【離乳食の基礎知識③】離乳食の基本の調理と冷凍テク
公開日: 2026年1月21日

監修:一般社団法人母子栄養協会代表理事 管理栄養士 川口由美子先生
離乳食の調理は、衛生面はもちろん、かたさや形状などを考慮し、赤ちゃんの成長に合わせた食べやすさにすることが大切です。そのため、大人が食べる料理とは作り分けたり、ひと手間をかけたりする必要があります。冷凍ストックや取り分けなどを活用して、できるだけ調理をラクにする方法もご紹介します。
この記事のポイント
・誤えんを防ぐためのかたさや形状、大きさにする
・冷凍ストックや取り分け食など、作る側の負担を軽くする工夫もある
衛生面・安全性を考えた調理が基本

離乳食を作る際、どの段階でも共通して気をつけておきたいことは3つあります。赤ちゃんの体はデリケートなので、安心・安全な調理を心がけることが大切です。
1.清潔な調理道具を使い、加熱調理をする
赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので、食中毒などを防ぐためにも清潔な調理道具や環境で行います。調理前に石鹸で手を洗う、清潔な調理道具を使う、食材はしっかりと加熱することを意識しましょう。また、作ったらなるべく早く与え、常温に長く放置しないようにします。
2.誤えんを防ぐために、かたさや形状、大きさに配慮
かたいものやかみ切りにくいものはのどに詰まる原因に。また、ミニトマトやうずらの卵、ぶどうなど、ツルッとしている丸いものも同様の恐れがあります。そのような食材は、加熱してやわらかくする、ペースト状にする、刻むなど形状を変えた調理をしましょう。
3.味付けは薄味が基本
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」によると、離乳食の開始時期は「調味料は必要ない」という記載があります。これは「調味料を使ってはいけない」ということではありません。離乳食が進むにつれて味付けをしたいときは素材の味を生かしながら薄味で調理し、油脂も多くなりすぎないようにしましょう。
実際、赤ちゃんは大人より味覚が敏感なので、薄味でも素材の味を感じることができます。また、濃い味付けに慣れてしまって塩分をとりすぎることは、大人になったときの生活習慣病などのリスクも高めてしまいます。調味料のかわりにだし汁などのうま味を加えるなどの減塩の方法を取り入れて、大人も一緒に食生活を見直せると一石二鳥です。
離乳食作りの主な調理法

離乳食でよく行う調理法は以下のようなことがあります。いずれも赤ちゃんが安心・安全に食べられるようにするために必要な工程です。
加熱する
ゆでる、煮る、レンジ加熱などが加熱調理の主な方法。離乳食において加熱が必要な理由は次の2つです。
1:衛生面において、食中毒などの予防のために必要
2:赤ちゃんの咀嚼機能に合わせて、食材をやわらかくするために必要
加熱の目安は、調理道具や環境によって異なりますが、ゆでる、煮るときにはしっかりフツフツと沸騰するまでを目安に。また、肉、魚、卵などは中までしっかり火を通します。
すりつぶす
離乳初期など赤ちゃんが食べやすいよう、ゆでた食材をなめらかにするために行います。すり鉢とすりこ木、フォークやマッシャーなどを使ってつぶす方法があります。
まとめて作るときはハンドブレンダーなどですりつぶし、小分けにして冷凍しておくとラクです。
こす(裏ごしする)
繊維のある野菜は加熱した後に茶こしや裏ごし器などでこすことで舌ざわりを良くします。なめらかさが足りない場合はゆで汁やだしでのばします。
野菜やいも類の他、ゆでた卵黄、豆類、いちごや桃などの果物もこすことで食べやすくなります。
切る(刻む)
食品を細かくして使いますが、離乳食の進み方によって、大きさを変えていきます。包丁の他にスライサーやキッチンばさみを使うと時短になることも。
野菜の場合、繊維に垂直に切ると繊維が断ち切られ、やわらかい食感になります。
すりおろす
食材を細かくする方法の一つ。いも類、根菜、高野豆腐、麩、冷凍したパンなどをすりおろして使う方法も。
とろみをつける
離乳中期頃には、赤ちゃんがつぶした食べ物をひとまとめにする動きを覚えはじめるので、飲み込みやすいようにとろみをつける工夫も必要です。また、肉や魚など加熱してパサパサする食材はとろみをつけると食べやすくなります。
とろみづけに使う食品は、片栗粉、米、じゃがいも、ホワイトソース、すりおろしたパンなどがあります。
離乳食はまとめて作って冷凍ストックがラク

