風邪による「のどの痛み」をやわらげる食材と避けたい食材
公開日: 2018年10月10日
すっかり気温も落ち着いて、秋を感じるようになりました。 季節の変わり目は自律神経の乱れで免疫力が下がり、風邪を引きやすくなります。
風邪の症状は、のどの痛みやくしゃみ、せき、熱など、原因となるウイルスや細菌の種類によってさまざまですが、その中でも初期症状として出やすいのがのどの痛み。
のどが痛いと話すのがつらかったり、食事がすすまなかったり、日常生活にも支障が出ます。今回は少しでものどの痛みをやわらげたいときに、とりたい食材と避けたい食材についてご紹介します。
のどをうるおして菌の働きをおさえる食材を選んで
のどの痛みは外から入ってきたウイルスや細菌によって引き起こされる「炎症」が主な原因です。 のどが乾燥していると雑菌が繁殖しやすく、炎症が起きやすくなってしまいます。 悪化を防いで早く治すためにも、のどに痛みを感じるときは「のどをうるおす」「菌の働きをおさえる」ことを意識して食材を選びましょう。
・はちみつ
とろみのあるはちみつは乾燥を防いでくれるだけではなく、菌の働きを抑える抗菌作用や、炎症をやわらげてくれる効果があります。
はちみつの果糖、ブドウ糖はエネルギーに変わりやすいため、疲労感やだるさを感じたり、風邪で食事が食べられないときにもおすすめ。お湯でとかしてのんだり、ヨーグルトにかけて食べるといいですね。
※はちみつは1歳以下のお子様には与えないようにしてください。
・しょうが
生のしょうがに含まれるジンゲロールには強い殺菌効果や血流をよくし発汗を促して熱を下げる効果があります。
一方、ジンゲロールはしっかり加熱するとショウガオールに変化し、体の深部を温める効果が高まります。
雑炊やスープ、うどんなどを食べるとき、
熱がある場合は、食べる直前にすりおろしたしょうがを入れるようにし、
体が冷えている場合は、切ったしょうがを他の具材と一緒に煮込んで加熱調理するようにしましょう。
ジンゲロールは皮に近い部分に多いので、皮の部分も一緒にすったり、切るといいですね。
・れんこん
れんこんのぬめり成分は、のどをうるおして炎症をしずめたり、胃の粘膜を守って消化を促す効果があります。 すりおろすと加熱したときにぬめり成分が出やすく、また消化もしやすいので、風邪のときにはすりおろして調理しましょう。
のどに刺激が強いものは避けましょう
寒いときに食べたくなる、キムチ鍋などのスパイスを多用した辛いもの、すっきりしたいときに飲みたい炭酸水。これらは、のどが痛いときは避けたほうがいいかもしれません。 刺激の強い食品は炎症を悪化させる可能性があるからです。
飲み込むときにはれている部分を刺激するような硬いものも避け、やわらかいものを選び、食材はやわらかく調理するようにしましょう。
刺激のある、避けたほうがいいもの
・香辛料(とうがらし、わさび、からしなど)
・炭酸水
・アルコール
・酸味があるもの(酢、レモン、オレンジジュースなど)
・硬いもの(せんべいやチップス、硬い野菜、硬い肉など
のどが痛いときのおすすめレシピ
おすすめの食材を使った、消化にもやさしいレシピをご紹介します。少しでものどの痛みをやわらげたいときに、ぜひ試してみてください。
・はちみつしょうが湯
のどをうるおして、炎症をやわらげてくれるホットドリンク。 風邪で体調が悪いときでも、簡単につくることができます。
【材料(1人分)】
・はちみつ 大さじ1
・しょうが(すりおろし) 小さじ1/2
・ お湯 150cc
【作り方】
はちみつとしょうがをマグカップにいれて、お湯を注いでよく混ぜたら出来上がりです。
・すりおろしれんこんの卵雑炊
のどの炎症にやさしい、れんこんが入った卵雑炊。ねぎには発汗を促して熱を下げる効果があります。
【材料(2人分)】
・れんこん 60g
・しょうが 1片
・ご飯 150g
・卵 1個
・長ねぎ 50g
・しょうゆ 小さじ1
・塩 0.5g
【作り方】
①れんこんとしょうがをすりおろします。長ねぎをななめ薄切りにします。
②片手鍋に水300ccを入れて沸騰させ、ご飯、長ねぎ、れんこん、しょうが、塩を入れて、10分ほど煮ます。
③溶いた卵を回し入れたら火を消し、ふたをして1分ほどおいたら出来上がりです。
悪化する前に、早めに対処しましょう
初期症状ののどの痛みを感じるということは、風邪のウイルスや細菌が侵入してきているという証拠。 風邪の悪化を防ぐためには、初期症状に早めに気づいて対処することが大切です。
病院で診てもらうことも必要ですが、のどに少しでも違和感を感じたら、今回ご紹介した食材を意識的にとってみてください。のどの痛みをやわらげるだけでなく、免疫力を高めたり、体調を整える働きもあります。
また日頃から風邪のウイルスや細菌が繁殖しないように、こまめに水分をとるなどして、のどをうるおしておくことも大切です。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
写真・レシピ・文 / 北田翔子