読む、えいよう

慢性腎臓病が進んだら意識したい栄養素は?

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「慢性腎臓病(CKD)」とは、腎臓の働きが低下したり、尿に必要以上の蛋白が出たりといった、異常が続く状態のこと。慢性腎臓病の食事療法の基本になるのは減塩です。

ただ、生活習慣に気をつけたり薬を飲んだりしても、腎臓の機能が落ちていく場合、減塩に加えてさらに踏み込んだ食事療法が必要になることがあります。

腎臓病が進んだら「たんぱく質やリン、カリウムといった栄養素を制限する必要がある」と聞いたことがあるかもしれません。この記事では、病気が進んだら意識する必要がある栄養素について解説します。

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たんぱく質制限は医師に相談を

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腎臓病がある程度進んだ方への食事療法として有名なのが「たんぱく質制限」。たんぱく質制限とは、肉や魚、大豆製品などを減らし、揚げ物や砂糖で必要なエネルギー量を摂るという方法です。

ただ、腎臓病患者さん向けの宅配食などの便利なサービスはありますが、たんぱく質制限を家庭で毎日実践するのは難しいこと。

加えて、たんぱく質制限は本来、たんぱく質を減らす代わりに油脂や炭水化物からエネルギーを補うことが必要です。中途半端にたんぱく質制限だけをすると、単にエネルギーの少ない食事になってしまいます。特に、体力のないシニアの方がエネルギーを補わずにたんぱく質制限だけすると、筋力が落ちて健康を損なう恐れがあります。

たんぱく質制限を行う方はこうした事情を踏まえた上で、かかりつけ医に相談し、管理栄養士からきちんとした指導を受けながら実践するのが大切です。

病気が進んだらカリウム、リンを意識

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腎臓病がかなり進むと、カリウムやリンといったミネラルを体の外に出すことが難しくなります。

カリウムが増え過ぎると筋肉が麻痺して、手足が痺れることも。心臓の筋肉が麻痺すると最悪の場合、命にかかわる可能性があります。カリウムは生の野菜や果物に多く含まれています。腎臓病の人が生の野菜や果物を摂りすぎるのは危険です。生の野菜はゆでる、果物は水にさらすといった工夫で、カリウムを減らせます。

一方、リンが増えすぎるとカルシウム値が低下して骨が弱くなるなどの悪影響が起こると言われています。たんぱく質を制限するとリンも自然に少なくなるので、カリウムほど気にする必要はありません。 カリウムに気をつけるよう医師から指導されている方は、「おいしい健康」のテーマ別レシピ「食品中のカリウムが気になる」のレシピも参考にしてみてください。野菜の水さらし・ゆでこぼしなど、カリウムを下げるための工夫がされているレシピや、カリウム低めのレシピが集まっています。

<参考> 日本腎臓病学会編集「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン2018」(東京医学社)
<参考> 菅野義彦ほか監修「食事療法はじめの一歩シリーズ 腎臓病の満足ごはん」(女子栄養大学出版部)

腎臓病ではどんな食事をとったらいいか、もっと詳しく知りたい方はぜひ、こちらをご覧ください。
腎臓病の食事のきほん

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監修
菅野義彦先生
東京医科大学病院 腎臓内科主任教授。1991年慶應義塾大学医学部卒業。同大学院医学研究科、米国留学、埼玉社会保険病院腎センター、埼玉医科大学腎臓内科、慶應義塾大学医学部血液浄化・透析センターを経て、2013年より現職。
編集:おいしい健康編集部
監修:菅野義彦先生