離乳食を毎食少量ずつ作るのは大変なので、数回分をまとめて作って冷凍しておくと毎回の調理の負担がぐっと減ります。ポイントを知っておき、毎日の離乳食作りに活用しましょう。
冷凍ストックの嬉しいポイント
・調理時間が短縮できる
・あと1品を追加しやすい
・まとめて調理し、食材を無駄なく使い切れる
・生鮮食品を新鮮なうちに保存できる
冷凍ストックしておくと便利な離乳食
初期はなめらかなペースト状にするなど、時期に合わせた形状に調理して、1食分の量を目安に冷凍しておくとよいでしょう。
【冷凍しておくと便利な離乳食の一例】
・お粥、だし汁、野菜スープ
・加熱調理したにんじん、かぼちゃ、さつまいも、しらす干し、白身魚のおかずなど
冷凍ストックの基本ルール
1.新鮮な食材を使う
食材自体の鮮度が悪いと食中毒の原因に。生鮮食品は買ったらすぐに調理しましょう。
2.清潔な調理道具、保存容器を使う
よく洗った清潔な調理道具を使い、保存容器は水けをしっかりふいてから使います。
3.食材は空気に触れないよう密閉保存
ラップでぴっちりつつむ、冷凍用保存バッグに入れて空気を抜いて口を閉じる、ふたのある保存容器で密閉保存するなどの方法があります。
4.粗熱をとってから冷凍する
熱いまま冷凍せず、粗熱をとってから冷凍します。
【保存期間】
1〜2週間を目安にして、使い切ります。容器や冷凍用保存バッグに冷凍した日を記入しておくと◎。
【解凍して使う方法】
自然解凍はしないで、しっかり加熱して使います。レンジで解凍する場合、耐熱容器に入れ、水分を少量足してからふんわりとラップをかけて加熱します。混ぜてから加熱ムラがないかを確認し、冷ましてから与えます。
鍋にだし汁などの水分と一緒に入れて火にかけて、加熱解凍してもOK。
取り分け食のポイント
大人と同じ時間に離乳食を食べるようになったら、赤ちゃんの分を先に取り分ける「取り分け食」を取り入れてもよいでしょう。
味付け前のものを取り分ける
離乳食と大人の食事の作り分けは大変なもの。大人用の食事を作る途中で、使える食材を取り出して離乳食にすると1回の調理ですみます。赤ちゃんもみんなと同じものを食べられることで嬉しい気持ちに。
ただし、取り分ける場合は、はちみつなど赤ちゃんに与えてはいけない食材や、辛いものや刺激が強い食材を使う前に取り分けるのが大切です。
基本は薄味で作り、赤ちゃんの分を取り分けた後に、大人が味を足すと◎。赤ちゃんの分はつぶす、刻む、ほぐすなどの食材や段階に合わせた形状にして与えます。
【取り分けるタイミング】
・赤ちゃんがまだ食べられない食材を入れる前
・大人の味付けをする前
・油っぽい食材を使う前
まとめ
離乳食の調理は気をつかうことも多いかもしれませんが、赤ちゃんとの食事を楽しむ貴重な時間。冷凍ストックやベビーフードを活用する方法もあるので、できるだけ無理なく、負担を減らしながら、進めていきましょう。 次の記事では、離乳食に関してよくあるお悩みや質問をQ&A形式で紹介します。 【離乳食の基礎知識④】離乳食でよくある質問Q&A

川口由美子先生
管理栄養士。母子栄養指導士。女子栄養大学生涯学習講師。女子栄養大学にて小児栄養学を研究後、30年ほど子どもの食事に関する業務に携わる。Eテレ「まいにちスクスク」のほか、テレビ、雑誌、WEBで離乳食や幼児食のレシピ提案、コラム執筆、栄養監修等を行う。主な著書「まねしてラクラク迷わない!365日のフリージング離乳食」(西東社)
参考
厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
「まねしてラクラク迷わない!365日のフリージング離乳食」西東社
こども家庭庁 生後5か月からの離乳スタートガイド
母子栄養協会 離乳食の味付け・塩分について管理栄養士が解説
母子栄養協会 離乳食の加熱はいつまで必要? 離乳食の安全性
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