日本病態栄養学会 おいしい健康

with コロナで見直す 600kcal 大満足メニュー 全国医療機関の管理栄養士さんによる献立コンテスト

新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の流行により、リモートワークの導入や外出自粛など暮らしが大きく変化する中で、「with コロナで見直す 600kcal 大満足メニュー」をテーマとした献立レシピコンテストが行われました。
コロナ禍における食事の困りごとをサポートする工夫が詰まったメニューが集まりました。

レシピコンテスト開催にあたって

関西電力病院疾患栄養治療センター管理栄養士 / 日本病態栄養学会理事 北谷直美先生

「日本病態栄養学会レシピコンテスト」は第17回大会の特別企画としてスタートし、毎年開催されてきました。しかし「コロナ禍」に見舞われた昨年の年次学術集会は中止。今回もオンライン参加が余儀なくされる大会となる中、無事に「レシピコンテスト」の開催に至りました。何よりも皆様のご支援のお陰と感謝申し上げます。テーマは「withコロナで見直す600kcal大満足メニュー」、全国の管理栄養士の英知と工夫を競う「レシピコンテスト」となりました。

関西電力病院 疾患栄養治療センター 管理栄養士
日本病態栄養学会 理事

北谷直美先生

レシピコンテスト 受賞レシピの発表

  • 受賞レシピ発表の様子
  • 受賞レシピ発表の様子
  • 受賞レシピ発表の様子
  • 受賞レシピ発表の様子
  • 受賞レシピ発表の様子
  • 受賞レシピ発表の様子

最優秀賞 長期保存可能な食材で!コロナ対策レシピ JA秋田厚生連雄勝中央病院(秋田県)

長期保存可能な食材で!コロナ対策レシピ
さばカレーよコロナ

この献立について

コロナ禍になり「自宅での食事が増えて大変」「買い物は週1回にしたいけれど、野菜などが傷むから難しい」「コロナ予防にいい食べ物は何?」といった声をよく聞くようになりました。これらの悩みを解決するヒントになればと思って作った献立です。買い物が減るように長期保存できる缶詰や乾物などを使用し、自粛生活で陽に当たる時間が減ったことによるビタミンD不足も考慮しています。また、免疫力を高めるため、体温を上げるしょうがやカレー粉、腸内環境を整える甘酒やカルピスなどを使用しました。カレーはすべての材料を煮込むだけなど、手軽に作れることも意識しています。

会長賞 思わずほっこり 大満足600kcalメニュー 西吾妻福祉病院(群馬県)

思わずほっこり 大満足600kcalメニュー

自宅時間が増えた分、普段よりひと手間かけた栄養豊富な「心と体もほっこりできる」献立がコンセプトです。23品目の食材を使用し、不足しがちなたんぱく質や食物繊維、カルシウム、ビタミンD、カリウムなどの栄養が摂れ、便秘やフレイル、骨粗しょう症などの予防になるように考えました。
主菜の「キャベツの家常豆腐」は地元産のキャベツを使い、干し桜えびと唐辛子を効かせた一味違う味付けがポイントです。また、「きのこのポタージュ」は、きのこを炒めて低脂肪乳と一緒にミキサーにかけるだけ。普段より少し時間があるときに、ちょっとしたひと手間でカルシウムやビタミンがたっぷり摂れるよう工夫しました。

学会長賞 自宅でも簡単に作れる食物繊維たっぷりメニュー 東京都保健医療公社 多摩北部医療センター(埼玉県)

自宅でも簡単に作れる食物繊維たっぷりメニュー

テレワークや外出自粛から、身体活動量の低下、偏った食生活、食べ過ぎなどの影響が危惧されています。そこで、適切なエネルギーが摂れて栄養バランスもよく、食物繊維もしっかり摂れる献立を考えました。
外来では食物繊維というと「どのような食品に多く含まれているかイメージできない」「サラダばかり食べてしまう」などの声をよく聞きます。そのためミックスビーンズやパックタイプの麦ごはんなど、安価で手に入りやすい食材を使って、1食で食物繊維が5.1g摂れる内容にしました。麦や野菜、豆などを使用して主食、主菜、副菜のどれからでも食物繊維が豊富に摂れるメニューとなっています。

審査員特別賞 いつものカレーを本格的に 岐阜大学医学部附属病院(岐阜県)

いつものカレーを本格的に

普段はルウのみで簡単に作ってしまうカレーを、スパイスと組み合わせて本格的な味に仕上げました。ターメリック(ウコン)に含まれるクルクミンは抗酸化作用や抗菌作用が、クミンに含まれるビタミンB2は髪や肌を健康に保つ働きが期待できます。
隠し味に八丁みそを入れてコクをプラスしました。また、食べている途中に味の変化が楽しめるよう、さつまいもとぶどう缶などを使ったチャツネ(ジャムのようなもの)も用意しました。この料理をきっかけにスパイスに興味を持っていただき、日々の食生活にアクセントを加えてもらえればと思っています。

審査員特別賞 わんこ兄弟メニュー 盛岡市立病院(岩手県)

わんこ兄弟メニュー

岩手県の郷土料理「わんこそば」は、人をもてなす象徴と言われています。このわんこそばをメインに、主食、主菜、副菜を少量ずつ盛りつけた「おもてなし膳」をイメージしました。品数も見た目もボリュームがあり、600kcalでも満足できる献立です。
県内でお馴染みの雑穀やそば、わかめで食物繊維、鮭や豆乳でたんぱく質がしっかり摂れます。味付けも味噌味のグラタンや、しょうゆ味のそば汁、酢の物を入れて単調にならないよう工夫しました。コロナ禍で料理をする機会が増えた患者さんでも実践しやすい、身近な食材を使用した手軽に作れるレシピです。

日本病態栄養学会

日本病態栄養学会とは

患者を対象とした代謝栄養学の情報交換のため、臨床医、栄養学研究者、管理栄養士が一堂に参加して疾患の病態研究を行い、効率の良い栄養療法の実践と新たな治療法の開発を目指し1998年に設立しました。


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