関節リウマチと診断されて4年。薬を変更するたびに副作用が出て、なかなか治療薬が決まらなかったものの、現在使用している薬が体に合い、症状が軽快。経済的負担を減らすために就職し、夫のサポートを受けながら治療を続けている。
4年前に、手首が痛む、腕が肩より上に上がらない、親指のつけ根が腫れるといった症状が出ました。かかりつけの内科を受診しましたが原因がわからず、インターネットで調べるうちに「この症状は関節リウマチでは?」と疑い始めました。思い切ってリウマチ内科のあるクリニックを受診したところ、予想どおり関節リウマチと診断されました。
診断されたときは大きなショックを受けました。インターネットで目にした「不治の病」「骨の変形」「寝たきり」「寿命が短い」といったネガティブな言葉が頭に浮かんだからです。
先生に「ネットの情報は本当ですか?」と聞いたら「全員がそうなるわけではないから、ネットはあまり見ないほうがいいよ」と言われました。「今は昔と違って、いい薬がたくさん出ていて、早く治療を始めれば骨の変形や寝たきりになることはほとんどない」とも言われ、それならしっかり治療しようと気持ちを切り替えることができました。
夫と出会い、結婚したのは治療を始めてから数カ月経ったころでした。もちろん、結婚前に夫には病気のことを伝えました。夫が実家に挨拶に来たとき、心配した父が「病気のせいで迷惑をかけるかもしれないが、本当に大丈夫か」と確認していたことが印象に残っています。
ぼくは、妻になる人が関節リウマチであることを受け入れて結婚を決めました。でも、初めて聞く病気でしたし、病気の正体もわからなかったので、正直なところあまり関心をもてませんでした。母には「これから大変なこともあるかもしれないけれど、頑張ってサポートしてあげなさいね」と言われました。
先生からは寛解に向けておおまかな治療の見通しを説明されました。痛みが強かったので、はじめから効果の高い薬を勧められましたが、高額なので治療費が気になり、まずは別の薬を選ぶことにしました。しかし、服用を始めてから2~3週間後に脱毛などの副作用が出たので、別の薬に変更。その薬もあまり効果が感じられず、注射による薬を併用することになりました。その後も、副作用が出て薬を変更したり、別の種類の飲み薬を試したりしたこともありましたが、なかなか症状が落ち着かない時期が続きました。
結婚してから、ぼくなりに病気のことや治療法について調べました。でも、本人でないと分からないことも多く、治療について意見を言っても余計なひと言になってしまい、衝突することがありました。それで、ぼくから何か言うのはやめて、治療は先生と妻の話し合いで進めてもらうのが一番だと考えるようになりました。
夫が病気や薬について調べてくれていたのはありがたかったですね。以前、治療のことを夫に相談したとき、よかれと思って治療の変更を提案してくれたのですが、「症状が悪化したらどうしよう」と思い、つい反発してしまいました。手指が痛くて洗髪やドライヤーを夫にやってもらっていたので、症状の悪化でまた夫の負担を増やすことはしたくありませんでした。
現在使っている薬は効果がある分、経済的な負担も気になります。先生には「仕事を始めるにはまだ早い」と言われましたが、医療費を捻出するためには働く必要があり、就職を決めました。
先生から「関節リウマチ患者でも身体障害認定を受けられる場合がある」と教えてもらい、試しに申請してみたところ、認定を受けることができました。医療費の自己負担が軽くなり、本当に助かっています。
結婚して実家から離れたため、現在は診断されたクリニックではなく、今の家から近いリウマチ内科クリニックに月1回通院しています。私が就職するまでは、夫が平日に休みを取って通院に付き添ってくれていましたが、今は休みが合わなくなり、一人で通院しています。
今の主治医の許可をもらって月2回のペースでリハビリ施設が併設されているクリニックにも通っています。自分でできるストレッチ法なども教えてもらい、リハビリのおかげで肩の可動域がだいぶ広がってきています。
