慢性腎臓病(CKD)の方の「外食」どう選ぶ?管理栄養士が教えるメニュー選びのコツ
公開日: 2026年5月11日

「外食に誘われたけど、何を食べればいいのかわからない」
「家族と同じお店に行くのが不安で、外出を避けてしまう……」
慢性腎臓病(CKD)と診断されてから、外食が怖くなってしまった方は少なくないと思います。
でも、食べてはいけないものばかり気にしていると、食事が苦痛になってしまいます。大切なのは「何を選ぶか」を知っておくこと。ポイントを抑えることで、外食を楽しみやすくなります。この記事では、おいしい健康の管理栄養士が、CKDの方の外食メニュー選びを、わかりやすくご説明します。
CKDの食事で気をつけたい栄養素は?
慢性腎臓病では、腎臓の働きが弱くなり、体の中の余分なものをうまく処理しにくくなります。そのため、食事の内容によっては腎臓への負担が大きくなることがあります。特に外食で意識したいのが、以下の4つです。
塩分(ナトリウム)
外食は全般的に塩分が多め。特にスープや汁物は食べすぎないように注意。
たんぱく質
摂りすぎると腎臓への負担につながるため、量の調節が大切です。
カリウム
ステージが進むと制限が必要です。生野菜・果物・汁物に多く含まれます。
リン
加工食品・乳製品・練り物に多く含まれます。過剰になると体にたまりやすくなります。
※制限の内容や程度は、腎臓病のステージや体の状態によって異なります。必ず担当の医師や管理栄養士に確認したうえで、自分の基準を把握しておきましょう。
外食時に意識したい5つのポイント
1. 汁物のスープは「残す」が基本
ラーメンやうどん、みそ汁のスープには、塩分・カリウム・リンが凝縮されています。麺類のスープは飲まずに残す、定食のみそ汁は半分で止めるなど、汁物の量を意識するだけで、食塩の摂取量を抑えられます。
スープは「だしを楽しむ程度」にとどめておくと安心です。
2. たんぱく質は「種類」より「量」に注意
CKDの食事療法では、たんぱく質を摂りすぎないことが大切です。外食では、肉・魚・豆腐などの主菜が大きくなりがちです。
ポイントは、1食の主菜を「1品」に絞ること。例えば、焼き魚定食を注文するなら、追加の唐揚げや冷奴はなしにする、といった判断が助けになります。
揚げ物は脂質が多い分、脂質制限がない場合は、同じエネルギーでもたんぱく質量を抑えやすいという側面もありますが、塩分やリンが多くなりやすいため、頻度は控えめにしましょう。
3. カリウムの多いメニューに気をつける
カリウムは野菜・果物・いも類・汁物に多く含まれます。腎臓病のステージが進んでいる方(医師から制限を指示されている場合)は特に注意が必要です。
外食で気をつけたいメニューの例:
- 生野菜のサラダ(加熱するとカリウムが減りやすい)
- フルーツ盛り合わせ・スムージー
- 芋類が多い煮物
- スープ・みそ汁(溶け出したカリウムが汁に含まれる)
「野菜は体にいいから」とサラダをたくさん食べてしまいがちですが、CKDの方の場合は量と種類に注意が必要です。ゆでたり炒めたりした野菜なら、カリウムの摂取量を抑えやすくなります。
4. 加工食品・練り物はリンが多い
リンは腎機能が低下すると排出されにくくなり、骨や血管に影響を及ぼすことがあります。
外食で気をつけたいリンが多い食品:
- ちくわ・はんぺん・かまぼこなどの練り物
- ハム・ウインナーなどの加工肉
- チーズ・牛乳を使ったグラタン・ドリア
- コーラなどの炭酸飲料・加工飲料
定食の副菜や小鉢、うどん・そばの天ぷらなどに練り物が入っていることがあるので、注文時や食べる前に少し確認する習慣をつけてみてください。
5. ご飯は「少なめ」で依頼できるお店もある
たんぱく質制限がある場合、エネルギーは脂質と炭水化物で補うことが大切です。ご飯はたんぱく質が少なく、エネルギー源として取り入れやすい食品ですが、外食では量が多めのことも。
「少なめにできますか?」と気軽に一言伝えられるお店では、ぜひ活用してみてください。
CKDの方に比較的選びやすい外食メニュー
【選びやすいメニュー】
焼き魚定食(みそ汁は少なめ)
主菜が1品に絞られ、量の調整がしやすいです。
天ぷら定食(汁物は控える)
油でエネルギーを補いやすい選択肢です。ただし塩分・リンには注意しましょう。
寿司(ネタを選んで)
量の調整がしやすく、加工食品を避けやすいです。
和食の定食全般
構成が見えやすく、汁物・副菜を減らす判断がしやすいです。
【選ぶときに注意したいメニュー】
ラーメン・うどん・そば
スープの塩分・カリウムが多くなりやすいです。
牛丼・豚丼などの丼もの
たんぱく質・塩分が多くなりがちです。
グラタン・ドリア・ピザ
チーズなどのリンが多いです。
カレー(市販のルー)
リン・塩分が多いです。
※ あくまで一般的な目安です。ステージや個人の制限内容によって異なります。担当の医師や管理栄養士にご確認ください。
おいしい健康アプリの活用法
▶ プロフィールを登録すると、食事基準を自動で算出
「慢性腎臓病(CKD)」を選択し、性別、体格、活動レベルなどに答えると、あなたの食事基準を算出。1日に必要な栄養価がわかります。
▶ 食事記録で塩分・たんぱく質・カリウムの量が確認できます
食べたものを記録することで、1日の食塩・たんぱく質・カリウム・リンの摂取量の目安を確認できます。外食した日の振り返りにも役立ちます。
▶ レシピ通りに作れば、栄養計算の手間ナシ
自炊する時のレシピには、食塩相当量・たんぱく質・カリウム・リンなどの栄養価を表示。制限がある場合でも、食事基準におさまっているかがひと目でわかり、安心して食べられます。
まとめ:外食も、上手に楽しんでいきましょう
「制限があるから、外食はもう楽しめない」とあきらめてほしくはありません。
何を選ぶかを少し意識するだけで、家族や友人と同じお店で食事を楽しむことは十分できます。完璧にやろうとしなくて大丈夫。「今日は汁物を残せた」「主菜を1品にした」など、小さな積み重ねが毎日の食事管理につながっていきます。
不安なことがあれば、担当の医師や管理栄養士に気軽に相談しながら、外食とも上手につき合っていきましょう。
参考
日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「食品成分データベース」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。腎臓病の食事制限の内容はステージや個人の状態によって大きく異なります。必ず担当の医師や管理栄養士にご相談のうえ、自分に合った基準を確認してください。