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【離乳食の基礎知識②】離乳食の進め方と食材の使い方

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監修:一般社団法人母子栄養協会代表理事 管理栄養士 川口由美子先生

離乳食は赤ちゃんの発達や食べる力に応じて、初期から完了期まで4段階に分かれていますが、月齢はあくまで目安です。個人差があるので、赤ちゃんの食べ方をみながら、いろいろな食べ物を楽しめるよう、段階に合ったかたさや形状を目安に進めていきましょう。

この記事のポイント

・進め方には4段階あるが、月齢にとらわれすぎず、赤ちゃんのペースに合わせることが大事
・いろいろな食材を与えると栄養バランスも整いやすくなるが、無理のない範囲でOK
・食べてはいけない食材を知っておき、その他の食材は段階に応じてかたさや調理法を変える

離乳食の進め方の4つのステップ

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離乳期の進め方は、赤ちゃんの発育・発達の状況に応じて、食べる量や食材の種類を増やし、形状を調整していきます。厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」に月齢の目安も示されていますが、個人差があるので、赤ちゃんの食べ方をよくみながら、判断していくのが◎。
離乳食の進め方や赤ちゃんの成長で心配なことがあったら、病院や保健センターの管理栄養士・保健師、医師や助産師などの専門家に相談するとよいでしょう。

赤ちゃんのペースでステップアップ

まずは段階ごとに赤ちゃんがどんな食べ方ができるようになるのかを知っておきましょう。大切なのは月齢に合わせることではなく、赤ちゃんの食べ方の変化を確認しながら進めることです。
「離乳食の進め方」ページも参照

離乳初期(生後5〜6ヶ月頃)
・まずは食べることに慣れ、飲み込むことを覚える時期。
・最初はお粥(米)からはじめます。
・量を食べることより、口に入った離乳食を唇を閉じて飲み込めるようになることと、舌触りや味に慣れることを目指します。
・離乳食の回数は1日1回。母乳やミルクはほしがるだけ与えます。

離乳中期 (生後7〜8ヶ月頃)
・舌でつぶせるかたさのものを、舌と上あごでつぶして食べる時期。
・いろいろな味や舌触りを楽しめるように食品の種類を増やせるといいでしょう。
・離乳食の回数は1日2回。母乳は赤ちゃんがほしがるだけ、ミルクは1日3回程度与えます。

離乳後期(生後9〜11ヶ月頃)
・前歯で食べ物をかみ切って、歯茎で食べる時期。
・手づかみ食べに興味が出てきたら積極的にやらせてあげましょう。
・離乳食の回数は1日3回。母乳は赤ちゃんがほしがるだけ、ミルクは1日2回程度与えます。

離乳完了期 (生後1歳〜1歳6ヶ月頃)
・かじる、かむことが上手になってくる時期。
・手づかみ食べのほか、スプーンやフォークを使いたがるようにもなります。
・離乳食の回数は1日3回+補食1〜2回。母乳は赤ちゃんがほしがるだけ、ミルクは食欲や成長に応じて与えます。

食材の種類と量は徐々に増やしていく

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離乳食の時期は、赤ちゃんのペースで食べ物や食事に慣れていくとき。最初から量も種類もたくさん食べられないこと、上手に食べられないことは当たり前です。「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」によると、はじめ方と進め方の目安は下記のように記載されています。

・ご飯(お粥)からはじめる
・新しい食品をはじめるときは1さじずつから様子をみて、量を増やしていく
・慣れてきたらじゃがいもやにんじんなどの野菜、果物を
・さらに慣れたら豆腐や白身魚、かたゆでした卵黄などを
・魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へ、卵は卵黄から全卵へと進める
・脂質の少ない肉類、豆類、各種野菜、海藻と種類を増やしていく

これらを目安にしつつ、赤ちゃんが食べやすいかたさ、形状にしていろいろな食材を試してみましょう。食べない日があっても別の日だったら食べることもあるなど、焦らずゆっくり見守りましょう。

離乳食期に気をつけたい食べ物

いろいろな食材といっても、実際に「どんなものを使うといいの?」と迷う方も多いかもしれません。赤ちゃんへのリスクに気をつければ、食べられるものがほとんどです。そこで、最初に離乳食の時期に赤ちゃんに与えてはいけないものを覚えておきましょう。

はちみつなどの特定の食材や、食中毒や窒息の心配のあるものに注意

離乳食期に注意したい食品
・はちみつ(1歳までNG)
・牛乳(1歳までは加熱調理のみ)
・香辛料(1歳までは控える)
・肉、魚、卵の生もの
・カフェイン
・のどに詰まりやすいもの
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はちみつは乳児ボツリヌス症発症の恐れがあるため、1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないようにします(詳しくはこちら>厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから)。 のどに詰まりやすいものの例としては、かたい豆やナッツ、餅などが挙げられます。

