食物繊維が豊富な「押し麦」に注目
公開日: 2016年5月2日
カフェや定食屋などで麦飯や五穀米などの雑穀米を選べるお店が増えていますが、ご自宅で炊いたことはありますか? 雑穀を使ったことがないと、調理が難しいと感じるかもしれませんが、じつは雑穀米を炊くのは白米のときとほぼ同じ要領と、とても簡単。また、ご飯に混ぜるだけでなく、サラダやスープなどにも活用できるんです。
雑穀には、麦や粟などさまざまな種類がありますが、今回は世界最古の穀物のひとつといわれる「大麦」を加工した「押し麦」をご紹介します。
大麦を調理しやすく加工した「押し麦」
パンやお菓子作り、また、揚げもののころもなどに小麦粉はよく使いますが、大麦はあまりなじみがないかもしれません。しかし、じつは日本へは小麦よりも早く大麦が伝来したといわれています。
大麦はイネ科の植物で、お米に「もち米」と「うるち米」があるように、大麦にも「もち性」と「うるち性」があります。粘り気が少ないうるち性の大麦の外皮をむき、薄く平らに加工したものが「押し麦」です。加工されることで調理がしやすくなり、消化も食感も良くなります。
2つの食物繊維をバランス良く含む押し麦
押し麦に含まれる栄養素で特筆すべき点は、「食物繊維」です。
食物繊維とは人の消化酵素で消化・吸収されず、そのまま大腸まで運ばれていく栄養素です。水に溶けるタイプ(水溶性食物繊維)と溶けにくいタイプ(不溶性食物繊維)の2種類があり、押し麦は水溶性食物繊維の「β-グルカン」がとても豊富。β-グルカンは体内の余分なコレステロールの排出や便秘の解消を助ける働きをしたり、糖質の吸収を穏やかにして食後の血糖上昇を抑えるともいわれています。
また、水分を吸収してふくらむ不溶性食物繊維は、腸内の善玉菌のえさになる水溶性食物繊維といっしょに便秘の予防や解消を助ける働きをしますが、押し麦は不溶性食物繊維も含んでいます。
同じ穀類のご飯(精白米)と比較すると、精白米は不溶性食物繊維を0.5g含んでいますが※1、押し麦は不溶性食物繊維5.5gに加えて水溶性食物繊維が6.7g※2。不溶性食物繊維だけで11倍、食物繊維の総量では約24倍ということになります(100gあたり)。
押し麦はそのほかに、ご飯やパンなどに含まれる糖質の分解や代謝を助けたり、肌や髪の健康を保つ栄養素「ビタミンB群」や、強い抗酸化力のある「ビタミンE」も含んでいます。
押し麦は主食にもおかずにも
もっとも簡単に押し麦を食生活に取り入れる方法は、ごはんに混ぜて炊くこと。炊いた白米1杯(150g)に含まれる食物繊維は約0.5gですが、白米の2割を押し麦に置き換えて炊くと1.6gに※2。なんと、食物繊維量が約3倍になり、エネルギーは10Kcalほど低くなります。
ご飯だけでなく、押し麦は料理にも活用できます。押し麦の下ごしらえは、熱湯で10〜15分、芯がなくなるまでゆでるだけ。スープや煮ものにする場合は、押し麦を他の具材と一緒に煮込めばゆでる手間がいりません。
冷凍保存でいつでも手軽に
押し麦はすぐに食べられる状態にゆでておき、冷凍保存をすることが可能です。ゆでたあとでしっかりと水けをきり、小分けに冷凍しておけば、毎回ゆでる手間が省けます。サラダの具材にしたり、ご飯に混ぜて即席麦ご飯にしたり、何かと重宝します。食べるときは電子レンジで解凍するか、スープや煮ものに使うなら、凍ったまま加えて加熱調理すればOK。
押し麦のプチプチした食感は、食べていて楽しく、食物繊維が豊富なので満腹感も得られます。主食に、おかずにと、押し麦を日々の食卓に取り入れて、不足しがちな食物繊維を上手にとりましょう。
※1 文部科学省公表,「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
※2 文部科学省公表,「日本食品成分表2015年版(七訂) 追補2018年版」
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