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年末年始。もちでの窒息を防ぐポイントとくふうの料理

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お正月によく食べる「もち」。
お雑煮やおしるこなどを、家族一緒に食べる機会が多いと思います。
そこで知っておきたいのが、高齢の方の窒息事故のこと。
年末年始に多発していますので、高齢の方がもちを食べる際には注意が必要です。
もちを食べるときの注意点と、窒息対策になる「もち風料理」をまとめました。

正月三が日は特に注意

誰しも高齢になると、かんだり飲み込んだりする機能が衰えてくるものです。
昨年のお正月に食べたときは大丈夫だった「もち」が、今年も同じように食べられるとは限りません。
普段、食べ慣れている方なら心配ないかもしれませんが、久しぶりの方は特にお気をつけください。
厚生労働省の調査を元に、消費者庁が分析した報告によると、もちでの窒息事故について次のようなことがわかったそうです。(※1)

・もちによる窒息死亡事故の43%が、もちを食べる機会が多い1月に発生していた*
・特に正月三が日に多い
・男性の死亡者数は女性の2.6倍も多い


*65 歳以上の「餅」又は「もち」を含む窒息事故による死亡者数は、平成 30 年で 363 人、令和元年で 298 人で計 661 人。

高齢の方がもちを食べるときは、以下のポイントを参考にしてください。家族の方も一緒に食卓を囲み、食事の様子を見守りながら、楽しく食べたいですね。

もちによる窒息の防止ポイント

・もちは小さく切り、食べやすい大きさにする
・もちを食べる前に、お茶や汁物などを飲んで喉を潤す
(よくかまないうちに水分で流し込むのは危険)
・一口の量は、無理なく食べられる量にする
・ゆっくりとよくかんでから、飲み込む

高齢の方でも食べられる「もち風料理」のくふう

小さく切ってたとしても、もちを食べる(高齢の方に出す)のが怖いという方は、白玉粉を使ってみてはどうでしょうか?
白玉粉に食材を混ぜ込むことで、もちの食感がありつつもやわらかくなり、かんだり飲み込んだりしやすくなります。
また、小さいサイズで作ることができます。食材を混ぜ込むことで栄養価もアップしますので、高齢の方におすすめのくふうです。

混ぜ込む食材は、色の白い豆腐がおすすめ。調理が手軽でくせがなく、お雑煮やおしるこなど、どんな料理にももちの代替え食材として使えます。
たんぱく質の補給にもなるのも、うれしい点です。

それでは、おいしい健康の白玉粉と豆腐を使った、もち風料理レシピを紹介します。

<白玉粉 × 豆腐>もち風料理レシピ

■しょうゆ仕立ての関東風お雑煮が、白玉粉と豆腐で作ることができます。ほかの食材も小さく切って食べやすく

■白みそ仕立ての関西風お雑煮も、白玉粉と豆腐で。よくかんで、お召し上がりください

■白玉粉と絹ごし豆腐を練って作ります。仕上がりの色が白なので、見た目でももちの雰囲気が楽しめます

■きな粉と砂糖をかけて、きな粉もち風に。きな粉以外にも、黒みつ、はちみつなどにも合います

良いお年をお迎えください。

※1 消費者庁 2020年12月23日公表「年末年始、餅による窒息事故に御注意ください! -加齢に伴い、噛む力や飲み込む力が衰えてきます。小さく切って、少量ずつ食べましょう-」

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士
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