2型糖尿病の治療の三本柱 食事と運動、薬の話
公開日: 2024年8月9日
監修:京都府立医科大学 内分泌・代謝内科学 講師 濱口真英先生
2型糖尿病と診断された人が気になるのは、どんな治療をするのかということではないでしょうか。2型糖尿病の治療の基本は、血糖を適切に管理すること。そのために食事を見直し、積極的に運動し、必要な薬を使っていきます。基本的な治療の流れについてわかりやすく解説します。
この記事のまとめ
・そのために、食事の見直し、積極的な運動、必要な薬を使うことが大切
2型糖尿病の治療における3つの方法
食事療法
2型糖尿病の治療の中でも、食事療法と運動療法は欠かすことができません。体内のブドウ糖は、意外なことにその多くを自分の体内で作っています。自分で糖を作るために食べ物や飲み物から栄養素を消化・吸収することが必要です。その上で血糖値の上昇を抑えるには、糖をとりすぎないようにするだけでなく、バランスのよい食事を心がけ、糖質の量やエネルギーの摂取を調整することが大切です。
また、食後に血糖値が急上昇・急降下すると、血管に負担がかかります。食べ方を工夫することで血糖値の急上昇・急降下を防ぐことができます。
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運動療法
体内のブドウ糖は運動で使われますが、それだけではなく、代謝の良い健康的な体を作ることが大切です。有酸素運動によって筋肉でブドウ糖を使う以外に、筋力トレーニングによって筋肉を増やし、代謝のよい体を作ることが血糖の管理に役立ちます。
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薬物療法
2型糖尿病を管理するために、さまざまな経口薬(飲み薬)や注射薬があります。薬物療法を行う場合も行わない場合も、主治医と相談してあなたにとって最もふさわしく、最も納得がいく方法を選択してください。
2型糖尿病の薬物療法 飲み薬とインスリンについて
薬物療法で使う経口薬について
経口薬(飲み薬)は、糖尿病の原因や安全性などを考慮して処方されます。
インスリンの分泌を増やす薬、インスリンの働きをよくする薬、糖の吸収を遅くする薬など、さまざまな特徴を持つ経口薬があります。主治医と相談して、あなたにとって最もふさわしく、最も納得がいく経口薬を選択し、主治医の指示に従い、適切に内服してください。
インスリン療法について
主治医があなたにインスリン療法を薦める場合の多くは、インスリンがあなたの健康の維持にとって必要である場合です。インスリン療法を選択する場合も選択しない場合も、主治医があなたにインスリン療法の話をするときは先入観にとらわれず、納得がいくまで話し合ってください。 自分で注射を行う薬は、インスリンだけでなく、インスリン以外の薬、それらを組み合わせた薬があります。注射=インスリンとは考えず、しっかりと説明を聞いてください。
治療や血糖管理のサポートに、デジタル化も進んでいます
便利なITサービスやツール
センサーを利用して持続的に糖の値を測定し、スマートフォンやインターネットと接続するシステムや、スマートフォンと接続し、自己注射したインスリンの量が記録されるスマートインスリンという医療機器があります。
これらの医療機器に加えて、スマートウォッチのようなウエアラブル端末での活動量の測定、血糖や食事・運動・治療の記録アプリなど、医療の分野でもIT化とデジタル化が進んでいます。糖尿病と上手に付き合うために、こういったデジタルツールが役立つことがあります。
濱口真英先生
2000年に京都府立医科大学を卒業後、第一内科に入局。2002年朝日大学病院(旧朝日大学村上記念病院)消化器内科助手。2004年京都府立医科大学大学院医学研究科に入学、医学博士取得。2009年から2012年大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任研究員、2013年同特任助教。2014年京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学病院助教、2015年より2018年まで亀岡市立病院で地域医療に従事、2017年より同内分泌・代謝内科学客員講師を併任、2018年より同助教。2002年より一貫して糖尿病発症の病態基盤解明を目指した代謝免疫学の研究に従事している。
参考
「糖尿病診療ガイドライン2024」日本糖尿病学会(南江堂)
厚生労働省 糖尿病
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