倦怠感、息切れなどの症状を年のせいにしていませんか?そのサイン心臓からのSOSかもしれません
最近疲れやすい、すぐに息がきれる・・・など医師に診てもらうほどではないけれど、なんとなく気になる体の症状はありませんか。「年のせいかも」と見過ごさず、まずは下のセルフチェックであてはまる症状をみつけて対策していきましょう。
心臓弁膜症の1つである
大動脈弁狭窄症は
放置すると心不全になる
可能性
も
大動脈弁は、心臓から全身へ送り出される血液が通る弁です。この弁が加齢とともに石灰化することで硬くなり、弁が開きづらくなって起こるのが大動脈弁狭窄症です。大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症の1つで、放置するとやがて血液が通りづらくなり心不全になる可能性があります。
大動脈弁狭窄症は
75歳以上の8人に1人
が
かかる(※)といわれています
もしも上のセルフチェックであてはまる症状がみられる、またはご家族で思いあたる症状がみられる場合は、受診をおすすめします。
(※) De Sciscio, Paolo, Brubert, Jacob, De Sciscio, Michele, Serrani, Marta, Stasiak, Joanna, Moggridge, Geoff D."Quantifying the Shift Toward Transcatheter Aortic Valve Replacement in Low-Risk Patients A Meta-Analysis." Circulation Cardiovascular Quality and Outcomes, vol. 10, 6, June 2017, p. e003287.
心臓への負担を減らす
ための
生活習慣
とは?
生活習慣を変えることで
血管や心臓への負担を減らすことができます。
まずはできることから始めていきましょう。
塩分を控えた
食事を心がける
塩分が多い食事は血圧を上げて血管が硬くなることが知られています。味噌汁は出汁を効かせる、おかずはレモンの果汁で酸味を加えるなど工夫して、減塩を心がけましょう。
魚や野菜中心の
バランスのとれた食事
魚(特にさば、いわしなどの青魚)や野菜を中心としたバランスのとれた食事は、悪玉コレステロール(LDL)値の改善につながり動脈硬化を予防します。まずは1日1食を魚や野菜中心の食事にすることから始めましょう。
過度な水分摂取は
避ける
水分を過剰に摂ることで体の中の血液の総量(循環血液量)が増え、それによりポンプの役割をしている心臓に負担がかかります。まずはかかりつけ医に適切な水分摂取量を聞いてみましょう。
毎日同じ時間に
血圧を測定する
一般的に血圧は、起床後に徐々に上がり、日中にピークを迎え、睡眠中にもっとも低くなるといわれています。ですから1日原則2回(朝、晩など)、リラックスして測定し、自分の血圧の基準を把握しましょう。
有酸素運動を
習慣化する
ウォーキングなどの有酸素運動は、心臓の働きを効率化するといわれています。有酸素運動をすることで同じ活動量でも心臓が送り出す血液量が増え心臓の負担を減らしながら全身に酸素を行き渡らせることができます。
ながら運動で
筋力アップ
全身の筋力量がアップすると同じ生活動作(立ち上がる、階段を上るなど)を行う際に、心臓が血液を送り出す仕事量が少なくて済むようになります。歯磨きをしながらスクワットするなど簡単な運動から始めてみましょう。
症状がみられる場合や
長引いている場合は
専門医を受診しましょう
倦怠感、息切れなどの気になる症状がある場合は、まずは近くの病院(内科、循環器内科)を受診しましょう。「病院検索はこちらへ」をクリックし、お近くの病院を探しましょう。
2つの方法で 大動脈弁狭窄症の治療 が可能です (※1)
SAVR
(外科的大動脈弁置換術)
SAVRは、狭窄や逆流などで障害された大動脈弁を、外科手術で人工弁に置き換える治療法です。胸を開いて心臓を一時停止させ弁を交換します。患者さんの年齢や心臓の状態などを考慮して、生体弁か機械弁のどちらかの弁が選択されます。使用する弁によって耐久性や再手術の可能性が変わります。
TAVI
(経カテーテル的大動脈弁植込み術)
TAVI(経カテーテル的大動脈弁植込み術)は、胸を開かずカテーテルで生体弁を植え込む低侵襲の治療法です。大まかな目安として80歳以上の患者さん(※2)に適応される傾向が見られます。個人差はありますが入院期間は外科手術より短くなることが多いです。
(※1)弁の狭窄が軽症の場合は、経過観察を行ったり、お薬で症状をおさえる治療を行います。
(※2)日本循環器学会/日本胸部外科学会/日本血管外科学会/日本心臓血管外科学会合同ガイドライン2020年改訂版
弁膜症治療のガイドライン
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/JCS2020_Izumi_Eishi.pdf
(2023年9月1日閲覧)
監修
医療法人竹谷クリニック
竹谷哲院長
1990年兵庫医科大学医学部卒業。大阪大学医学部第一外科入局後、大阪労災病院にて消化器外科、心臓外科に従事。1998年医学博士取得。大阪大学心臓血管外科、日本学術振興財団研究員、先端医療財団主任研究員として循環器領域の臨床、研究に従事。2008年竹谷クリニック理事長に就任。2017年より大阪大学大学院医学系研究科招聘教授。