くらしの栄養学

血圧が高めと言われたときの「減塩」のはじめかたと、食事のコツ

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「血圧が高めと言われたけど、減塩って難しい……」

そう感じている方は多いのではないでしょうか。

薄味にしようと思っても家族の好みが違ったり、外食が続くと難しかったり。頭ではわかっていても、なかなか続けられないものですよね。

血圧が気になるときは、減塩が基本になりますが、それだけではありません。塩分を控えること以外にも、意識したいポイントがいくつかあります。何を食べるか、どう食べるか。そのひとつひとつが、少しずつ血圧に影響しています。

今回は、おいしい健康の管理栄養士が、血圧が気になる方に意識してほしい食事のポイントをお伝えします。難しく考えなくて大丈夫です。できそうなことから、少しずつ取り入れてみてくださいね。

なぜ、食事が血圧に関係するの?

血圧は、心臓が血液を送り出す力と、血管の状態(広がりやすさなど)によって決まります。

塩分(ナトリウム)をとりすぎると、体が水分をため込んで血液の量が増え、血管への負担が大きくなります。反対に、野菜や果物に含まれるカリウムは、余分なナトリウムを体の外に出すのを助けてくれます。

食事の内容を変えることで、こうした体の中の働きに少しずつ影響を与えることができます。特別な食品やサプリメントは必要ありません。日々の食卓を少し見直すだけで、変化を感じられることがあります。

血圧が気になるときに意識したい、5つの食事のポイント

1. まずは塩分を見直してみましょう

高血圧の食事で最初に取り組みたいのが、やはり減塩です。日本人は塩分をとりすぎている傾向があり、少し意識するだけで変わりやすいポイントでもあります。

急に薄味にしようとすると続かないことも多いですよね。まずは「汁物を1日1杯にする」「醤油はかけるのではなくつける」など、小さな工夫から始めてみてください。だしのうま味をきかせることで、塩分を控えながらも「おいしい」と感じられる料理が作りやすくなります。

【1日の塩分摂取量の目標】
目安として、以下を参考にしてみてください。
高血圧の方:6g未満
一般成人:男性7.5g未満、女性6.5g未満

2. カリウムを意識してとる

カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿と一緒に排出するのを助ける栄養素です。野菜・果物・豆類・いも類などに多く含まれています。

「野菜をもっと食べよう」と言われても、なかなか難しいですよね。まずはみそ汁に野菜をひと種類足す、副菜に小鉢を一品加えるなど、少しずつ増やすところから始めてみましょう。

【カリウムを多く含む食材】
野菜:ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、トマト、かぼちゃ
果物:バナナ、キウイ、アボカド
その他:納豆、豆腐、さつまいも
※腎臓の機能が低下している場合は、カリウムの摂取制限が必要なことがあります。主治医や管理栄養士にご相談ください。

3. 脂質の「質」を意識する

血管がかたくなると血圧が上がりやすくなるため、脂質のとり方も見直していきましょう。

脂質そのものを減らすよりも、種類を意識することがポイントです。肉の脂身やバターに多く含まれる飽和脂肪酸は、動脈硬化を進めやすいため、とりすぎに注意が必要です。

代わりに取り入れてほしいのが、青魚(さば・いわし・さんまなど)に含まれるEPA・DHA、えごま油やオリーブオイルに含まれる不飽和脂肪酸です。

週に2〜3回、魚料理を食卓に取り入れてみてください。

4. 食物繊維を増やす

食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、体重管理や血糖値の急な上昇を抑えるなど、血圧に関係する体の状態を整える働きが期待されています。野菜・海藻・きのこ・豆類に多く含まれています。

主食を白米から雑穀米や玄米に変えるだけでも、食物繊維の量はぐんと増えます。「急に全部変えるのは難しい」という方は、白米に2〜3割混ぜるところから試してみてくださいね。

5. アルコールは「ほどほど」に

飲酒は血圧を上げる要因のひとつです。毎日飲む習慣がある方は、まず「週に2日は休肝日をつくる」ことから意識してみましょう。

お酒を完全にやめなくても、量を減らすだけでも変化が出ることがあります。少しずつ、無理のない範囲で取り組んでみてください。

食べ方も、血圧に関係します

何を食べるかと同じくらい、「どう食べるか」も大切です。

早食いは食べすぎにつながりやすく、肥満を招く原因にもなります。肥満は高血圧のリスクを高めるため、ゆっくりよく噛んで食べることは、血圧管理のうえでも意味のある習慣です。

また、食事の時間が不規則になると血糖値の急な変動が起きやすくなり、血管に負担がかかることがあります。できるだけ毎日同じ時間に、3食バランスよくとることを意識してみてください。

おすすめのレシピ

血圧が気になるとき、「何を作ればいいんだろう」と悩むことはありませんか。減塩を意識しながらも、おいしく食べられるレシピをご紹介します。

鶏むね肉ときのこの南蛮漬け
甘酢のうま味と酸味で、塩分控えめでも満足感のある一品。きのこでカリウムや食物繊維も一緒に補えます。作り置きができるので、忙しい日にもおすすめです。
さばのカレー竜田揚げ焼き
カレー風味で食べやすく仕上げた、青魚のさばの一品。揚げずに焼くことで脂質も控えめです。EPAやDHAも一緒に補えます。
ツナタコライス
カリウムが多いアボカド、ミニトマトをたっぷり使ったタコライス。ツナでたんぱく質も補えて、スパイシーな風味で満足感のある一品です。

おいしい健康アプリの活用法

毎日の食事で減塩を続けていくのは、なかなか大変ですよね。そんなときに役立つのが、おいしい健康アプリです。血圧や塩分が気になる方のために、次のような使い方ができます。

▶ お悩みからレシピを探せます
「塩分が気になる」「血圧が気になる」などのお悩みから、自分の状況に合ったレシピを見つけることができます。

▶ プロフィール登録で、あなたに合った提案が届きます
プロフィールから「血圧が高い」「高血圧」などを設定すると、塩分控えめのレシピが優先的に表示されるようになります。

▶ 食事記録で、1日の塩分量が確認できます
食べたものを記録することで、1日の塩分摂取量の目安が確認できます。記録を続けることで、食事全体のバランスが見えやすくなります。

血圧と上手につき合いながら、食事を楽しもう

血圧を気にしはじめると、「あれは食べていいの?」「これはダメなの?」と不安になることもありますよね。

でも、食事管理は「我慢するもの」ではありません。野菜をたっぷり使った料理を楽しんだり、青魚のおかずを食卓に増やしたり。そういった日々の小さな積み重ねが、血圧の管理にもつながっていきます。

おいしく食べながら、血圧とゆっくりつき合っていきましょう。

参考・出典

  1. 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」
  2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

  3. 高血圧と食事についての特集ページも公開中▼
    献立も外食もまるわかり!高血圧と食事献立も外食もまるわかり!高血圧と食事
編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士