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【管理栄養士監修】栄養素が豊富なプルーン。でも、妊娠中の食べすぎには注意

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プルーンは、女性や妊婦さんにとってうれしい栄養素が含まれます。だからといって食べすぎてしまうと、かえって体に良くないことも。今回はどんなことを意識して摂取するとよいのかを解説します。

目次
1.妊娠中のプルーン摂取を気をつけたい理由
1-1.エネルギー量と糖質の摂り過ぎになる
1-2. おなかを下しやすくなることも
1-3. 特に妊娠後期に気をつけたいポリフェノール
2.妊娠中、プルーンは何個まで食べていい?
2-1.嗜好品のひとつとして、たまに楽しむ程度に
2-2. 買うときは成分表示や原産地・製造国も確認を
3.妊婦の鉄分摂取はバランス良く
3-1.管理栄養士おすすめ鉄分対策レシピ
4.まとめ

1.妊娠中のプルーン摂取を気をつけたい理由

プルーンには、食物繊維やビタミンE、カリウム、鉄分など、妊娠中に摂りたい栄養素が含まれています。普段はスイーツを我慢している妊婦さんも、プルーンは果物だからという安心感から、ついたくさん食べてしまうかもしれません。しかし、食べすぎには注意が必要です。

1-1.エネルギー量と糖質の摂り過ぎになる

プルーンにはいろいろな製品がありますが、おやつとして手軽に楽しまれているのがドライプルーン。

果物を乾燥させて作られるドライフルーツは、果物の水分が蒸発されて、栄養素がぎゅっと濃縮されるため効率的に栄養素を摂取することができます。ですが、ここで気をつけたいのが糖質量です。ドライプルーンの糖質量は100g(10個)あたり55.2g。白ご飯1繕(150g)で糖質量が53.4gなので、わずか5個で白ご飯半膳分もの糖質量を摂取することになります。

商品によっては砂糖が添加されていることもあり、その場合はさらに糖質量が増えるので、食べるときは量に注意。体重の増えすぎや妊娠糖尿病を防ぐためにも、袋から直接手に取って口に運ぶのではなく、最初から量を決めて、小皿に盛りつけてから食べるようにしましょう。

1-2.おなかを下しやすくなることも

プルーンは便秘時や予防のために摂りたい食物繊維の他、「ソルビトール」という成分が含まれています。ソルビトールは腸内の水分量を増やして排便を誘発することが期待されます。しかし、摂りすぎると腸内の水分量が増え、下痢を引き起こす可能性があります。

1-3.特に妊娠後期に気をつけたいポリフェノール

抗酸化作用があり、生活習慣病の予防美肌やアンチエイジングにも期待できるとされるポリフェノール。プルーンにもポリフェノールが含まれていますが、実は妊娠中、特に妊娠後期(妊娠8カ月以降)のポリフェノールの過剰な摂取は、胎児の血管が挟まったり閉じたりする「動脈管早期収縮」を引き起こすおそれがあるという報告があります。

ポリフェノールはプルーンだけでなく、妊婦さんに好まれるルイボスティーやチョコレートなどにも含まれます。摂りすぎや飲み過ぎには注意しましょう。

2.妊娠中、プルーンは何個まで食べていい?

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2-1.嗜好品のひとつとして、たまに楽しむ程度に

例えばドライプルーンは1粒(約10g)で21kcalほど。粒になっていて食べやすいですが、無意識に口に運んでいると、あっという間にカロリーオーバーしてしまいます。また、上記で述べたような症状が起こる可能性もあるため、ときどき食べる嗜好品のひとつとして、楽しむ程度にするのがよいでしょう。

2-2.買うときはできるだけ成分表示も確認を

お店で買うときは成分表示をチェックして、できれば砂糖不使用で、保存料や着色料などの添加物がないような商品を選びましょう。

3.妊婦の鉄分摂取はバランス良く

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妊娠中は、赤ちゃんに血液を送り、循環する血液量も増えるため、貧血になりやすい傾向にあります。そのため、貧血予防のために鉄分を積極的に摂る必要があります。

18〜49歳(妊娠なし・月経あり)の女性に、厚生労働省が推奨する1日の鉄分摂取量は10.5mg/日です。妊娠初期にはこれに加えて+2.5mg/日、中期・後期には+9.5mg/日の摂取を推奨しています。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020版)」https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

プルーンにも鉄分は含まれていますが、プルーンだけに偏らず、あさりや牛肉、レバー、小松菜、ほうれん草などの食材からも積極的に摂取することがおすすめです。

3-1.管理栄養士おすすめ鉄分対策レシピ

妊娠中に鉄分補給をしたいときは、下記のレシピを参考にしてみてください。

あさりとアスパラガスの豆乳スープ
あさりから出るうま味を生かした、だし汁いらずの簡単スープ。味付けは塩だけなのに、味わい深い一皿です。
さば缶と切り干しのお手軽煮物
さば缶を使ったお手軽常備菜。不足しやすい鉄分や食物繊維、カルシウムが補えます。カルシウムの吸収を助けるビタミンDもとれておすすめ。
えのきでヘルシー納豆ツナおろしスパゲティ
大根おろしとぽん酢しょうゆで、後味サッパリの和風スパゲッティ。鉄分や葉酸がとれる納豆入りなのもポイント。

4.まとめ

プルーンには、鉄分をはじめとして、食物繊維など、優れた栄養素が含まれています。しかし、摂りすぎてしまうことで、母体だけでなく胎児にも影響を与えてしまう可能性も考えられます。妊娠中は、たまに楽しむ程度に数個だけ食べるのが安心です。

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士
文:綾城和美
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