関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)とは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる病気です。炎症は関節だけでなく、肺や心臓、目などの臓器を含む全身に広がることもあります。また一般的に左右対称の関節に症状があらわれるのが特徴です。
症状として、こわばりは朝起きたときが最も出やすく、多くはしばらく（30分以上）続きます。そのほか通常以上の疲労感や関節周辺の赤みを伴う痛みや腫れを生じることがあります。

関節リウマチは放っておくと、関節破壊が生じます。関節破壊とは、関節が炎症を起こし、進行するにつれて軟骨や骨が破壊され、関節の機能低下や変形が生じることを指します。こうした関節破壊が進行すると、日常の動作や仕事などの活動が次第に制限されていきます。

厄介なのが、関節破壊は発症してから２年以内で急速に進行するということです。関節リウマチは進行性の疾患で、関節破壊は早期から起こり、生涯に渡って進行します。関節の腫れや痛みがさほど酷くないと思っていても、関節の内部では知らぬ間に症状が起きていて、関節破壊が進行していることがよくあります。だからこそ、手指や手の平の小さなSOSサインを軽視してはいけないのです。

上記の理由から、関節リウマチは、早期発見・早期治療が重要となります。また、「関節リウマチ」と病気を確定する診断は難しいので、できるだけ関節リウマチ専門医へ相談するのが良いでしょう。一般的に診断には、症状に関する問診、血液検査、画像検査（X線検査、超音波検査）などの結果を用いて総合的に判定します。診断後は、早期に治療を開始し、症状改善を目指すことで、関節の機能低下、変形や身体機能障害などの様々な症状を長期的に抑えることが期待できます。

関節リウマチの診断後は患者さんのライフステージを考慮した薬剤や量を検討します。薬物治療開始時にはまず、メトトレキサート（MTX）もしくは従来型抗関節リウマチ薬（csDMARD）の使用を検討します。治療効果が不十分な場合は、生物学的製剤やJAK阻害剤を用いた次の治療段階に進みます。原則として「6ヶ月以内に治療効果を確認できない場合（臨床的寛解もしくは低疾患活動性が達成できない場合）」は薬剤の見直しを行います。

おいしい健康会員の関節リウマチ患者さんにアンケート調査を実施した結果、担当医から「関節破壊の予防には早期治療が重要」という説明を受けたことのある患者さんのうち81％の人が「今の治療は関節破壊の予防につながっている」と答えています。

関節リウマチの症状は手足の関節の腫れ、こわばりから始まり、進行するにつれて軟骨や関節組織が破壊されることで、関節の変形が起こります。 これは「関節破壊」と呼ばれています。関節破壊は発症から2年以内に急速に進行することがわかっており、早期の適切な治療により、進行を防ぎ、ほとんど症状のない状態を維持できる可能性もあります。ご不安な症状がある場合は、早めに専門医へ相談されることをおすすめします。