くらしの栄養学

慢性腎臓病(CKD)の方の「外食」どう選ぶ?管理栄養士が教えるメニュー選びのコツ

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「外食に誘われたけど、何を食べればいいのかわからない」

「家族と同じお店に行くのが不安で、外出を避けてしまう……」

慢性腎臓病(CKD)と診断されてから、外食が怖くなってしまった方は少なくないと思います。

でも、食べてはいけないものばかり気にしていると、食事が苦痛になってしまいます。大切なのは「何を選ぶか」を知っておくこと。ポイントを抑えることで、外食を楽しみやすくなります。この記事では、おいしい健康の管理栄養士が、CKDの方の外食メニュー選びを、わかりやすくご説明します。

CKDの食事で気をつけたい栄養素は?

慢性腎臓病では、腎臓の働きが弱くなり、体の中の余分なものをうまく処理しにくくなります。そのため、食事の内容によっては腎臓への負担が大きくなることがあります。特に外食で意識したいのが、以下の4つです。

塩分(ナトリウム)

外食は全般的に塩分が多め。特にスープや汁物は食べすぎないように注意。

たんぱく質

摂りすぎると腎臓への負担につながるため、量の調節が大切です。

カリウム

ステージが進むと制限が必要です。生野菜・果物・汁物に多く含まれます。

リン

加工食品・乳製品・練り物に多く含まれます。過剰になると体にたまりやすくなります。

※制限の内容や程度は、腎臓病のステージや体の状態によって異なります。必ず担当の医師や管理栄養士に確認したうえで、自分の基準を把握しておきましょう。

外食時に意識したい5つのポイント

1. 汁物のスープは「残す」が基本

ラーメンやうどん、みそ汁のスープには、塩分・カリウム・リンが凝縮されています。麺類のスープは飲まずに残す、定食のみそ汁は半分で止めるなど、汁物の量を意識するだけで、食塩の摂取量を抑えられます。

スープは「だしを楽しむ程度」にとどめておくと安心です。

2. たんぱく質は「種類」より「量」に注意

CKDの食事療法では、たんぱく質を摂りすぎないことが大切です。外食では、肉・魚・豆腐などの主菜が大きくなりがちです。

ポイントは、1食の主菜を「1品」に絞ること。例えば、焼き魚定食を注文するなら、追加の唐揚げや冷奴はなしにする、といった判断が助けになります。

揚げ物は脂質が多い分、脂質制限がない場合は、同じエネルギーでもたんぱく質量を抑えやすいという側面もありますが、塩分やリンが多くなりやすいため、頻度は控えめにしましょう。

3. カリウムの多いメニューに気をつける

カリウムは野菜・果物・いも類・汁物に多く含まれます。腎臓病のステージが進んでいる方(医師から制限を指示されている場合)は特に注意が必要です。

外食で気をつけたいメニューの例:

  • 生野菜のサラダ(加熱するとカリウムが減りやすい)
  • フルーツ盛り合わせ・スムージー
  • 芋類が多い煮物
  • スープ・みそ汁(溶け出したカリウムが汁に含まれる)

「野菜は体にいいから」とサラダをたくさん食べてしまいがちですが、CKDの方の場合は量と種類に注意が必要です。ゆでたり炒めたりした野菜なら、カリウムの摂取量を抑えやすくなります。

4. 加工食品・練り物はリンが多い

リンは腎機能が低下すると排出されにくくなり、骨や血管に影響を及ぼすことがあります。

外食で気をつけたいリンが多い食品:

  • ちくわ・はんぺん・かまぼこなどの練り物
  • ハム・ウインナーなどの加工肉
  • チーズ・牛乳を使ったグラタン・ドリア
  • コーラなどの炭酸飲料・加工飲料

定食の副菜や小鉢、うどん・そばの天ぷらなどに練り物が入っていることがあるので、注文時や食べる前に少し確認する習慣をつけてみてください。

5. ご飯は「少なめ」で依頼できるお店もある

たんぱく質制限がある場合、エネルギーは脂質と炭水化物で補うことが大切です。ご飯はたんぱく質が少なく、エネルギー源として取り入れやすい食品ですが、外食では量が多めのことも。

「少なめにできますか?」と気軽に一言伝えられるお店では、ぜひ活用してみてください。

CKDの方に比較的選びやすい外食メニュー

【選びやすいメニュー】

焼き魚定食(みそ汁は少なめ)

主菜が1品に絞られ、量の調整がしやすいです。

天ぷら定食(汁物は控える)

油でエネルギーを補いやすい選択肢です。ただし塩分・リンには注意しましょう。

寿司(ネタを選んで)

量の調整がしやすく、加工食品を避けやすいです。

和食の定食全般

構成が見えやすく、汁物・副菜を減らす判断がしやすいです。

【選ぶときに注意したいメニュー】

ラーメン・うどん・そば

スープの塩分・カリウムが多くなりやすいです。

牛丼・豚丼などの丼もの

たんぱく質・塩分が多くなりがちです。

グラタン・ドリア・ピザ

チーズなどのリンが多いです。

カレー(市販のルー)

リン・塩分が多いです。

※ あくまで一般的な目安です。ステージや個人の制限内容によって異なります。担当の医師や管理栄養士にご確認ください。

おいしい健康アプリの活用法

▶ プロフィールを登録すると、食事基準を自動で算出

「慢性腎臓病(CKD)」を選択し、性別、体格、活動レベルなどに答えると、あなたの食事基準を算出。1日に必要な栄養価がわかります。

▶ 食事記録で塩分・たんぱく質・カリウムの量が確認できます

食べたものを記録することで、1日の食塩・たんぱく質・カリウム・リンの摂取量の目安を確認できます。外食した日の振り返りにも役立ちます。

▶ レシピ通りに作れば、栄養計算の手間ナシ

自炊する時のレシピには、食塩相当量・たんぱく質・カリウム・リンなどの栄養価を表示。制限がある場合でも、食事基準におさまっているかがひと目でわかり、安心して食べられます。

まとめ:外食も、上手に楽しんでいきましょう

「制限があるから、外食はもう楽しめない」とあきらめてほしくはありません。

何を選ぶかを少し意識するだけで、家族や友人と同じお店で食事を楽しむことは十分できます。完璧にやろうとしなくて大丈夫。「今日は汁物を残せた」「主菜を1品にした」など、小さな積み重ねが毎日の食事管理につながっていきます。

不安なことがあれば、担当の医師や管理栄養士に気軽に相談しながら、外食とも上手につき合っていきましょう。

参考
日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「食品成分データベース」

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。腎臓病の食事制限の内容はステージや個人の状態によって大きく異なります。必ず担当の医師や管理栄養士にご相談のうえ、自分に合った基準を確認してください。

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士