読む、えいよう

【栄養の宝庫】1月15日に小豆粥を食べる理由【レシピ付】

2860

小豆粥は、小正月である1月15日の朝に食べる習慣があります。もともと旧暦では新月の日を1日、満月の日を15日として、満月を望月(もちづき)と呼んでいたことから、この日に食べる小豆粥は「望粥」とも「十五日粥」とも呼ばれています。

小豆の赤色は太陽や火などを連想させることから、不思議な力があると古代中国では信じられ、小豆で赤色にした粥をつくり,これを食べて邪気を祓うという風習がありました。6世紀半ばに発刊された中国の年中行事記『荊楚歳時記』には、「冬至の日 日の影を量り 赤豆粥を作りて以て疫を 禳う」という記載があります(※1)。

そうした風習が日本に伝わり、平安時代には宮中行事となりました。平安時代の『延喜式』には「同日雑給の粥の料」として「米一石,小豆五斗,塩八升(後略)」と小豆粥の配合が記されています(※1)。こうした名残から、お正月の締めくくりである小正月に、無病息災の祈りをこめて小豆粥を口にするようになったそう。

ちなみに小豆は食物繊維とたんぱく質、その他にもカリウムや鉄、サポニンやポリフェノールなどの成分も含まれています。中でも注目したいのは、サポニンとポリフェノール。

小豆の皮に含まれているサポニンは、免疫力や肝機能の向上、コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血流の流れをよくすることが期待できます。

また、小豆は7種類の豆からポリフェノールを抽出する実験でも、最も多くポリフェノールを含有しているという実験結果もあり(※3)、抗酸化活性が期待できます。

サポニンはほとんどが水溶性、ポリフェノールも水溶性で、水に溶け出す成分なので、しっかりと摂取したければ煮汁ごと一緒に食べられる調理法がおすすめ。そうした意味でも、小正月に食べる小豆粥は、小豆に含まれている貴重な栄養分を滞りなく摂取できる、体にやさしいお粥といえます。

ぜひ、邪気払いに、そして栄養を蓄えるために、小豆粥をつくってみませんか。

※クリックするとレシピに飛びます。

※1 森田潤司;同志社女子大学生活科学. 2010;44;79~83
※2  健康長寿サイト;サポニンと効果と摂取量
※3 齋藤 優介,西繁典, 小疇 浩, 弘中 和憲, 小嶋 道之;日本食品科学工学会誌. 2007 ; 54 (12 );563-567

おいしい健康では、健康維持や予防などに役立つ「おいしいレシピ」が満載

管理栄養士が監修した1万品のレシピのうち、100品を無料で公開しています。 無料レシピは「人気順」「新着順」「栄養価順」で並び替えることができます。ぜひお試しください。 2530

「読む、えいよう」は食事と栄養に関する情報がたくさん

過去記事はこちら

あわせて読みたい
お正月にとりすぎた塩分・糖分をリセットするコツ3つ
冬に大活躍する「長ねぎ」。緑の部分も有効活用

おいしい健康いまなら30日間無料おいしい健康いまなら30日間無料
編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士