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お正月にとりすぎた塩分・糖分をリセットするコツ3つ

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お正月にみんなで集まって食べるおせち料理やお雑煮はたまらなくおいしく、また外食の機会も増えるため、ついつい食べすぎてしまうこともありますよね。とはいえ、糖尿病や高血圧をお持ちの方の中には、お正月を楽しく過ごしたあと、数値が上昇して心配になったり、後悔したりしている方も多いことでしょう。

エネルギーや炭水化物(糖質)、塩分は、主治医の指示を守ることが基本です。とはいえ、一生の付き合いとなる塩分コントロールや糖質コントロール。落ち込むよりも、まずは調整。さぁ、今日から数値を戻すべく、前向きにコントロールしていきましょう。

お正月料理に塩分・糖分が多い理由

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日本には古くから、火の神さまとして「かまどの神さま」を祀る習慣があり、おせち料理は、かまどの神さまに三が日は休んでもらうようにと作り置きのおかずで構成されています。ゆえに、冷蔵庫のない時代に食品が傷むのを防ぎ、保存性を高めるために、塩、砂糖、酢が多めに使われているのが特徴です。ですので、和食でヘルシーだから…とつい箸を伸ばしていたら、いつもより塩分や糖分をとりすぎてしまったということが起こりがち。

塩分の多いもの : 数の子、いくら、松前漬け、かまぼこ、煮しめ
糖分の多いもの : 栗きんとん、黒豆、紅白なます
塩分、糖分ともに高いもの : 伊達巻、田作り、きんぴらごぼう

お正月の塩分・糖分の調整のために気をつけたいことは下記の3つです。順々に見ていきましょう。

1.糖質のとりすぎ⇒食物繊維の多い食品をとり入れる

特に糖尿病をお持ちの方は、血糖値が極端に上がっていると糖質を控えようとしてしまいますが逆効果です。糖質を控えようとして、食事を抜かしたり、極端に減らしたりすると、エネルギーが不足して疲れやすくなり、糖質の不足分を補うためにタンパク質がエネルギー源として使われることで筋肉量が減少、かえって基礎代謝を低下させる要因にもなりかねません。ですので、糖質を極端に減らそうとするよりは、バランスのよい食事をとりつつ、食物繊維を多めにすることで、糖の吸収をゆるやかにすることを心がけましょう。食物繊維は、野菜やきのこ、きくらげ、海藻に多く含まれています。

2.塩分のとりすぎ⇒カリウムを多く含む食品をとり入れる

とりすぎた塩を体外に排出するために、カリウムを積極的にとるようにしましょう。カリウムは腎臓での塩分(ナトリウム)の再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧が高い方は意識してとりたい栄養素です。カリウムは、藻類、果実類、いも及びでん粉類、豆類、肉類、魚介類、野菜類などに多く含まれます。

カリウムは水溶性で、煮たりゆでたりすると水に溶け出し、含有量が減ってしまうので、できるだけ生のままとるようにするとよいでしょう。カリウムは、緑黄色野菜、海藻、きのこや果物など、いろいろなものからまんべんなくとることをおすすめします。

なお、腎臓の機能が低下している場合はカリウムの過剰摂取に注意が必要です。カリウム制限のある方は医師からの指示を優先してください。

3.水分補給をしたうえで適度な運動(ウォーキングなど)

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とりすぎたエネルギーを消費し、十分に水分補給をしながら少し汗を流せば塩分(ナトリウム)の排泄にもなります。

これらをすべて網羅するのにふさわしいメニューといえば、水炊きや湯豆腐などのあっさりした鍋物です。注意点として、市販の鍋つゆは便利ですが、塩分が高いため、調整中に使用するのは避けた方が安心ですね。昆布だしで煮て、ポン酢につけて食べるような、素材の風味を活かした味付けがおすすめです。ゆずやすだちを絞ったり、刻みねぎや大根おろしなどの薬味を添えてもいいですね。

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士