最初に娘から体調不良を訴えられたのは娘が高校1年生(15歳)のときでした。「手首が痛い」と言われて整形外科を受診したのですが、関節リウマチとは診断されませんでした。そのときは、娘がソフトテニスをしていることもあって「変な打ち方をしちゃったのかな」という程度で深刻には受け止めていませんでしたが、時間が経つにつれて症状が悪化して右腕が全く上げられない状態に。ちょっとでも動かそうとすると、激しい痛みが走るようになり、どんどん体を動かせなくなっていきました。小さいころから運動が大好きな子だったので「明らかにおかしい」と感じましたが、原因は分からず、何もしてあげられない歯がゆい日々が続きました。

その後、整体に行くと体が楽になることもあったみたいですが、根本から体調が改善することはありませんでした。そんな中で滅多に発熱しない子が高熱を出したこともあって、改めて整形外科を受診。血液検査をしてもらって、そこでやっと関節リウマチだということが分かりました。もちろん驚きはありましたが、治療法がはっきりして、「やっと治療が始められる」という、ほっとした気持ちのほうが大きかったですね。結局、症状が表れてから病名が分かるまで約半年の時間を要しました。

あかりさん(仮名)

「薬がいろいろあるから大丈夫」の言葉に励まされた

「薬がいろいろあるから大丈夫」の言葉に励まされた

診断後、知人の医師に相談すると、娘の話を予診のように詳しく聞いてくださいました。そこで、娘の「女医さんに診てもらいたい」という希望を聞いて大学病院の女性の先生を紹介してもらったんです。そのときに「今は薬がいろいろあるから大丈夫」と言葉をかけてもらったことで、私の気持ちも少し楽になって娘も治療に前向きになれたと思います。

大学病院の先生は、関節破壊に関する話はもちろん、薬の効果や副作用について紙に書いて、娘にも分かるように丁寧に説明してくださいました。将来の妊娠のことも考えて「これは大丈夫」「これは使わないほうがいい」と教えていただけたので、とても安心できましたね。それから、抗リウマチ薬を飲むようになって2週間ぐらいで症状が改善。腕も上げられるようになって、少しずつ元の状態に戻っていきました。今では、ソフトテニスの部活にも参加できるようになり、娘にも笑顔が戻ってきて、良い治療が受けられて本当によかったと感じています。

聞きたいことを記録したノートを持参

聞きたいことを記録したノートを持参

通院間隔は基本的には2週間。病院には、なるべく一緒に行くようにしていますが、仕事の都合などで娘1人で行ってもらうことも。その場合は、投薬後の変化や痛む箇所などを記録したノートを持参させて気になる点を本人が話せるようにしています。毎日のちょっとした変化は覚えていられないことも多いので、その都度記録に残しておくといいと思いますね。

合う治療が見つかれば寛解の希望も

関節リウマチと診断される前は、娘の痛みを取り除いてあげることもできず、とてもつらい日々でした。もし同じように苦しんでいる親御さんがいらっしゃったら、とにかく本人の話を聞いて寄り添ってあげることが大切だと思います。そして「合う治療法が見つかれば寛解の希望を持つこともできる」と伝えたいです。

合う治療が見つかれば寛解の希望も

関節リウマチと診断される前は、娘の痛みを取り除いてあげることもできず、とてもつらい日々でした。もし同じように苦しんでいる親御さんがいらっしゃったら、とにかく本人の話を聞いて寄り添ってあげることが大切だと思います。そして「合う治療法が見つかれば寛解の希望を持つこともできる」と伝えたいです。

ミツコさん(仮名)

