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魅力満載「いわし」を食べよう!

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一年を通じておなじみのいわしですが、夏には脂がのり、おいしい時期を迎えます。

漢字で書くと「鰯」、魚へんに「弱い」とされているのは、うろこがはがれやすく、水揚げするとすぐに弱ってしまうことが由来。「よわし」と呼ばれていたのが転じて、いわしになったと言われています。

しかし、生でも、焼いても煮ても揚げてもおいしく、栄養価が高いうえに、価格はお手頃。魅力満載のいわしについて、栄養価や調理方法などをご紹介します。

体づくりに欠かせない栄養の宝庫

魚は体に良いというイメージをお持ちだと思いますが、いわしも体づくりに欠かせない栄養素を多く含んでいます。

体をつくる上で欠かせない栄養素に「たんぱく質」がありますが、いわしは良質なたんぱく質が豊富です。たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成することができない9種類の「必須アミノ酸」をバランスよく含んでいます

また、エネルギー源となり、体内でビタミンの運搬をする役割をする「脂質」も欠かせない栄養素ですが、魚に含まれる脂は体内でほとんどつくることができない多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を含んでいます。

いわしのEPA含有量は、魚のなかでもトップクラス。** EPAは血液や血管の健康を保つ働きをし、動脈硬化の予防や中性脂肪(トリグリセライド)を下げるといわれています。つみれにして骨ごと食べれば、骨を上部にし、筋力を高めてくれるカルシウムも摂取できます。いわしにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれているので、効率よくカルシウムをとることができる**のです。

選び方と調理のポイント

私たちがふだん「いわし」と呼んでいるのは、ほとんどの場合「真鰯(まいわし)」を指します。目が澄んでいてにごりがなく、うろこがついているもの、体の黒い点が鮮明なものが新鮮です。鮮度が落ちやすいため、買った日のうちに料理しましょう

身が柔らかく小骨が多いいわしは、「手開き」といって、手でさばくのも簡単ですが、慣れていないかたは、開いたものを買うのが手軽です。また、魚屋やスーパーの鮮魚コーナーでは、店頭でお願いすればさばいてくれるところが多いので、丸のままのいわししか置いていない場合は尋ねてみてください。

いわしに含まれるEPAやDHAは空気に触れることで容易に酸化してしまいます。そこで、いっしょにとることをおすすめしたいのが緑黄色野菜。緑黄色野菜に多く含まれるカロテンやビタミン類には抗酸化作用があり、その働きでEPAとDHAの酸化を防ぎます。トマトや青菜など、緑黄色野菜といっしょに調理するか、献立で小鉢などを組み合わせましょう。

いわしは、和風にも洋風にもアレンジ自在。積極的に献立に取り入れて、おいしくめしあがってくださいね。

和にも洋風にも! いわしのヘルシーレシピ

いわしの蒲焼き丼梅風味
いわしの蒲焼き丼に梅干しを加えてアレンジしました。梅干しの酸味とさわやかな香りで、魚の匂いが苦手な人も食べやすく。
いわしのイタリアン風トマト煮
いわしをトマト缶で煮て、さっぱりとした一皿に。冷菜としてもおいしくいただけます。
塩分少なめ いわしのつみれ汁
いわしのうまみを味わえる具だくさんのつみれ汁。ごぼうは皮をむかずに使うと、香りをしっかり感じられます。汁少なめで減塩に。
編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士
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