その他の食材は赤ちゃんの成長に合わせてかたさ、形状、調理法などを変えていきます。大事なことは「衛生面と安全性」。この2点に気をつけていれば、多くの食材は離乳食期に使うことができます。赤ちゃんが食べられる形状を心がけ、いろいろなものを楽しめるようにしたいですね。

アレルギーの心配がある食材について

赤ちゃんに多く見られるアレルギー発症の食材は、卵、小麦、牛乳・乳製品です。これらを使った食品を初めて与える際は少量からにします。
ほかにも、食品表示基準によりアレルギー表示が義務づけられているまたは推奨されている食材もあります。例えば、大豆製品、そば、山いも、一部の果物や魚介などで、少量から与えるようにします。(詳しくはこちら>消費者庁 食物アレルギー表示に関する情報)。
はじめて与えるときは病院を受診できる時間帯にすると、何かあったときにすぐ受診できます。もしアレルギーの症状が出たら専門医を受診し、適切な指導のもと、治療をすることが前提となります。

離乳食と栄養について

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食べることに慣れてきたら、栄養バランスも気になるもの。食べられるものが増えると自然に様々な栄養がとれるようになります。厳密にならずに、赤ちゃんが食べられるものを徐々に増やしていきたいですね。

炭水化物、ビタミン・ミネラル、たんぱく質を摂取

はじめての離乳食はお粥からはじめますが、徐々に新しい食材や食品を取り入れ、食事量も増やしていきます。 「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」によると、「離乳食に慣れ、1日2回食に進むころには、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事とする」とされています。献立としていろいろな食材を組み合わせ、下のような栄養素をとるようにすると、栄養バランスのとれた食事になります。

●炭水化物
ご飯、パン、麺などの穀類(主食)からとることができます。
●ビタミン・ミネラル
野菜、果物などからとることができます。
●たんぱく質
肉、魚、大豆食品、卵、乳製品などからとることができます。

「鉄」は特に意識してとりたい栄養素

母乳育児の場合、生後6ヶ月以降は、鉄が欠乏しやすいという報告があります。鉄欠乏性貧血を予防するうえで、離乳食で鉄を含む食材を意識的にとりたいものです。
【鉄を多く含む食材の例】
大豆製品、ほうれん草、牛肉、卵、まぐろ、青魚、小松菜、豚肉、レバー

「ビタミンD」も欠乏しやすい栄養素

ビタミンD欠乏による「くる病」の増加が指摘されており(※1)、ビタミンDも補いたい栄養素です。ビタミンDはカルシウムの吸収に必要なビタミンでもあります。赤ちゃんの歯や骨をつくるうえでもとりたい栄養素です。
【ビタミンDを含む食材の例】
しらす干し、鮭、メカジキ、卵黄、きのこ

食材別の離乳食への使い方

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炭水化物、ビタミン・ミネラル、たんぱく質をとれる食材はいろいろありますが、赤ちゃんの体や食べる力の発育に合わせた状態にして与えることが大切です。栄養素別に離乳食で使いやすい食材や食品の一例と、注意点などを紹介します。

エネルギーとなる炭水化物「ご飯・パン・麺」「いも類」

●ご飯(米)
離乳食の開始はお粥からスタート。「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」によると、はじめは「つぶし粥」、慣れてきたら粗つぶし、つぶさないまま、軟飯へと移行し、徐々にかたさを変えていきます。「何倍粥」という記載もありますが、あまりとらわれず、やわらかさと赤ちゃんが食べられているかを確認することが大切です。

●パン
離乳食に使いやすいのは、耳のないサンドイッチ用食パン。最初のうちはパン粥として水分を加えて煮てなめらかな食感にして使用。小麦はアレルギーの心配もあるので、最初は少量ずつ与えます。手で食べられるようになったらスティック状にして与えても。

●麺類
うどんやそうめんは塩分を含むので、ゆでてからよく水洗いをします。最近では、塩分ゼロの麺もあるので、利用できるとよいでしょう。また、長いままではなく、細かく刻んで使います。麺類も小麦が原料の場合が多いので、アレルギーの心配を考えて少量ずつ与えます。

●いも類
じゃがいも、さつまいもが使いやすく、ゆでてつぶし、ゆで汁で伸ばすとなめらかな食感になります。甘みがあり食べやすく、とろみをつけたいときにも活用できます。

