こんなに違う! 肉の部位別100キロカロリーの重量
公開日: 2018年9月26日
肉類はタンパク質を多く含み、筋肉や骨、血管などからだをつくるのに必要です。一方で部位によっては脂肪も多いので、体調を考えながら、適量をおいしく食べたいもの。
肉類の「カロリー」に焦点を当て、主要な肉の種類を100kcal分を取り分けてみました。肉の種類や部位が変わると、同じカロリーでも重量の差はどれぐらいあるのでしょうか。
牛、豚、鶏肉の主要な部位で計測
日本で主に食べられている肉の種類、牛肉、豚肉、鶏肉のなかで、スーパーマーケットでも手に入れやすい部位を選び、100kcal分を同じ器に入れてみました。
栄養素のなかでもエネルギーのもとになる3大栄養素は、それぞれ1グラムあたり下記のようなエネルギーがあります。
炭水化物…4kcal
タンパク質…4kcal
脂質…9kcal
この数字を見ると、脂肪(脂質)の多い肉はそれだけカロリーが高いとわかります。
【計測の基本条件】
- 100キロカロリー分の重量を計測
- 器はすべて同じもの使用、一番広い外径は9cm
- 肉は国産を使用
- 数字は小数点以下を四捨五入で表示
焼き肉やハンバーグ、華やかな料理が多い
牛肉(和牛肉)
写真左から
肩ロース・脂身つき・生……24g
バラ・脂身つき・生……19g
モモ・脂身つき・生……39g
牛肉は部位名だとピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、肩ロースは主にすき焼き用、バラは焼肉用の「カルビ」として売られることが多いでしょう。
モモはブロック肉の場合はローストビーフ、薄切りのものはすき焼きや炒めものなどに向いています。
「切り落とし」と表示して売られるものは、ひとつの部位を整形する際に出る切れ端をまとめることが多いです。モモ、バラなど販売店により内容が異なり、1枚あたりの肉の形や大きさも一定ではありません。
部位のバリエーション豊か
豚肉(大型種)
写真左から
バラ・脂身つき・生……26g
ロース・脂身つき・生……38g
モモ・赤身・生……79g
ヒレ・赤身・生……77g
同じ豚肉でも、部位により2倍ちかくもカロリーに差があることが見て取れます。トンカツもロースとヒレでは、肉のサイズによってカロリーに大きな差が出てきます。牛肉と比べると、豚肉も部位によっては重量にかなりの開きがあると分かります。
「小間切れ」とは、ロースやバラなどを整形するさいに出る切れ端をまとめたもので、複数の部位が入ることがあります。
対して「切り落とし」は同じくロースやバラが使われることが多いですが、同じ部位のものだけが入っています。
やわらかな食感、お財布にもやさしい
鶏肉(若鶏肉)
写真左から
モモ・皮なし・生……79g
ムネ・皮なし・生……87g
ササミ・生……96g
牛、豚…ときて、今度は鶏肉。特に牛肉と比べると重量の差が大きいことに気づきます。作る料理との相性もありますが、カロリーを抑えつつ、たくさんの量の肉を食べたい場合は鶏肉を選ぶのがよいでしょう。
今回はモモ、ムネともに皮なしのものを表示しました。鶏皮は脂肪が多いので、皮つきで計測した場合はそれぞれ41グラム、69グラムと重量がかなり減ります。
摂取カロリーや脂質を減らしたい場合は皮なしのほうがよいですが、皮をバリっと焼くと香ばしさが増し、独特のおいしさも加わります。料理を食べるときの目的に合わせて、皮の有無を選びましょう。
ハンバーグやそぼろ、さまざまな料理に
ひき肉
写真左から
牛ひき肉……37g
豚ひき肉……43g
牛ひき肉は外ももやネック、すね肉を使うことが多く、豚ひき肉は肩バラ肉やすね肉が入ります。
牛肉と豚肉の合い挽き肉は脂肪の入る度合いに個体差が大きいので、今回は計測をしませんでした。一般的には牛肉、豚肉ともにバラ肉を使う場合も多く、脂質の量が多目のものが多いです。
脂質の量を控えたい場合は、赤身を使ったものを選ぶか、赤身の薄切り肉を自分で叩いてひき肉にするのもひとつの方法です。
部位ごとのカロリーを知って上手に使い分け
同じ100キロカロリーでも、牛肉(バラ)の19グラムから鶏(ササミ)の96グラムと重量にかなりの開きがあることが分かりました。普段、料理をする際にすべての材料を計量するのは手間がかかりますが、おおよその重量を目で見て覚えて役立ててくださいね。
肉も個体差があり、脂身のついている度合いにも差があります。上記の重量はあくまでもご参考までに…!
参考文献/「七訂食品成分表」(女子栄養大学出版部)
合わせて知っておきたい
【コラム】お肉の脂とお魚の脂、それぞれの特徴を知ろう!