家族や友人に頼ることで気持ちが軽くなり、症状も緩和

ぽちこさん(仮名)会社員・33歳

30歳になるタイミングで関節リウマチを発症。肩やあごの痛みなどに悩まされながらも、家族や友人に頼ることでストレスを低減。治療と日々の生活を上手に両立している。

肩やあごの痛みが関節リウマチの症状だとは思わず

家族や友人に頼ることで気持ちが軽くなり、症状も緩和

ぽちこさん(仮名)会社員・33歳

30歳になるタイミングで関節リウマチを発症。肩やあごの痛みなどに悩まされながらも、家族や友人に頼ることでストレスを低減。治療と日々の生活を上手に両立している。

肩やあごの痛みが関節リウマチの症状だとは思わず

体に異変を感じたのは4年前。肩の痛みから始まって、右ひざやあごなど痛む箇所が増えていきました。腕が上がらなくなったときには整形外科、あごが開かなくなったときには歯科医院を受診したのですが、どちらでも原因は、はっきりせず。その後も、いくつか整形外科を受診したものの関節リウマチとは診断されませんでした。病状について検索してみても、肩やあごの痛みは関節リウマチの症状として挙げられていることがほとんどなく、この時点では自分が関節リウマチだとは夢にも思いませんでしたね。

その後、数カ月たつとすごく疲れやすくなって、仕事が終わって家に帰ると、すぐに横になる日々が続きました。その様子を見ていた家族から「明らかにおかしいよ」と言われ、改めて家族のかかりつけ医を受診することに。そこで初めて関節リウマチの検査をしてもらったのですが、異常は見られず。しかし、念のためと紹介していただいた大学病院で検査を受けた結果、関節リウマチだと判明しました。思い返せば、指の腫れや痛みなど一般的な関節リウマチの症状がなかったことで診断までに時間がかかったと思います。

ぽちこさん(仮名)

医師といい距離感で負担のない通院

医師といい距離感で負担のない通院

抗リウマチ薬を飲むところから治療をスタートしましたが、すぐに痛みが減って動きやすくなりました。それから1年ぐらいは同じ薬を飲み続けて、全体的に症状は抑えられていたのですが、それでも肩の痛みは治まらず、そのうちに手首も痛むようになりました。そのタイミングで、先生から別の薬をご提案いただいたので、自己投資だと思って使ってみることに。すると、非常に効果を感じられて炎症の数値も抑えられるようになりました。

現在はその薬を使う周期を少しずつ延ばしていければという段階で、症状も落ち着いているので、前向きに治療に取り組めています。薬を変えたタイミングで、結婚や妊娠などについて、先生から説明していただけたので、それも安心材料になっていますね。

通っているのが大学病院ということもあって、先生とじっくり話をするという感じではありませんが、検査の結果や必要なことを簡潔に説明していただき、診察時間短縮のために採血日を別にするなどの配慮もしてくださっています。おかげさまで、ストレスなく通院ができています。

家族に素直に頼ることで、気持ちも楽に

家族に素直に頼ることで、気持ちも楽に

体に痛みを感じるようになってから、腕が上がらないときは姉に髪を洗うのを手伝ってもらったり、洗濯や洗い物はお任せしたりと、家族には本当に助けてもらっています。

私は周りに頼るのが苦手なところがあったのですが、家族に頼るようになってから肩の荷が下りたようで、ストレスも症状も緩和されたように感じています。関節リウマチになったことで、無理せず周囲に頼ることの大切さを実感しましたね。

症状に合わせて、できることを楽しむ

痛みが抑えられているときには趣味の料理や手芸を楽しんでいますが、痛みがあるときは、動画を見てのんびりするなど、症状に合わせてできる範囲のことを楽しむようにしています。あとは、良くなったら何をしようかと、明るい未来のことを考えると、気が晴れますね。とにかく症状に合わせて無理をしないことが大事だと思います。

※この記事は個人の体験に基づくものであり、すべての患者さんが同様であるわけではありません。

症状に合わせて、できることを楽しむ

痛みが抑えられているときには趣味の料理や手芸を楽しんでいますが、痛みがあるときは、動画を見てのんびりするなど、症状に合わせてできる範囲のことを楽しむようにしています。あとは、良くなったら何をしようかと、明るい未来のことを考えると、気が晴れますね。とにかく症状に合わせて無理をしないことが大事だと思います。

ぽちこさん(仮名)

※この記事は個人の体験に基づくものであり、すべての患者さんが同様であるわけではありません。

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関節リウマチコミュニケーションノート

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医師と患者さんが同じ目標に向かって治療を進めていくために、症状のことや生活上の希望を積極的に医師に伝えることが大切です。本冊子では、医師とのコミュニケーションのヒントになるような患者さんの体験談を収録しています。

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