読む、えいよう

調理や食べ方の工夫で無理なく減塩する方法

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食塩は料理に欠かせない調味料です。しかし、食塩のとりすぎは、様々な病気のリスクを高めてしまいます。

特に慢性腎臓病や高血圧などの病気を持っている方にとって、重症化を防ぐには減塩が欠かせません。

減塩の具体的な方法として、塩控えめでもおいしく料理するコツや、食べ方の工夫で減塩するヒントをお伝えします。

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酸味、香り、うまみを活用

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塩分控えめでもおいしく調理するには、塩味以外の酸味、香り、うま味などを上手に活用することがポイントです。減塩とおいしさを両立する調理のコツを紹介します。

●香ばしさを加える
野菜や肉、魚を、グリルや網で焼き、焼き目をつけて食べるのもおすすめです。焼き目の香ばしさによって、食塩が少なくても物足りなさを感じにくくなります。

●香味野菜を使う
ねぎやしょうが、にんにくなどの香味野菜や、パセリやタイムなどのハーブを、料理に取り入れてみましょう。香りのあるものを加えると、おいしさがぐっと増して感じられます。

●だしや食材のうま味をきかせる
昆布や煮干しなどでとるだしは、調味料代わりになります。市販のだしの素には食塩など調味料が使われていることがあるので、成分表示を見てできれば調味料が入っていないものを選びましょう。また、きのこやトマトなどの食材はうまみが強く、減塩の味方です。

●新鮮な食材を使う
新鮮な食材や旬の食材は、素材そのもののうま味や風味が強いため、料理にメリハリがつきます。調味料をあまり使わなくても、食べ応えが増します。

●減塩調味料を使う
減塩調味料を使うと簡単においしく減塩できるので、料理に取り入れるのも一つの手です。普通の調味料より値段が高めになりがちなので、お財布に余裕がある時に試してみてください。
もちろん、いくら塩分控えめといっても使い過ぎれば減塩になりません。きちんと使う量を計りましょう。最近はメーカーからいろいろな商品が出ているので、好みにあうものを探してみるのも楽しいものです。

食べ方の工夫で減塩できます

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調理方法だけではなく、食べ方を少し変えることでも塩分を減らせます。

●みそ汁は1日1杯まで。具だくさんにして汁を減らす
みそ汁1杯には約1.2gの塩分が含まれているので、1日1杯までを目安にするのがよいでしょう。※1 野菜や豆腐などの具を多くして汁を減らすことで、塩分を抑えられます。小さいお椀を使うのもおすすめです。

●麺類のスープは飲まない
ラーメンは汁まで飲むと、1杯で1日の塩分摂取量の目標値に達してしまいます。スープを飲まないようにすれば、麺や具はすべて食べても大丈夫です。

●薄味としっかりした味のメリハリをつける
献立のすべての料理を薄味にすると、薄味に慣れていない方は、食事自体が楽しめなくなってしまうかもしれません。一品はしっかりした味つけの料理を作り、他の料理は薄味にして、メリハリをつけるのもおすすめです。

まとめ

塩分控えめであっても、調理方法や食べ方を工夫することで、満足感のある料理になります。 「おいしい健康」のテーマ別レシピ「塩分控えめでもおいしい」には、塩分が主食1.0g以下(汁麺は2.0g以下)、副菜0.4g以下、汁物0.9g以下でおいしいレシピが満載です。ぜひ活用してみてください。

<参考> 日本腎臓病学会編集「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン2018」(東京医学社)
<参考> 菅野義彦ほか監修「食事療法はじめの一歩シリーズ 腎臓病の満足ごはん」(女子栄養大学出版部)
※1 「調理のためのベーシックデータ(第5版)」(女子栄養大学出版部)

腎臓病ではどんな食事をとったらいいか、もっと詳しく知りたい方はぜひ、こちらをご覧ください。
腎臓病の食事のきほん

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監修
菅野義彦先生
東京医科大学病院 腎臓内科主任教授。1991年慶應義塾大学医学部卒業。同大学院医学研究科、米国留学、埼玉社会保険病院腎センター、埼玉医科大学腎臓内科、慶應義塾大学医学部血液浄化・透析センターを経て、2013年より現職。
編集:おいしい健康編集部
監修:菅野義彦先生
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