おいしい健康相談室Vol.1「病気でも“家庭目線”でおいしいものを」
公開日: 2017年10月13日
みなさま、こんにちは。病気の方でも安心して食べられるレシピを監修する、二人の管理栄養士が、料理や食事のお悩みにレシピで答える「おいしい健康相談室」をスタートいたします。まずはおいしい健康の管理栄養士、橋村悦子さんの紹介をさせていただきます。
おいしい健康の管理栄養士 橋村 悦子(はしむら えつこ) ※写真右
「おいしい健康」管理栄養士リーダー。大阪の栄養専門学校で講師の助手を務め、大手食品・製薬メーカー用のレシピや献立の開発に携わった経歴を持つ。6歳の男の子のお母さん。
病気の時もほんとうにおいしいものを食べてほしい
「もともとは食品会社の研究職につきたかったんです」。調理の手を休めることなく、一つひとつ言葉を選びながら、やわらかな兵庫弁で語る橋村さん。
「栄養学科の授業で習った治療食があまりにおいしくなくて。栄養士の仕事は嫌や、と思ってました」。
最初の就職先の上司の前職が思いがけず、病院の栄養科長。この上司が作った治療食がどれも本当においしかったことが思いを変えるきっかけに。「病気でも“おいしい”をあきらめずにすむんだ、と教えてもらいました」。
あの“思い出の料理”をもう一度
この日はクローン病や潰瘍性大腸炎(IBD)の方でも食べられるカレーを試作。缶詰トマトはざるでうらごしして消化よく。クミンやコリアンダーなどの刺激の少ないスパイスが入っているので、辛さはないけれど、カレーの香りはしっかりと。スパイスもひとつひとつメーカーに問い合わせて、成分を確認しながら選んだそう。脂質をカットするためには「むね肉」を選びがちですが、あえて「皮なしのもも肉」にしたことで、食感も柔らかくジューシーです。
IBD患者さんは辛いもの、塩分や脂質の多いものなどを食べると、具合が悪くなってしまうことがあり、大好きだったカレーが、発症以後は思い出の料理になってしまうことも。
IBDを長年わずらっている患者さんが橋村さんの作ったカレーを食べて、「久しぶりのカレー体験で、昔を思い出しました」と本当にうれしそうだったといいます。
「ずっと好きで食べていたものが病気で急に食べられなくなるのって本当につらいと思うんですよ。おいしかった料理をまた楽しんでもらえたらな、と」。
休日は6歳になる息子さんと市民農園で野菜を育てたり、海釣りに行ったり。家では定番料理が多く、よく作るものは餃子と子どもの好きなアジフライ。「家族がおいしいと言ってくれるから作ります」。
あくまでふつうの主婦で。いつも“家庭目線”で。
そんな管理栄養士・橋村さんが監修・開発したレシピが掲載されているレシピサイトが「おいしい健康」です。
「おいしい健康」では、 “家庭目線”の手軽でおいしいレシピを、管理栄養士が糖尿病や高血圧の患者さんでも安心して食べられるようなレシピに一つひとつアレンジしています。
掲載されているレシピの数はおよそ7000品。パソコンやスマートフォンを使って、いつでも手軽にレシピ検索ができます。