心臓病と診断されたら?管理栄養士が教える食事の工夫と選び方
公開日: 2026年5月29日

「心臓病と診断されたけど、これからいったい何を食べたらいいんだろう…」
そう思っていませんか?突然の診断に戸惑って、食事のたびに不安を感じている方は多いと思います。でも、難しく考えなくて大丈夫ですよ。
心臓病の食事は、「全部を我慢する」必要はありません。コツをつかめば、好きなものを楽しみながら続けられる食事に整えていくことができます。
この記事では、心臓病の方が食事で意識したいポイントを、おいしい健康の管理栄養士がわかりやすくお伝えします。
なぜ心臓病の食事管理が大切なのか
心臓病には、狭心症・心筋梗塞・心不全などさまざまな病気があります。これらの背景には、動脈硬化や高血圧、脂質異常症など、食事と深く関わる要因が関係していることも少なくありません。
日本循環器学会の「心血管疾患における栄養・食事療法ガイドライン2023」では、食事療法が心臓病の再発予防や進行を抑えるために大切であることが示されています。薬による治療とあわせて、毎日の食事を少しずつ整えていくことが、心臓への負担を減らすことにつながります。
急に全部を変えなくて大丈夫です。まずは「何を意識するとよいか」を知るところから始めてみましょう。
心臓病の食事で意識したい4つのポイント
① 塩分を控えめにする
塩分のとりすぎは血圧を上げ、心臓への負担を増やします。日本循環器学会のガイドラインでは、心臓病のある方の食塩摂取量の目標量は1日6g未満とされています。
とはいえ、いきなり薄味に切り替えるのは難しいですよね。まずはしょうゆやソースを「かける」のをやめて「つける」に変えるだけでも、塩分を抑えやすくなります。だしをきかせると、塩分が少なくても満足感が出やすくなります。
② 脂質の種類を意識する
脂質の「量」を減らすより、「種類」を変えることのほうが大切です。動物性脂肪(バター・ラード・肉の脂身など)に多い飽和脂肪酸はとりすぎると悪玉コレステロールを増やしやすいため、控えめにするとよいでしょう。
一方、青魚(さば・さんま・いわしなど)に含まれるEPAやDHAは、血液中の中性脂肪を下げる働きなどが期待されています。週に2〜3回、魚を食事に取り入れることを意識してみてください。
③ 野菜・きのこ・海藻を毎食とる
野菜・きのこ・海藻に含まれる食物繊維は、余分なコレステロールの排出を助ける働きがあります。また、野菜や海藻に多く含まれるカリウムは、体の中の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果が期待できます。
野菜の目安は1日350g以上。生野菜なら両手のひら山盛り1杯分、加熱した野菜なら片手のひらに山盛り1杯分を、毎食とるイメージです。
④ アルコールを控えめにする
アルコールは心臓に直接負担をかけるため、飲む場合は量を控えめにしましょう。目安は純アルコールで1日20g以下(ビール中瓶1本・日本酒1合程度)。心不全や不整脈がある方はかかりつけ医に相談のうえ判断してください。
積極的にとりたい食品・控えめにしたい食品
積極的にとりたい食品
- 青魚(さば・さんま・いわし・かつお):EPAやDHAを含む
- 緑黄色野菜(ほうれん草・にんじん・ブロッコリー):ビタミン・食物繊維を含む
- 豆類・大豆製品(納豆・豆腐・みそ):植物性たんぱく質を補いやすい
- きのこ・海藻:食物繊維・ミネラルを含む
- オリーブオイル・えごま油:不飽和脂肪酸を含む油
控えめにしたい食品
- 漬け物・干物・加工食品:塩分が多く含まれている
- バター・ラード・マーガリン:飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多い
- 霜降り肉・鶏皮・ベーコン:脂質が多め
- インスタント食品・ファストフード:塩分・脂質ともに多い傾向がある
外食・コンビニでの選び方のコツ
外食や中食を完全にやめる必要はありません。選び方を少し工夫するだけで、心臓に負担の少ない食事を続けられますよ。
外食でのひと工夫
- ラーメン・うどんなどの汁ものはスープを半分以上残す
- 定食はみそ汁・漬け物を「なし」か「少量」でオーダーする
- しょうゆ・ソースは「別添え」にして、つけすぎない
- 揚げ物より焼き物・蒸し物・煮物を選ぶ
コンビニでの選び方
- おにぎりは具材を確認し、塩分の少ないものを選ぶ
- 惣菜は「魚系・煮物系」を優先し、揚げ物は量を控えめに
- 栄養成分表示を確認し、食塩相当量が2g以下のものを選ぶ意識を持つ
心臓病の方におすすめの管理栄養士レシピ
心臓病の方の食事管理に役立つ、塩分・脂質に配慮したレシピをご紹介します。
おいしい健康アプリの活用法
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プロフィールを設定する
心臓病(狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全)で登録しておくと、あなたに合ったレシピが優先表示されます。食事の制限内容もプロフィールに反映できます。 -
お悩みからレシピを探す
「塩分控えめ」などで検索すると、今日の食事にすぐ使えるレシピが見つかります。青魚や野菜を使った心臓にやさしいレシピも多数揃っています。 -
食事記録で塩分・脂質を確認する
食べたものを記録するだけで、今日の塩分量・脂質量を簡単に振り返ることができます。基準値と照らし合わせながら、無理なく食事管理を続けられますよ。
まとめ
- 心臓病の食事管理は「禁止」より「工夫」が基本。急に全部変えなくていい
- 食塩摂取量は1日6g未満を目標に。しょうゆやソースの使い方を見直すところから
- 脂質は「量」より「種類」。青魚を週2〜3回とり入れる
- 野菜・きのこ・海藻を毎食とることで食物繊維・カリウムを補える
- 外食・コンビニは「汁ものを残す」「揚げ物を減らす」の意識で
- 食事で迷ったときは、かかりつけの医師や管理栄養士に相談を
心臓病の診断を受けたからといって、食事の楽しみをあきらめなくていいんです。「今日はスープを残せた」「野菜を1品増やせた」——そんな小さな一歩が、心臓にやさしい食事へとつながっていきます。
参考・出典
- 日本循環器学会「心血管疾患における栄養・食事療法ガイドライン2023」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 農林水産省「食事バランスガイド」




