くらしの栄養学

カリウムが多い食品・少ない食品。控えたいときの選び方と調理のコツ【管理栄養士監修】

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健康診断や通院時の血液検査で「カリウム値が高いですね」と言われ、戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。

「腎機能が低下しているので、カリウムを控えましょう」「心臓の薬を飲んでいるので、カリウムに注意してください」。そう言われても、何を食べればよいのか迷ってしまいますよね。

野菜も果物も食べられないのでは、と不安になる方もいます。でも、大切なのは「食べないこと」ではなく、「選び方や調理法を工夫すること」です。

この記事では、カリウムが多い食品・少ない食品と、調理の工夫をご紹介します。難しく考えなくて大丈夫です。

なぜカリウムを控えることがあるの?

カリウムは体に必要なミネラルで、余った分は腎臓が尿として体の外に出しています。

ところが腎機能が低下すると、体の外へ十分に排出できなくなることがあります。また、心不全や高血圧の治療で使われる薬の一部にも、血液中のカリウムを上がりやすくするものがあります。糖尿病がある方や高齢の方も、上がりやすいとされています。

いずれの場合も、目印になるのは血液検査のカリウム値です。値が高いときには、食事からとる量を調整していきます。

控える量は、腎機能の状態や検査値、飲んでいる薬によって一人ひとり違います。カリウム値が安定していれば、制限がいらないこともあります。主治医や管理栄養士の指示を優先してくださいね。

カリウムが多い食品は?

カリウムはほとんどの食品に含まれます。特に多いのは、次のような食品です。

【カリウムが多い食品】※可食部100gあたり

■ 野菜
ほうれん草 690mg/枝豆 590mg/小松菜 500mg

■ いも類
里いも 640mg/さつまいも 480mg/じゃがいも 410mg

■ 果物
アボカド 590mg/バナナ 360mg/メロン 340mg

■ 豆類・種実類
大豆(乾)1900mg/アーモンド 740mg/納豆 690mg

■ 乾物・海藻・ドライフルーツ
干しひじき 6400mg/干ししいたけ 2200mg/干しぶどう 740mg/干し柿 670mg

■ 乳製品・飲みもの
インスタントコーヒー(粉)3600mg ※1杯(約2g)だと約72mg/野菜ジュース 230mg/牛乳 150mg/ヨーグルト 170mg

※乾物や粉末は水やお湯でもどして使うため、実際に食べる量ではこれより少なくなります。

肉や魚にもカリウムは含まれますが、体をつくるたんぱく質の大切な供給源です。自己判断で減らさず、必要に応じて主治医や管理栄養士に相談してください。

カリウムが少なめの食品は?

【カリウムが少ない食品】※可食部100gあたり

■ 主食
ゆでうどん 9mg/ごはん 29mg/食パン 86mg ※パンは種類で差があります(ライ麦パン 190mg)

■ 野菜
もやし 79mg/玉ねぎ 150mg/きゅうり200mg/キャベツ190mg/レタス220mg

■ 缶詰の果物
みかん 75mg(シロップは残しましょう)

■ その他
油 0mg/砂糖 2mg/板こんにゃく 33mg/春雨(乾)13mg

食品成分表で100gあたりを比べると、ほうれん草(生)は約690mg、ごはんは約29mgです。主食はカリウムが少なく、エネルギーを確保しやすい食品でもあります。おかずを控えた分、主食まで減らさないように気を付けてみてください。

※カリウム量の参考は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より。生鮮品は生の値です。

調理でカリウムを減らす3つのコツ

カリウムは水に溶けやすいため、調理を工夫すると同じ食材でも量を減らせます。

1. 小さく切って、水にさらす

薄く切って切り口を増やすと、水に溶け出しやすくなります。

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2. ゆでて、ゆで汁を捨てる

「ゆでこぼし」と呼ばれる方法です。例えば、ほうれん草(100gあたり)のカリウム量は、生で約690mg、ゆでると約490mgになります。ゆで汁は使わずに捨てましょう。※食材や切り方によって減らせる量は異なります。

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カリウムはゆで汁に溶け出すため、スープまで飲むと摂取量が増えやすくなります。汁ものは量にも気を付けてみてください。

3. 缶詰や水煮を使う

缶詰や水煮は、一般に製造の過程でカリウムの一部が汁に移るとされています。汁は使わず、中身だけを使うと、とる量を抑えやすくなります。

食べてはいけない食品はある?

カリウムを控えたい方が、基本的に禁止される食品はありません。大切なのは、検査値や体の状態に応じて、量や食べる頻度を調整することです。

野菜や果物をすべてやめる必要はないことも多いです。極端に減らすと食事量そのものが減り、体力の維持が難しくなることもあります。

【減塩調味料の、見落としやすい落とし穴】

「減塩だから安心」と思って選ぶ前に、栄養成分表示や原材料表示を確認してみてください。減塩タイプの塩やしょうゆには、食塩の代わりに塩化カリウム(カリウムと塩素が結びついた化合物)が使われていることがあります。

管理栄養士が選んだおすすめレシピ5品

食材選びだけでなく、切り方やゆで方を工夫したレシピなら、無理なく続けやすくなります。調理の工夫を取り入れた5品です。レシピにはカリウム量も記載しているのでチェックしてくださいね。

カリウム控えめ 豚のしょうが焼き

玉ねぎを繊維を断つように切って水にさらす、ひと工夫をした主菜。定番の味はそのままです。

豚肉と小松菜のあんかけ炒め

小松菜は水にさらしてから炒めます。とろみをつけて食べやすく仕上げた一品です。

厚揚げの野菜あんかけ

野菜はゆでこぼしてからあんに。厚揚げで食べごたえも出ます。

包丁いらず 麻婆もやし炒め

もやしは下ゆでしてから。水分が抜けるので、少ない調味料でも味が決まります。

キャベツと春雨の中華サラダ

キャベツと春雨をゆでて作る副菜。さっぱりとした味わいです。

お悩み別のレシピ「食事のカリウム量が気になる」を見る

おいしい健康アプリの活用法

カリウムを気にしながら、日々の食事を考える負担を減らしたいときは、おいしい健康アプリがおすすめです。

・レシピのカリウム量がわかります

レシピにはカリウム量を記載。さらに、食材検索では「カリウムの少ない順」で並び替えができ、カリウム量を見比べながらレシピを探せます。

・プロフィール登録で、食事基準に合ったレシピを提案

腎臓病などの病名で登録すると、カリウム量に配慮したレシピが優先的に表示されます。

・食事記録で、カリウム量を確認できます

食べたものを記録すると、カリウムの推定量や食塩相当量の目安などが確認できます。

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まとめ

カリウムが多めの食品と少なめの食品を知り、切り方やゆで方を少し工夫するだけでも、調整しやすくなります。

食べられないものを数えるより、食べられる形にする工夫を。カリウムを控える必要性や程度は、病気や検査値によって一人ひとり違います。迷ったときは自己判断せず、医師や管理栄養士に相談しながら続けていきましょう。

参考

  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
  • 日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」
  • 日本循環器学会・日本心不全学会「2025年改訂版 心不全診療ガイドライン」
  • 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム〜健康づくりサポートネット〜「カリウム」

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。カリウムの制限量は病気の状態や検査値、飲んでいる薬によって異なります。必ず医師や管理栄養士にご相談ください。

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士