大豆の良質なたんぱく質がたっぷり摂れる!日本独自の発酵調味料「味噌」
公開日: 2016年3月2日
味噌は日本独自の発酵調味料
味噌は日本の気候風土や食習慣の中で育まれてきた発酵食品であり、私たちの暮らしに欠かせない大切な調味料です。
かつては「手前味噌」といって、各家庭で作られてきました。味噌の作り方は調味料のなかでも簡単で、蒸煮大豆に麴(穀物に麴菌を培養し繁殖させたもの)と塩を加えて発酵熟成させます。今回は地域色豊かな味噌について、詳しくご紹介します。
味噌のルーツを探る!
味噌の歴史には諸説あります。縄文時代にどんぐりで作った味噌のような物を食べたのが始まりという説、中国で生まれた調味料の醤(ひしお)が、朝鮮半島を渡って日本に伝わり麴を使うようになったという説などです。
その後平安時代の味噌は乾いた納豆のようなもので貴族の高級な食べ物として流通していましたが、室町時代になってようやく庶民の食事として広まりました。このころから味噌汁が日本の食卓の定番となったのです。さらに江戸時代には各地で味噌の工業的な生産が開始され、現在の味噌にほぼ近いものが完成したといわれています。
味噌の種類
味噌の基本素材は大豆と塩ですが、麴の種類によって米味噌、麦味噌、豆味噌に分けられています。米味噌は米麹、麦味噌は麦麴、豆味噌は蒸した大豆そのものに豆麴を付けます。
米味噌
生産量が最も多い一般的な味噌です。代表的なものとして、仙台味噌や信州味噌、西京味噌などがあります。
麦味噌
麦味噌は田舎味噌とも呼ばれ、暖かい地方で多く作られています。麦の甘みや香ばしさが特徴的で、瀬戸内味噌や薩摩味噌などがあります。
豆味噌
豆味噌は東海地方を中心に作られています。独特な香りと濃厚な味が特徴的で、八丁味噌が有名です。
さらに味噌は、赤味噌・淡色味噌・白味噌などの色の違い、甘口・辛口などの味わいの違いでも種類が分けられます。
味噌の栄養
味噌の主原料である大豆は、良質のたんぱく質が豊富に含まれていますが、通常の調理では消化吸収されにくいのが欠点です。味噌は大豆たんぱく質が発酵の力によってアミノ酸に分解されて、消化吸収されやすくなります。さらに白米や小麦に少ないリジンなどの必須アミノ酸を多く含むため、主食と組み合わせることで効率よくたんぱく質がとれます。
また、味噌には強い抗酸化作用のある褐色色素のメラノイジンやコレステロール値や中性脂肪値を下げてくれるサポニン、女性ホルモンに似た作用で更年期障害の改善や骨粗しょう症を予防するイソフラボン、動脈硬化を予防するレシチンなどの栄養素も含まれています。
味噌は塩分が多いことが心配ですが、カリウムや食物繊維が豊富な野菜や海藻などと一緒にとると余分なナトリウムの排出を促し、食塩の摂取量を抑えることができます。