冬の脱水に注意。1日にコップ2杯多めに
公開日:
2020年12月18日
最終更新日:
2025年11月28日

インフルエンザなどの流行で、マスクを着けている時間が長くなっています。
マスクを外して水分補給をするのって、正直ちょっと面倒ですよね。つい飲む量が減ってしまう方も多いはず。
でも実は、冬でも脱水は起こります。
乾燥した空気や暖房の影響で、気づかないうちに体の水分は失われがち。のどの渇きを感じにくい季節でもあるので、知らない間に水分不足が進んでしまうことがあります。
そこで今回は、冬の脱水の注意点と、今日からラクに続けられる水分補給のコツをまとめました。
脱水で体調を崩すことも
夏は熱中症予防のために、意識して水分をとっていた方が多いと思います。冬になった今はどうでしょうか? 水分補給、できていますか?
日本人は、平均的に水分摂取量が少ないといわれています(※1)。
水分補給をしないと、冬でも脱水になることがあるのです。
人間の体は、体重のおよそ50~80%が水分でできています。
水分を5%失うと、脱水症状や熱中症などの症状が出やすくなり、水分を10%失うと、筋肉のけいれんや循環不全の恐れが。水分を20%失うと、命に関わる危険もあります。
さらに、脳梗塞や心筋梗塞なども、水分不足がリスク要因のひとつといわれています(※1)。
怖い話に聞こえるかもしれませんが、日々の“ちょっとした意識”で防げることがほとんど。まずは「足りなくなりやすい季節なんだ」と知っておくだけでも大きな一歩です。
1日にあと2杯多く飲みましょう
では、いったい1日にどのくらいの水分を補給すればいいのでしょうか?
人間は、1日に2.5Lの水が必要だといわれています。
なぜ2.5L必要かというと、人間の1日の水分排出量が2.5Lだからです。
食事から(1.0L)
+
体内で作られる水から(0.3L)
+
飲み水から(1.2L)
合計2.5L
尿・便より(1.6L)
+
呼吸や汗より(0.9L)
合計2.5L
“1日2.5L”と聞いても、自分が食事や飲み水からどのくらい水分をとれているかって、わかりにくいですよね。
厚生労働省は「健康のため水を飲もう」推進運動の中で、「1日にあと2杯多く飲むこと」をおすすめしています。
起床時と入浴後に、それぞれコップ1杯の水を飲む。
まずはこの2回を習慣化するだけでも、かなり変わります。
高齢の方は特にこまめに
高齢の方は脱水状態が進みやすいので、特に意識して水分をとるように心がけましょう。
のどの渇きは、体が「水分が足りないよ」と知らせるサイン。渇く前に飲めると理想的です。
特に水分が不足しやすいのは、次のタイミングです。
・就寝の前後
・運動の前後や途中
・入浴の前後
「このタイミングには飲む」と決めておくと、忘れにくくなります。
水がベスト。アルコールは逆効果
水分補給にはどんな飲み物がいいのでしょうか?
基本は水道水やミネラルウォーターなどの水がいちばんおすすめです。
ただ、味や風味がないと飲みにくいという方もいますよね。そんなときは、ノンカフェインのお茶でもOKです。
水分補給としてあまり向かないのがアルコール。
アルコールには利尿作用があり、飲んだ以上の水分が尿として出やすくなります(※2)。
年末年始はお酒の機会が増える時期。飲むときはこまめに水も一緒にとるようにしましょう。
また、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなど、カフェインを多く含む飲み物やコーラやジュースなどの甘い飲み物も、日常の水分補給の“メイン”にするのはおすすめしません。
少量ならいいのですが、カフェインは利尿作用があり、甘い飲み物は糖分のとりすぎにつながりやすいためです。
冬のマスク生活は大変ですが、こまめな水分補給を心がけて、元気に乗り切っていきましょう。
(腎臓、心臓などの疾患をお持ちの方で、すでに医師に水分の摂取について指示されている場合は、この指示に従ってください)
※1:厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動
※2:環境省「熱中症環境保健マニュアル 2022」
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