食事摂取基準2020年版について解説します
公開日: 2021年2月16日
おいしい健康の栄養基準が昨年12月から変わったことにお気づきでしょうか。
たとえば食塩相当量(塩分)の基準が、男性ならこれまでは1食当たり2.8g未満でしたが、現在は2.6g未満になっています。
栄養基準の変更は、新しい「日本人の食事摂取基準2020年版」に合わせるため。
日本人の食事摂取基準とは何か?や2020年版のポイント、おいしい健康で表示が変わる箇所についてお伝えします。
健康な食事の基準を国が作成
そもそも「日本人の食事摂取基準」とは、日本人が食事から、どのくらいエネルギーや栄養素をとったらいいかを示した基準です。
健康増進法という法律に基づいて国(厚生労働省)がまとめているもので、大量の研究をもとに、5年ごとに内容を見直しています。
塩分量などが見直し
日本人の食事摂取基準2020年版の主な見直しのポイントは次の5つです。
1. 策定の目的
策定の目的として、「高齢者の低栄養予防・フレイル予防」が新たに加わりました。
フレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態との中間のことを指し、「年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態」とされています。
【2015年版】
・健康の保持・増進
・生活習慣病の発症予防
・生活習慣病の重症化予防
↓
【2020年版】
・健康の保持・増進
・生活習慣病の発症予防・重症化予防
・高齢者の低栄養予防・フレイル予防
2. 食塩摂取量
食塩の摂りすぎは、日本人の高血圧の最大の原因です。減塩のため、食塩の1日あたりの目標量が今までよりも少なくなりました(成人は0.5g引き下げ)。 「2015年版の目標量でも守るのが難しかったのに、ますます基準が厳しくなるなんて」と焦る必要はありません。少しずつ目標量に近づけていきましょう。
【2015年版】
性別 目標量(食塩相当量・g/日)
男性 8.0
女性 7.0
↓
【2020年版】
性別 目標量(食塩相当量・g/日)
男性 7.5
女性 6.5
3. 50歳以上の年齢区分
50歳以上の年齢区分がこれまでの「69歳以下」と「70歳以上」の2段階から、「64歳以下」「65歳以上、74歳以下」「75歳以上」の3段階になりました。実際のシニアに合った、よりきめ細かい基準を示すためといえるでしょう。
【2015年版】
年齢(歳)
18~29
30~49
50~69
70以上
↓
【2020年版】
年齢(歳)
18~29
30~49
50~64
65~74
75以上
4. 50歳以上のたんぱく質の量
50歳以上の人ではエネルギー全体に占めるたんぱく質の割合が、これまでより高くなりました。年を重ねてもたんぱく質の量を保つことが大切ということですね。
【2015年版】
年齢(歳) 目標量(中央値)(%エネルギー)
18以上 13~20(16.5)
↓
【2020年版】
年齢(歳) 目標量(%エネルギー)
18~49 13~20
50~64 14~20
65以上 15~20
5. コレステロール
最後はコレステロール。脂質異常症の重症化を予防するため、コレステロールを含む食品は1日200g未満にとどめることが望ましいとされました。
国による最新の基準に準拠
おいしい健康はこれまで、2015年版に基づいて年齢区分や栄養価を定めていましたが、2020年版の発表を受けて、栄養基準を変更しました。 それに伴い、「食事基準」のところで確認できる「1食・1日あたりの食事基準」の数値と、「献立帳」に出てくる栄養価の円グラフの分母が変わります。 詳しく知りたい方はこちらの「お知らせ」もご覧ください。
おいしい健康は今後も国の最新の基準に合わせて随時サービスを見直していきます。引き続き安心してご利用ください。
参考
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
e-ヘルスネット「高血圧」