おでん力



普段、何気なく食べている「おでん」。
実は、たんぱく質が豊富で、脂質は低め。さらに不足しがちなカルシウムや鉄分を中心とするミネラルも摂れ、1食に摂取したい様々な栄養素を摂ることができる、栄養バランスの良い料理なのです。
また、カロリーや脂質は低めでありながらお腹を満たしてくれるのも、おでんの魅力です。

※栄養価は「日本人の食事摂取基準(2015年版)女性:30〜49(歳)、50〜69(歳) 身体活動レベルⅠ」より参考
※材料 1人分
はんぺん 1/4枚(27.5 g)、焼ちくわ 1/2本 (44.6 g)、つみれ 1個(20.0 g)、大根 4cm (100 g)、卵(Mサイズ) 1個 (50.0 g)、結び昆布 1個 (10.0 g)、こんにゃく 1/6枚 (60.0 g)、がんもどき 1個(30.0 g)、牛すじ 1本(20.0 g)、餅入り巾着 1個(27.0 g)、だし汁 350 ml、 塩 小さじ1/6弱 (0.8 g)、 みりん 大さじ1 (18 g)、 うす口しょうゆ 小さじ2/3 (4 g)

東京慈恵会医科大学附属病院
栄養部課長 管理栄養士
濱裕宣先生
1988年佐伯栄養専門学校卒業後、東京慈恵会医科大学附属第三病院栄養部入職。分院を経て、2013年附属病院へ異動、現在に至る。

東京慈恵会医科大学附属病院
栄養部係長 管理栄養士
赤石定典先生
1991年華学園栄養専門学校卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部入職。分院を経て、2014年附属病院へ異動、現在に至る。





白身魚のすり身に山芋と卵白を加えた、ふんわりとした食感が特長。高たんぱくで低脂肪、消化にも良い食材です。

原料は白身魚。高たんぱくで低脂肪、さらに、体の中の栄養素を円滑に回すのに欠かせないビタミンB群を含みます。

余分な塩分の排泄を促すカリウム、食物繊維や骨の栄養であるカルシウムを含みます。消化も良く、特に柔らかく煮たものは子どもから高齢者まで好まれます。

「完全栄養食」としても知られていて、ビタミンCと食物繊維以外の栄養を含みます。おでんの昆布と一緒に食べると、栄養バランスが良くなります。

便秘を予防する不溶性食物繊維の他に、骨の元になるカルシウムや、肌などを構成するセラミドを含みます。

原料となる鰯や鯖は、DHAやEPAを含みます。DHAやEPAは、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。

血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロールの排泄を促してくれる水溶性食物繊維や、余分な塩分の排泄をお手伝いしてくれるカリウムを含みます。

大豆を加工した食材です。たんぱく質の他に食物繊維や、骨の栄養に欠かせないカルシウム、鉄といったミネラルを含みます。

小口ねぎには、ビタミンCやビタミンK、葉酸が含まれています。葉酸はおでんで摂れるビタミンB12と協力して、貧血の予防に役立ちます。

ごまにはミネラルや食物繊維の他、ビタミンEが含まれていて、つみれや卵に含まれるセレンという栄養と一緒にとることで活性酸素を除去する作用が高まります。

青のりに含まれているマグネシウムは骨や歯に必要な栄養です。おでんのカルシウムと一緒にとることで、吸収が高まります。

とろろこんぶには、カルシウムをはじめとするミネラルのほかビタミンKが含まれています。ビタミンKはおでんでとれるカルシウムの吸収を助けてくれます。

肌や粘膜の健康を保つβ−カロテンが入っているほうれん草と、食物繊維やビタミンDを含むきのこの組み合わせはおでんの栄養バランスをさらによくしてくれます。

トマトに入っているビタミンCはおでんでとれる鉄の吸収を助けてくれます。また赤い色素のリコピンは活性酸素を除去する働きが高いことで知られています。

また、練り製品は魚をすりつぶしているので食べやすく手軽にいただけ、さらに脂質は低めなので消化にも良い。
そして昆布やこんにゃくといったおでん種の代表格からは、ミネラルや食物繊維を摂ることができます。
みんなが知っているおでんは「おいしい」だけではなく、体にうれしい栄養がいろいろ摂れる料理です。