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【栄養のきほん】栄養素の役割とバランスの良い食事をかんたん解説!

4272 健康や食事管理のために料理を始めようと思ったときに「栄養」について基本的なことを知っていると、食事を考えやすくなります。
とはいえ「何にどんな栄養素が入っているの?」、「栄養バランス良く食べるように言われたけど、何を食べたら良いかわからない」など、わからないことも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、栄養素と栄養バランスの良い食事について最低限知っておきたいことをご紹介します。

栄養素=人間の体に必要な成分のこと

食物に含まれている物質のうち、人間の体に必要な成分のことを栄養素といいます。
その中でも重要なのが炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素です。5大栄養素は、私たちが健康的な生活を送るためにそれぞれ重要な働きをしています。
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5大栄養素の特徴と含まれる食品

5大栄養素の詳しい働きと、どんな食品に含まれているかをご紹介します。

①炭水化物:主に体や脳のエネルギー源として働く

炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられます。

糖質:体や脳のエネルギー源

糖質は体や脳を動かすエネルギー源で、不足すると疲れやすくなったり、集中力が低下したりしてしまいます。さらに不足が続くと、エネルギーを補うために筋肉が分解されてしまうため、筋力低下の原因にも。
反対に糖質をとりすぎてしまうと、エネルギー源として使いきれなかった分は脂肪として蓄えられてしまいます。
【含まれる食品】ご飯、パン、麺、芋類など

食物繊維:腸内環境を整える

水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に分けられます。
腸内環境を整えたり、便を増やしたりして便秘改善に役立ちます。また、血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロールの吸収を抑える働きが期待できます。こんなに良いことづくしなのに、多くの日本人が不足していると言われています。
【含まれる食品】野菜、きのこ、海藻など

②たんぱく質:筋肉や血液、内臓などを構成

筋肉、血液、内臓、皮膚など、体を構成する材料や、ホルモン・酵素・抗体などの成分となります。
不足すると筋肉量や免疫機能の低下につながるとされ、特に高齢者は筋力低下予防のためにもしっかりとりたい栄養素です。
【含まれる食品】肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など

③脂質:細胞膜やホルモンを構成

細胞膜やホルモンを構成する働きがあります。体を動かすエネルギー源としても働きます。
脂質を構成する「脂肪酸」にはいくつか種類がありますが、全体として、とりすぎると中性脂肪として蓄えられ、肥満や病気の原因となります。
【含まれる食品】油、バター、マーガリン、ナッツなど

④ビタミン:体の機能を保つ働きをサポート

全部で13種類あり、血液などの体液に溶け込んでいる水溶性ビタミンと、脂肪や肝臓に蓄えられる脂溶性ビタミンに分けられます。
主に体の機能を正常に保つサポートをしています。

水溶性ビタミン▶︎
ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンC
脂溶性ビタミン▶︎
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

【含まれる食品】野菜、果物など

⑤ミネラル:体の調子を整える

全部で13種類あり、体の調子を整え、骨や赤血球などの体の組織を作る材料となります。
それぞれ働きが異なり、不足するといけないものや、体調や病気によってはとりすぎるといけないものがあります。

ミネラル▶︎
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、セレン、モリブデン、ヨウ素、クロム

【含まれる食品】海藻類や乳製品など
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「栄養バランスの良い食事」の必要性

”栄養バランスの良い食事”とは、5大栄養素がそろった食事のことをいいます。
では、なぜ「栄養バランスの良い食事」が必要なのでしょうか?

答えは、健康維持のためです。

先ほど紹介した通り、栄養素はエネルギー源になったり、血液や筋肉を構成したり、免疫機能維持に役立ちます。それにより健康維持や病気の予防・改善が期待できます。
逆に、栄養バランスがとれていない場合、病気や不調をもたらすことがあります。

【栄養素の過不足による不調の例】
カルシウム不足:骨粗鬆症
ビタミンC不足:壊血病(倦怠感、出血などを引き起こす病気)
糖質や脂質の摂りすぎ:糖尿病や高血圧症など

5大栄養素をバランス良く!「主食+主菜+副菜」の組み合わせ

とはいえ、1日の中でたくさんの栄養素をバランス良くとることは大変そうですよね。
全ての栄養素を覚えなくても、下のような「料理の組み合わせ」がわかれば、栄養バランスは自然にとれるので安心してください。
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「主食+主菜+副菜」を組み合わせた定食スタイルにすることで、5大栄養素をとりやすくなります。
主に主食で炭水化物を、主菜でたんぱく質や脂質を、副菜でビタミンやミネラルをとることができます。副菜は1食に小鉢2品分くらいの量を目安にするのがおすすめです。 4272

写真のように3品揃えなくても、1、2品でも栄養バランスがとれる料理もあります。

【1品で栄養バランス◎】
焼きそば、ビビンバ、カレーライス、タコライス、中華丼
【2品で栄養バランス◎】
ご飯+肉野菜炒め、ご飯+具だくさん豚汁、ネギトロ丼+野菜の和え物、牛丼+サラダ、ミートソーススパゲッティ+野菜のマリネ

また、全て自炊にするのではなく、惣菜や市販品を活用してもOKです。

【栄養補給に便利な、調理不要の食品】
たんぱく質補給に▶︎
ゆで卵、サラダチキン、魚の缶詰、納豆、冷奴、卵豆腐
ビタミン、ミネラル補給に▶︎
カット野菜、ミニトマトなどそのまま食べられる野菜
不足しがちなカルシウム補給に▶︎
牛乳、ヨーグルト、チーズ

栄養バランスを意識した食事で健康維持

健康維持には、栄養バランス良い食事が必要で、「主食+主菜+副菜」を組み合わせることで実践できます。
栄養の基本をふまえて料理を始めると、食べたいものを栄養バランス良く食べることができます。最初は難しく感じるかもしれませんが、完璧を目指さなくても大丈夫です。カット野菜や惣菜などを取り入れながら、自分のペースで楽しく料理を続けていけば、健康維持につながります。ぜひ今日から意識してみてくださいね。

栄養のとり方でわからないことや、食事管理に悩んだら、管理栄養士への個別栄養相談もご活用ください。 4031

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士