就職先は障害者雇用の枠で採用していただき、職場の理解も得られています。仕事にはやりがいがありますし、集中しているときは痛みを忘れることもあります。ただ、つい夢中になってキーボードを打ちすぎると痛みが出ることも。そんなときは休憩をしたり、ほかの作業に切り替えたりして調整しています。これからも体調を見ながら、無理せず仕事を続けていきたいと思っています。
痛みが強いときは夫が私の髪を洗ってくれたり、ドライヤーをかけてくれたりしていました。また、日常的に料理や掃除などの家事も手伝ってくれます。とくに治療を始めて間もないころは、料理はほとんど夫が引き受けてくれました。
夫のサポートには本当に感謝しています。でももし私が病気じゃなかったら、夫に迷惑をかけることもなく、もっと一緒に楽しめることもあったのかなと思うと、夫に申し訳ない気持ちになることもあります。
普段、お風呂掃除や食器洗いなど、体が冷えやすい水仕事を中心にぼくが担当しています。
妻は気遣ってくれますが、ぼくは何も特別なことをしなくても妻と一緒に歩いていられるだけで楽しいんです。これからもできるだけ長く一緒に歩いていたいと思います。
今使用している薬が私には合っているみたいです。まだ関節リウマチの活動性はあり、気温や気圧の影響を受けたり、疲れたり、関節を使いすぎたりすると痛みが出ます。それでも、以前に比べて痛みの程度は格段に軽くなっています。痛みが出ても2~3日でおさまることが多く、気持ちの負担は少なくなりました。これからも信頼できる先生のもとで治療を続け、寛解を目指していきたいと思います。
本人が望んでいないのに、あれこれ先回りして手をさしのべてしまうと、サポートする側も大変になってしまいます。
ぼくは、サポートをおおげさにとらえず、本人が望んだときに気持ちよく手伝う、という姿勢でいます。それがお互いに負担を感じずに、病気とうまく付き合っていくコツだと思っています。
4年前、足裏に痛みが出て整形外科を受診。その後しばらくしたら、膝や肩、肘と立て続けに痛みが出た。いずれも数日で治っては、また別の箇所に痛みが出ることが気になり、リウマチ専門クリニックを受診したところ、関節リウマチと診断された。
4年前の38歳のころに足の裏に痛みが出て整形外科を受診しました。そのときは、歩き方の癖が原因と言われ、湿布と足裏マッサージでよくなりましたが、しばらくしたら今度は膝と肩に強い痛みが。保育士として乳幼児を担当していたので、子どもを抱っこしたときにひねったのかな?と思い、再び整形外科を受診。そのときは筋肉の炎症だろうと言われ、痛み止めと湿布を出されました。
膝と肩の痛みは2〜3日でおさまりましたが、次は肘に痛みが出て、それも数日でおさまり、また膝に…。こんなにいろいろな場所に痛みが出るのはおかしいと感じ、インターネットで検索。症状が似ていたことから、関節リウマチかもしれないと思い始めました。もしそうなら専門医に診てもらった方がよいと考え、リウマチ専門のクリニックを受診。そこで関節リウマチと診断されました。
診断されるまでは関節リウマチについて詳しくは調べていなかったので、治療すれば治るものだと思っていました。でも先生から「完全に治るわけではなく、薬を続けながらつき合っていく病気です」と言われてショックでした。いつまで仕事を続けられるのかと不安になり、子どももまだ小さいので、この先どうなるのかと落ち込みました。
妻から関節リウマチと診断されたことを聞かされたとき、病気の知識がなかったので軽く考えていて、ほかの病気と同様に、食事や運動、睡眠など健康によいとされる生活習慣を心がけていれば、いずれ治るのではないかという思いでした。診断されてから2年ほど、通院時はぼくが運転して病院の送迎をしていました。
先生は、治療薬の選択肢を示しながら、今後の治療の流れについて説明してくれました。薬はライフスタイルに合わせて選べるとのことで、まずは第一選択肢である薬から始めてみようと提案されました。でも私は「副作用が気になるので、できるだけ体への負担が少ない薬から始めたい」と伝え、より軽いタイプの薬を選ぶことにしました。
