより高く急上昇しやすい。論文の上席著者であるSievenpiper氏は、今回の研究結果について、「低GI/低GL食を考慮した食事療法の重要性が示された。糖尿病患者が食事療法によって治療目標を達成するための戦略となり得る」と述べている。

Sievenpiper氏らは、文献データベース(Medline、Embase、Cochrane Library)に、2021年5月13日までに報告された低GI/低GL食関連の研究論文を対象とするシステマティックレビューを実施。適格基準は、研究対象が糖尿病患者であり、介入期間が3週間以上のランダム化比較試験。HbA1cの変化を主要評価項目とし、二次評価項目は糖代謝関連のその他の指標(空腹時の血糖およびインスリン値)、脂質代謝関連指標(LDL-C、HDL-C、non-HDL-C、中性脂肪、アポB)、肥満関連指標(体重、BMI、ウエスト周囲長)、血圧、および炎症マーカーのC反応性蛋白(CRP)とした。

検索でヒットした9,596報の論文から、適格基準に基づき29件の研究を含む27報が抽出された。それらの研究対象者数は合計1,617人で、全て外来で管理されている患者だった。2型糖尿病が90%、成人が93%を占めており、年齢は中央値56歳、女性の比率は同47%、BMIは同31、HbA1cは同7.7%であり、経口血糖降下薬が69%、インスリンが14%に処方されていて、7%の患者には経口薬とインスリンが併用され、10%は食事療法のみで管理されていた。

GIは介入群が中央値49、対照群は63、GLは同順に102、138であり、追跡期間中央値は12週間だった。メタ解析の結果、主要評価項目であるHbA1cは、介入群の方が有意に低かった〔平均差-0.31%(95%信頼区間-0.42~-0.19)、P<0.001〕。二次評価項目の空腹時血糖値、LDL-C、non-HDL-C、中性脂肪、アポB、体重、BMI、CRPも、介入群の方が有意に低値だった。それに対して、空腹時インスリン値、HDL-C、ウエスト周囲長、血圧は有意差がなかった。

この結果についてSievenpiper氏は、「食事療法は糖尿病治療の基本である。本メタ解析の研究対象者の多くは既に血糖降下薬を使用していたが、そのような患者でも低GI/低GL食にすることで上乗せ効果を得られる可能性のあることが明らかになった」と総括している。また、論文の筆頭著者である同大学のLaura Chiavaroli氏は、「糖尿病患者には植物性食品ベースの食事スタイルが勧められ、その点については社会の認識が高まってきている。それに加えそろそろ炭水化物の質の違いについても、人々が配慮し始める時期ではないか」と述べている。

なお、この研究は、欧州糖尿病学会(EASD)のガイドライン改訂に向けて実施された。
HealthDay News 2021年8月10日)

https://consumer.healthday.com/8-9-diet-is-key-to-better-health-in-people-with-diabetes-2654456375.html

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(参考情報) Abstract/Full Text https://www.bmj.com/content/374/bmj.n1651

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編集:おいしい健康編集部
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