読む、えいよう

「心のえいよう」料理研究家 ワタナベマキさん 大好きな料理を楽しむため、オフの時間も大切に

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「月刊おいしい健康」 では、料理研究家の方々にレシピを考案していただいています。「料理を考え、作ること」を仕事にするうえで、どのような考えで料理に向き合っているのでしょうか。また、心身ともに健やかでいるためにどのようなことに気をつけているのでしょうか。「心のえいよう」と題して、お話を聞いていきます。

毎日の献立の主役になる、満足感あるスープ

スープや汁物は、献立のなかでは脇役という印象が強いかもしれません。しかし、月刊おいしい健康6月号では、あえて主役に。「ご飯がすすむ、おかずスープ」として、一品でも十分満足できるボリュームで、かつ、ご飯にも合う味つけのスープを紹介しています。

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レシピを考えてくれたのは、料理研究家のワタナベマキさん。「肉や魚を入れ、さらに野菜もたっぷり。一品あるだけで安心できるスープになりました」。

たとえば、豚肉と豆のトマトスープは、豚肉とミックスビーンズで食べごたえは満点。さらに、トマトの旨みもあり、目玉焼きまでのっているので、一杯でもじゅうぶんおかずとして食べられます。なすとにらの坦々スープは、これから旬のなすを使ったピリ辛の味つけ。ごはんがすすむこと間違いなしの一品です。

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仕事から離れる時間も大切に

日々、レシピをたくさん考え、試作をしながら仕上げていくという仕事をするなかで、ワタナベさんはどのように息抜きをしているのでしょうか?

「手軽にできるリフレッシュ法は、ドライブです。買い出しのついでにちょっと遠くまで。車を走らせているだけでも気持ちがいいですし、海へ行ってぼーっとするのもいい。考えていることがまとまったりもします」

車に乗らない日は、近くの公園へ行くことも。自宅が仕事場なので、場所を変えることで気分転換しているのだそう。

「家事も仕事も家の中でのことなので、少しでも外に出るようにしています。仕事から離れて、特に何も考えない時間を持つことが大事なのかな、と。家にいるとつい手を動かして、あれこれ考えてしまいますもんね。あとは、運動不足にならないよう、かんたんにできるストレッチもやるようになりました。動画サイトで気軽にできるものを見つけて。5分とかの短時間なら続けられそうだなと思ってやっています」

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コロナ禍でなかなか遠くまで足をのばすことはできなくても、ちょっと外に出るだけでも気持ちは変わるものです。無理なくできることをやってみることが、気分転換のきっかけになったり、運動不足の解消になったりするのでしょう。

「あとはね、寝る前に見る韓国ドラマが本当に楽しくて」と、嬉しそうに教えてくれます。ドライブ中に聴く音楽も、そんなドラマの曲だそう。

ワタナベさんが立つキッチンには、窓からの光がさんさんと降り注ぎ、棚には梅干しなどの保存食が入った瓶や器、調理道具がたくさん並んでいます。料理を作ることが好きで、食べることも、誰かに食べてもらうことも大好きで。日々の暮らしを楽しむために、オンとオフをうまく切り替えながら、できる運動を取り入れ、自分なりの楽しみを大事にしていることが伝わってきます。

この場所から生まれた著書は、なんと70冊以上になります。たくさんの読者のそばで、料理の手助けをしてきたに違いありません。今回のスープもまたしかり。まずは、気になる一品から作ってみてください。ホッとして、気持ちが楽になって、きっと別のスープも味わってみたくなるはずです。


ワタナベさんは、InterFMでおいしい健康コラボのラジオ番組「ワタナベマキのKitchen Talk」を放送中(毎週日曜 10:30~11:00)。ワタナベさんのキッチンで一緒に料理を楽しめるような番組です。https://www.interfm.co.jp/makitchen
radikoのタイムフリーでも聴くことができます。 https://radiko.jp/#!/live/INT

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プロフィール
ワタナベマキ先生
料理研究家。雑誌や書籍、イベントなどで幅広く活躍。グラフィックデザイナーを経て料理家の道へ進む。日々食べるものをおいしく、ていねいにつくるお弁当や朝ごはんなど、毎日の料理の参考になる著書を多数出版。近著に『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版刊)がある。InterFMでラジオ番組「ワタナベマキのKitchen Talk」も放送中!


撮影:広瀬貴子
編集:おいしい健康編集部