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シニアの骨粗しょう症を予防する栄養素と食事のポイント

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シニアに多い「骨粗しょう症」。その患者数は年々増えつつあります。この記事では、知っているようで知らない骨粗しょう症の症状や危険因子、食事のポイントを詳しくご紹介します。まずは食生活から予防を始めてみませんか?

骨粗しょう症とは、どのような状態になる?

骨粗しょう症とは、骨強度が低下して骨折しやすくなる状態を指します。骨強度は「骨密度」と「骨質」の両方に要因があり、その70%は骨密度、30%は骨質によって決まります。

患者数は年々増えつつあり、国内の推定患者数は女性で980万人、男性で300万人ほど。(※1)
その中でも特に、60代〜80代の高齢女性に多くみられます。(※2)

※1 日本生活習慣病予防協会 生活習慣病の調査・統計
※2 保健同人社「骨粗しょう症の人のおいしいレシピブック」P.12-13

骨粗しょう症の注意すべき症状

骨粗しょう症になってしまうと、ちょっとした転倒でも骨折しやすくなってしまいます。

骨粗しょう症が原因で起こる骨折は、背骨・太もものつけ根・手首・腕のつけ根などが多く、中でも高齢者に多いのが、背骨と太もものつけ根(大腿骨)の骨折です。骨折してしまうと入院や要介護の原因となりやすいので、注意が必要です。実際に、平成28年国民生活基礎調査では要介護となった原因の第4位は「骨折・転倒」となっているほど。(※3)

骨折により動かないことで、人と会うことや外出ができなくなり、外部からの刺激が減ってしまいます。それが原因で認知症になると、その後の健康寿命に影響を及ぼします。そうならないためにも、まずは骨粗しょう症を予防することから始めましょう。

※3 厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査 Ⅳ介護の状況」

危険因子の一つである生活習慣を見直しましょう

骨粗しょう症は、大きな自覚症状がないことがほとんどです。だからこそ、自分に危険因子があるかどうかチェックしておくことが重要になります。

危険因子として加齢や遺伝的要因が挙げられますが、生活習慣も大きな要因の一つ。以下の表をチェックして、あてはまる危険因子があれば、生活習慣から改善してみましょう。 2341

除去できない危険因子があり、骨折リスクが高い方は、早期発見や早期治療が重要です。一方で、食生活の改善で取り除けるリスクは十分にあります。具体的にどのように食生活を改善すればよいのか、とり入れるべき栄養素やポイントをチェックしてみましょう。

シニアの骨粗しょう症予防は食生活が大切なポイント

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骨粗しょう症は、生活習慣、特に食生活の改善で発症リスクを減らすことができます。特に、シニアの方は食事量が減り、偏った食生活で低栄養になりがちです。カルシウムや骨に必要な栄養素を、効率的にとる方法を考えましょう。

積極的にとり入れたい栄養素

前述した通り、骨粗しょう症は骨強度が低下して起こる病気です。では、骨強度を低下させないために必要な栄養素は何でしょうか?

骨強度は、「骨密度」と「骨質」のふたつが関係しており、これらに形成するための栄養素をとる必要があります。

「骨密度」とは、骨の中のミネラルやカルシウムの量を表します。骨密度を低下させないために最も必要なことは、カルシウムを骨に沈着させること。これを効率よくするためには、ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質が必要です。

また、「骨質」はカルシウムをつなぎ合わせて、骨強度を保つ役割を担っています。骨質を高めるために重要なのが、実はコラーゲン。そのため、コラーゲンを作るもととなるビタミンCとたんぱく質も必要となります。

骨粗しょう症を予防するために、骨に必要なこれらの栄養素を積極的に食事にとり入れましょう。

どんな食材を食べればいいの?

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それでは、具体的にどのような食材を食べれば、骨に必要なカルシウムやビタミンがとれるのでしょうか。

カルシウムが多い食材

カルシウムは骨を形成する主な栄養素。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日のカルシウム摂取推奨量は成人男性では700~800mg/日、成人女性では650mg/日です。骨粗しょう症予防の観点からは、700~800mg/日が摂取推奨量となっています。

では、どんな食材でどの程度カルシウムがとれるのでしょうか?

カルシウムといえば、牛乳のイメージがありますよね。しかし、乳製品以外にもカルシウムが多く含まれる食品は多くあります。絹ごし豆腐や小松菜はそのひとつ。以下を参考に、毎食にとり入れやすい食品を選んでみるといいでしょう。

乳製品
牛乳(200ml)=220mg
ヨーグルト(100g)=120mg
プロセスチーズ(20g)=130mg

魚介類
ししゃも(60g)=200mg
しらす(50g)=260mg
桜えび(10g)=200mg

大豆製品
絹ごし豆腐(150g)=110mg

野菜
ゆで小松菜(100g)=150mg
ゆでチンゲン菜(100g)=120mg

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ビタミンDやビタミンKがとれる食材

骨粗しょう症予防に必要な栄養素は、カルシウムだけではありません。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、ビタミンKはカルシウムの排出を抑える働きがあります。カルシウムだけでなく、これらの骨の構成に関わるビタミンも積極的にとり入れることが大切です。

ビタミンD・ビタミンKを多く含む食材はこちら。

ビタミンDを多く含む食材
さけ・さんま・うなぎ・キクラゲ・干ししいたけなど

ビタミンKを多く含む食材
モロヘイヤ・納豆・ほうれん草・小松菜など

まとめ

骨粗しょう症予防の食生活と言っても、何をどのようにとり入れたらいいか、分からない方が多いのではないでしょうか? 骨粗しょう症予防に推奨されている1日のカルシウム摂取量は意外と多く、意識して食材を選ばなければ不足してしまいます。牛乳や乳製品以外にもカルシウムが豊富に含まれる食材はたくさんあるので、身近な食材から積極的にとり入れてみましょう。

特にシニアの方は、食事の量が少ない中で効率的に栄養をとることが大切です。自分に合った方法で、骨粗しょう症予防を心がけてみてください。
※治療中の方や危険因子の多い方は主治医に従ってください。

(参考文献)
保健同人社「骨粗しょう症の人のおいしいレシピブック」
主婦と生活社「全身の老化を防ぐカギ! 「筋肉」「骨」「歯」「認知症」の最新対策」
厚生労働省「e-ヘルスネット, 骨粗鬆症の予防のための食生活」
厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査  Ⅳ介護の状況」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士
文:料理家taki
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