減塩するなら知っておきたい、調味料や加工食品の食塩
公開日: 2021年7月5日
慢性腎臓病や高血圧、心臓病などをお持ちの方は、病院で食事について「食塩を控えてください」と言われたことがあるかもしれません。
減塩に取り組もうとしても、まず何から始めたらいいかわからないという方は多いのではないでしょうか。
食塩を減らすには、調味料の食塩や、加工食品に含まれる「隠れた食塩」を把握することが大切です。減塩に役立つ、調味料や加工食品の食塩の基礎知識について解説します。
調味料の食塩を意識しましょう
まずは調味料の食塩を意識することから始めましょう。
例えばコンビニ弁当についている小さいソースやしょうゆを使わない、とんかつなど揚げ物を食べるときにソースをかけずに下味だけで食べるようにする、などのちょっとした工夫をするだけで、およそ食塩を1g減らせます。
主な調味料に含まれる食塩相当量は次の通りです。
小さじ1(容量5ml)に含まれる食塩相当量
塩 6.0g
濃い口しょうゆ 0.9g
赤みそ 0.8g
ケチャップ 0.2g
マヨネーズ 0.1g
ウスターソース 0.5g
※1を基に作成
食卓にはしょうゆやソースを置かないようにするのが効果的です。食卓で調味料を使うとかけすぎにつながりますし、かけた量を把握することが難しいので、食塩の摂りすぎにつながりやすくなります。
加工食品の「隠れ食塩」
調味料を減らすだけでなく、食塩の多い加工食品を減らすことでも減塩できます。 食塩が多い加工食品の代表としては、漬物やベーコンなどの加工肉、ちくわなどの練り製品などがあります。 加工食品に含まれる食塩相当量を見てみましょう。
加工食品に含まれる食塩相当量
ベーコン1枚(20g) 約0.4g
ウインナーソーセージ1本(20g) 約0.4g
あじの干物(1尾) 約1.5g
ちくわ・細め1本(30g) 約0.6g
たらこ1腹(50g) 2.3g
梅干し(1個) 約1.0g
食パン(6枚スライス1枚) 約0.7g
うどん(ゆで1玉、200g) 約0.6g
※1を基に作成
意外な加工食品に、一見わからない「隠れ食塩」が含まれていることがあります。
パンは塩味をあまり感じませんが、食パン1枚でちくわ1本と同じくらいの食塩が含まれています。うどんなどの麺類は、スープだけでなく麺そのものにも食塩が含まれていることを覚えておきましょう。
加工食品はパッケージに栄養成分が記載されています。塩は「食塩相当量」として表示されているので、購入時に確認すると食塩控えめの商品が選びやすくなります。
まとめ
「塩分を控えめにしよう」と思ったら、まずは調味料の食塩を意識することから取り組んでみましょう。
加工食品に含まれている食塩に注意すれば、さらに減塩につながります。
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●管理栄養士の一言●
ソースなどの調味料は揚げ物にかけるのではなく、少しつけるようにするだけでも、かなり塩分控えられます。
最近は減塩タイプの調味料や、食塩ゼロの加工食品などが売っています。そういった商品を選ぶのもおすすめです。
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<参考> 日本腎臓病学会編集「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン2018」(東京医学社)
<参考> 菅野義彦ほか監修「食事療法はじめの一歩シリーズ 腎臓病の満足ごはん」(女子栄養大学出版部)
※1 文部科学省「日本食品成分表2020年版(第八訂)」
腎臓病ではどんな食事をとったらいいか、もっと詳しく知りたい方はぜひ、こちらをご覧ください。
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菅野義彦先生
東京医科大学病院 腎臓内科主任教授。1991年慶應義塾大学医学部卒業。同大学院医学研究科、米国留学、埼玉社会保険病院腎センター、埼玉医科大学腎臓内科、慶應義塾大学医学部血液浄化・透析センターを経て、2013年より現職。