ビタミン・ミネラル「野菜・果物など」

●野菜
基本的に、時期に合わせたやわらかさにすればほとんどのものが食べられます。大根、にんじん、かぼちゃ、玉ねぎなどはやわらかくしやすいので、初期から使いやすいでしょう。 葉もの野菜(キャベツ、白菜、青菜など)は繊維を含むので、茎や芯ではなく、やわらかい葉の部分をやわらかくゆでて細かく刻んで使うとよいでしょう。

●きのこ
そのままだとかみ切りにくいので、無理に使わなくてもOKです。もし使う際は細かくして使います。大きく切ると、のどに詰まるので注意しましょう。きのこのうまみを生かし、煮出しただしを使う方法も。

●海藻
わかめなどかみ切りにくいものは、細かくして使います。 海苔は上あごにくっつきやすいので、青のりで代用したり、きざみ海苔を使います。

●果物
りんごは果汁からはじめ、すりおろして使用、切ったものを加熱してやわらかくするなど発育に合わせた食べやすい形に。バナナはペーストにしたり、離乳後期になったら薄切りにしてあげるとよいでしょう。ぶどうなど、のどに詰まりやすい大きさのものは細かく1/4以上に切って与えます。

たんぱく質「肉・魚・大豆食品・卵・乳製品」

●肉
「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」には、脂肪の少ない肉類からはじめるという記載があります。脂肪の少ない肉は鶏ささ身や鶏ひき肉ですが、パサつきやすいのでとろみをつけると食べやすくなります。 豚肉や牛肉の赤身肉は中期以降の鉄の補給のうえでおすすめです。 肉類はゆでる、煮るなどして食べやすいかたさ、形状にして使います。

●魚・魚介類
「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」には、魚は白身魚からはじめ、赤身魚、青魚へ進めるよう記載されています。まずは白身魚からはじめると身がやわらかくておすすめです。 魚は新鮮であっても、必ず加熱して使いますが、加熱するとかたくなります。飲み込みにくい場合はお粥に混ぜる、とろみをつけるなどの工夫をするとよいでしょう。 しらす干しは初期から使えますが、塩分を含むので熱湯で塩抜きして使用。 まぐろやかつおの赤身の魚は中期以降の鉄の補給にもおすすめ。加熱してほぐして使います。まぐろやかつおが原料のツナ缶を使うのも手軽です。

●大豆食品
ゆでてつぶすなどやわらかくしやすい豆腐は、初期から使いやすい食材。 料理に無調整豆乳を使う、納豆を刻んで与える、きな粉をお粥に混ぜるなどで大豆食品を取り入れられます。大豆にはアレルギーの心配もあるので、大豆食品は少量からはじめます。

●卵
かたゆでにした卵黄からはじめます。最初はアレルギーの心配もあるので、1さじより少なめの量で。ゆでた卵黄をこし、湯でのばすとなめらかな食感になります。卵黄が食べられたら、かたゆで卵の卵白を少しずつ足していきます。

●乳製品
牛乳を飲み物として与えるのは1歳をすぎてから。ヨーグルト、脂質の少ないチーズなども使えます。アレルギーの心配もあるので少量からはじめます。

ベビーフードを使ってもOK
栄養バランスのとれた離乳食は、全て手作りしないといけないの?と思わなくても大丈夫です。準備できない場合はベビーフードを活用してもOK。ベビーフードは、食材の大きさやかたさ、とろみ、味付けの目安として参考にすることもできます。与える前に一口食べて、赤ちゃんの食べ方に合ったかたさか、温めたときに熱すぎないか、などを確認すると◎。

まとめ

離乳食は「⚪︎ヶ月だからこれを食べる」と一律に決めるものではなく、赤ちゃんの発達や様子をみながら柔軟に対応していくことが大切です。大切なのは「赤ちゃんが楽しく食事に向き合えること」。焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて進めていきましょう。次の記事では、離乳食の調理や冷凍ストックについて解説します。 【離乳食の基礎知識③】離乳食の基本の調理と冷凍テク

一般社団法人母子栄養協会代表理事
川口由美子先生
管理栄養士。母子栄養指導士。女子栄養大学生涯学習講師。女子栄養大学にて小児栄養学を研究後、30年ほど子どもの食事に関する業務に携わる。Eテレ「まいにちスクスク」のほか、テレビ、雑誌、WEBで離乳食や幼児食のレシピ提案、コラム執筆、栄養監修等を行う。主な著書「まねしてラクラク迷わない!365日のフリージング離乳食」(西東社)

母子栄養協会ホームページ

参考
厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
「まねしてラクラク迷わない!365日のフリージング離乳食」西東社 こども家庭庁 生後5か月からの離乳スタートガイド ※1 日本小児科学会 乳児期のビタミンD欠乏の予防に関する提言

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編集:おいしい健康編集部