読む、えいよう

お正月にごちそうを食べる大切な理由【ハレとケ】

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もうすぐお正月ですね。今年はみなさんにとってどんな一年だったでしょうか。 今日は年の瀬にふさわしく、「ハレ」と「ケ」の話をご紹介したいと思います。

ところでみなさんは、なぜ年末年始にみんなで集まって、ごちそうを食べる習わしがあるのかをご存知ですか。

「ハレ」と「ケ」の意味

日本人は古来から、年中行事やお祭りのある日を「ハレ」の日、通常の日を「ケ」の日と区別してきました。この非日常をあらわす「ハレ」と日常をあらわす「ケ」には、「栄養」が深く関わっています。

「ハレ」の日は、お正月やひな祭り、お盆などの年中行事や、七五三、成人式、冠婚葬祭などの通過儀礼があげられます。そのほか、各地域に残る神社仏閣のまつりごとがある日も「ハレ」と呼ばれます。

一方の「ケ」の日は、そうした年中行事や通過儀礼、お祭りのない日のことをいいます。

「ハレ」の原点はごちそうを食べて健康を願うこと

医療や栄養学も今のように発達しておらず、自然災害や疫病などで子どももおとなも長生きするのが難しかった時代、日本人は地域や一族みんなでごちそうを食べる日をつくり、そこで栄養を蓄えることを習わしとしてきました。

「ハレ」とは、五穀豊穣や健康祈願、子孫繁栄を願いながら、皆で神さまや仏さま、祖先に感謝しながら、おいしいごはんを食べることが原点です。

「次のハレの日まで、みんなで健康に過ごそう」とワイワイガヤガヤ、神棚や仏壇の前で宴を開き、その日ばかりはおなかいっぱいにおいしいものを食べ尽くす。それを励みに、次の日から再び「ケ」に戻り、一生懸命に働く。生きる。

それを「節目」と呼びます。

ごちそうとはていねいさ

長い人生を健やかに過ごすには、意識的に休みや息抜きをつくる「ハレ」が必要だということを、わたしたちの祖先はずっと前から知っていたんですね。とはいえ、決して豪華絢爛であれ、というわけではありません。その証拠に、日本人の「ハレ」の場に使われてきた装飾は、紐や紙が主でした。

お金ではなく、知恵や時間を使うこと。家にある一番よい器で、ていねいにつくった一品をゆっくりと噛み締めて口にすること。それこそが日本元来の「ごちそう」なのです。

さて、みなさんの年末年始のご予定はいかがでしょう。よい年をお迎えください。

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編集:おいしい健康編集部
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