読む、えいよう

「心のえいよう」料理研究家 堤人美さん 身近にある楽しさを見つけて、上手に気分転換を

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「月刊おいしい健康」 では、料理研究家の方々にレシピを考案していただいています。「料理を考え、作ること」を仕事にするうえで、どのような考えで料理に向き合っているのでしょうか。また、心身ともに健やかでいるためにどのようなことに気をつけているのでしょうか。「心のえいよう」と題して、お話を聞いていきます。

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うま味や香りをうまく使って、満足感ある麺料理に

気温も湿度も高くなり、蒸し暑い日が続く季節になりました。「月刊おいしい健康 夏の特大号」 は、そんな時期にさっぱりといただける「塩分控えめの#夏麺」特集。「冷索麺(ひやそうめん)」という夏の季語があるくらい、日本の夏には、さっぱりとした麺が好まれます。

しかし、うどんやそうめんは、麺そのものに塩が含まれているので、どうしても塩分が高くなりがち。そんな問題を解決すべく、今回は、塩分控えめの麺料理を提案しています。レシピを考えてくれたのは、料理研究家の堤人美先生です。

麺料理では、野菜やたんぱく質を増やしたいものですが、そうするとどうしても味付けすることになり、塩分が高くなってしまいます。前述したように、麺そのものにも塩が含まれているので、塩分を抑えるにはコツが必要。

「塩分を控えてもおいしく仕上げるには、うま味の強い食材や香りのある香味野菜を使うのがおすすめです。少しの塩でも、物足りなさを感じずに食べられると思います」。

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たとえば、「トマトサルサうどん」は、トマトの中でも味が濃いめのミニトマトを使ってサルサソースを和えた一品。トマトのうま味に、にんにくや玉ねぎの香りが加わって、食べごたえが増しています。「豚しゃぶと蒸しなすのねぎだれ麺」は、その名の通り、ねぎだれがポイント。ねぎとごま油の香りが麺や豚肉、なすにまでからんで、あとをひくおいしさに仕上がっています。

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堤さんは、レシピを仕上げるために何度も試作をしてくれました。「野菜を増やすとどうしても味が薄くなってしまうし、かといって具材を減らすと、食物繊維やたんぱく質が足りなくなってしまう。塩分控えめでも食べごたえがあって、おいしいと感じてもらえるバランスを考えました」

植物を育てたり、自転車に乗ったりしてリフレッシュ

堤さんは、今回の夏麺のように、栄養バランスを考えながら、身近な食材を使っておいしく作ることのできる料理を考案してきました。著書は50冊以上にもなります。

20代の後半から料理家やフードコーディネーターのアシスタントとして、テレビや雑誌などで幅広く活躍。その後、自著を出す話が舞い込み、料理家として独立します。『材料入れてコトコト煮込むだけレシピ』や『材料ならべてこんがり焼くだけレシピ』(ともに主婦の友社)、『かんたんに作れるフライパンで蒸し料理』(家の光協会)、『肉炒め 頑張っているあなたへ 。とにかく簡単に作れるレシピです。』(グラフィック社)といった著書からもわかる通り、材料や道具、手順において、できるだけハードルを下げた料理を数多く提案し、たくさんの支持を得てきました。

日々、忙しく働くなかで、どのように気分転換したり、体力維持に努めているのでしょうか?

「いちばん身近なところだと、植物です。ベランダでいろいろ育てているのですが、お花やハーブなどの手入れをしたり、成長する様子を見たりしている時間は、すごく気持ちがいいものだなと思っています」

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そう話す目線の先にあるベランダでは、サルビアが花をつけ、少し前に届いたばかりという大きなドウダンツヅジが枝を広げています。 「セージもすごく育ってきたから、今ドライにしてみているところ」と見せてくれました。

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また、ここ最近は、自転車に乗ることも増えたと言います。「体力をつけようと思って(笑)。買い物に行くのはもちろん、ただ自転車を乗るだけという日もあります。新しい道を見つけたり、川まで自転車だとこれくらいかかるのかとわかったり、そういう小さなことが楽しくて」と。

日々の楽しみとしては、韓国映画やドラマもしかり。部屋を暗くし、プロジェクターで壁に投影して観ることもあるそう。
「出てくる料理を見るのも楽しいですし、好きな俳優さんの作品を見るだけで元気をもらえます」と楽しそうに笑います。今回の特集にも、韓国の麺料理であるカルグクスをヒントにした一品があるので、ぜひご覧下さい。

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コロナ禍という状況ではあるものの、堤さんは日々の生活のなかでの楽しみをうまく見つけて過ごしている様子。料理することも、食べることも、誰かの楽しみになってくれたらと、堤さんもおいしい健康スタッフも願っています。これからの季節「月刊おいしい健康 夏の特大号」 を、ぜひお役立てください。

プロフィール
堤人美先生
料理研究家。料理家やフードコーディネーターのアシスタントして、テレビや雑誌などを手がける。その後、独立し、雑誌や書籍、イベントなどで幅広く活躍中。近著に『肉炒め 頑張っているあなたへ 。とにかく簡単に作れるレシピです。』(グラフィック社)がある。


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撮影:鈴木泰介
編集:おいしい健康編集部
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