読む、えいよう

6月21日は「世界ALSデー」です

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ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis/日本語名:筋萎縮性側索硬化症)という病気を知っていますか?
ALSの研究を支援するために始まった「アイスバケツチャレンジ」や、映画化された漫画『宇宙兄弟』に取り上げられたりしたため、“名前は聞いたことがある”という方も多いかもしれません。

毎年6月21日は「世界ALSデー」です。
この日は、“一日も早く、ALSがなくなりますように。そして、それまではこの病気とともにみんな仲良く歩むことができますように”という願いのもと、各地でイベントが開かれています。

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原因がはっきりわからない病気です

ALSは運動神経が損傷し、脳から筋肉への指令が伝わらなくなることで、全身の筋肉が少しずつ動かしにくくなる病気です。
多くの患者さんは発症から短期間で急速に進行しますが、中には10年以上にわたってゆっくり進行する患者さんもいます。
その原因、発症のしくみは解明されておらず、根治療法は未だにありません。

ALSの患者さんの中には会社や組織で働いていた方たちも多く、積極的に世の中に関わりたいというパワーがある人もたくさんいます。
アイスバケツチャレンジなど世の中に取り上げられるようなイベントが多いのも、そのためかもしれません。

体は動きづらくなりますが、味覚はそのまま

初期から体重減少が始まる患者さんもいるため、治療では体重を維持するために必要な栄養を摂ることが重要になります。
病気が進行すると、口の中のものを上手く飲み込めなくなる嚥下障害が出てくるため、レベルに合わせて飲み込みやすいおかゆやゼリーなどの嚥下食になっていきます。

ただ、体は自由に動かなくなっても、頭の機能はそのままで、意識や考えがはっきりしています。そして、味覚も衰えることはありません。
嚥下食になっても、「おいしいものが食べたい」との思いは、ほかの人たちと同じなのです。

食事を喜びに

ALSの患者さんの中には飲み込む力は衰えても、食べることが大好きな方もたくさんいます。だからこそ、食事を「楽しむ」ことも大事なポイント。
エネルギーと飲み込みやすさに配慮しつつも、おいしさで食事を喜びに感じられることが患者さんの幸せのひとつです。 食べることは生きることだからこそ、おいしい食事が“喜び”や“希望”になるのでしょう。

世界ALSデーをきっかけに、より多くの人がALSを深く知り、環境を整えられる未来へと一歩を踏み出せるようになるといいですね。

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士
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