半年ほど使いましたが、あまり効果が出なかったため、先生から「費用はかかるけれど、効果が期待できる選択肢がある」と提案されました。
ぼくは、妻には何よりも自分の体を優先してほしいと思っています。最初は軽く考えていた関節リウマチですが、強い痛みが何度も出るようになり、病気の深刻さを感じるようになりました。妻から「この薬は効果があるかもしれないけれど、治療費が高くて悩んでいる」と相談されたとき、「よくなる可能性があるなら、ぜひ試してみよう」と伝えました。
夫の後押しもあり、治療法を変更しました。しばらくは調子がよかったのですが、1年ほど経つと再び痛みが出て、検査の数値も悪化。それを受けて、先生からは別の薬を提案されました。このときには、診断当初に勧められていた治療法も併用することに。先生から「痛みが出ている部分は火事のようなもの。しっかり鎮めるためには、それなりの対応が必要です」と言われ、納得しました。 今もその治療を続けていて、調子は安定しています。ただ、薬は自己注射なので、もともと注射が苦手な私は、注射の日が近づくと少し気が重くなります。
治療にかかる費用をまかなうため、家計を見直しました。まずは保険や携帯キャリアなどの固定費を見直して、浮いた分を将来の備えとして投資にも回しています。おかげで、ある程度費用がかかっても、無理なく生活を続けることができています。
症状が落ち着いている今は、寛解を目指して、できるだけ体にやさしい生活を心がけています。自分なりに、小麦粉をとりすぎないようにしたり、甘いものや脂っこいものを控えるようにしたりしています。大好きなパンも、ごほうび程度に。添加物にも気をつけるようになり、食品表示を見るのが習慣になりました。
妻にはやりたいことをやってもらい、「楽しい、幸せだ」と思える時間をできるだけ多く過ごしてほしいと思っています。
痛みが出ているときは代わりに重いものを持つなど、頼まれたことを積極的に手伝います。
ぼくは料理はしませんが、食器を洗うなどの片づけ、買い出しなどはしています。お風呂掃除はもともとぼくの仕事。休日は子どもを公園に連れ出して体を動かして遊んでいます。
今では、私の体調がよいときでも夫がいろいろ手伝ってくれています。何より私が苦手な家計管理を全部引き受けてくれているおかげで、治療費のことを気にせずに治療を続けられることには感謝しています。夫に体調のことや不安に思っていることを話すと、じっと耳を傾けて聞いてくれるのもありがたいです。
夫は病気の当事者ではないので、痛みのつらさなどを完全に共有することは難しいと感じています。そこで私は2年ほど前から患者のコミュニティに参加しています。同じ患者同士なら病気のつらさや不安を理解し合えますし、治療の情報なども得ることができます。月2回のコミュニティで、悩みや気になることを話したり、さまざまな情報を得て学ばせてもらっています。このコミュニティは、私の闘病の支えにもなっているので、これからも大事にしていきたいです。
保育士の仕事は好きなので、できるだけ長く続けていきたいと思っていますが、痛みが出ているときは休ませてもらうこともあり、この仕事をいつまで続けられるのかと思うことも…。治療費のこともあるので、まったく仕事をしないわけにはいきません。今の仕事が続けられないとしたら、次にどんなことができるのか、今のうちに考えて準備しておきたいと思っています。
妻に頼まれたことはすぐにやる、これがぼくのモットーです。妻が痛みに耐えていたり、一人で悩みごとを抱えていると、どうしても家庭の雰囲気が悪くなってしまいます。
病気そのものを代わってあげることはできないから、せめて妻には好きなことをやってもらって楽しい人生を送ってほしいと思っています。そのためには、なるべく家族で楽しい時間を持つことが大切だと思います。
患者に家族が寄り添うというスタンスでいれば、家族みんながハッピーでいられると思います。
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