【管理栄養士監修】食品備蓄は「ローリングストック」で効率よく
公開日:
2020年9月1日
最終更新日:
2024年9月5日
9月1日は防災の日です。
災害に備え、日ごろから保存性のある食品を備蓄しているおうちは多いことでしょう。「防災の日に、賞味期限を見直す」という方もいるかもしれません。
けれど、1年に1度見直すだけでは、賞味期限が迫っている食品がたくさん出てしまい、「消費するのが大変」となりがちです。
こまめに賞味期限のチェックをするのというのも面倒なもの。そこで「ローリングストック」という方法を取り入れてみませんか?
「ローリングストック」で常に補充
やり方は簡単。日ごろから食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限が古いものから順に消費していくという方法です。消費した分はまた買い足すことで、常に一定量がストックされている状態になります。
ストックの目安は、家族の人数×最低3日分(できれば1週間分)です。
ローリングストックの手順
①おうちにある缶詰やレトルト食品などのストックを確認する
↓
②ストック食品の栄養バランスは整っているか、家族の好みに合っているか、家族の人数に見合った量かを検討し、足りないものをリストアップ
↓
③足りないものを購入
↓
④賞味期限が切れる前に消費する。消費したら、その分を買い足す
栄養バランスよく備蓄
ストック食品を栄養バランスよく整えるには、主食・主菜・副菜をそろえるのがポイントです。
避難所で配られる食品は、おにぎり(主食)などの炭水化物が多くなりがちです。炭水化物はエネルギー源となるため大切な栄養素ですが、たんぱく質や脂質もエネルギー源となる大切な栄養素です。
また、エネルギーに変換される際にはビタミンやミネラルが大きな役割をはたしています。
そのため、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質、脂質)、副菜(ビタミン、ミネラル)のバランスが摂れる食材の備蓄を心がけましょう。
とくに大きな災害時には、ビタミン・ミネラル類、食物繊維などの栄養素が不足したことが原因で、便秘や口内炎に悩まされた方がいたそうです。日持ちする野菜は、日ごろから多めに買い置きしておくといいでしょう。
バランスのいい食品ストックの一例
●主食(ご飯・パン・そば・うどんなど)
炭水化物を多く含む、エネルギー源になる栄養素
✔︎精米・無洗米・パックご飯
✔︎小麦粉・米粉・餅
✔︎そうめん・中華めん・パスタなどの乾麺・即席麺・カップ麺
✔︎缶詰パン・乾パン
●主菜(肉・魚・大豆製品・卵など)
たんぱく質を多く含む、からだをつくる栄養素
✔︎肉・魚・豆などの缶詰
✔︎チキンカレーやポークカレーなどの肉が入ったカレー・どんぶりの具(牛丼・中華丼など)のレトルトパウチ食品
✔︎充填(じゅうてん)豆腐
(パックに水が張られておらず、隙間なくパックと豆腐が密着しているのが特徴。3個パックなどで売られている豆腐が充填豆腐になります)
✔︎カレー・丼などのフリーズドライ食品
✔︎かつお節・桜えびなどの乾物
●副菜(野菜の煮物・サラダ・汁物など)
ビタミン・ミネラル類、食物繊維を多く含む、からだの調子を整える栄養素
✔︎玉ねぎ・じゃがいも・さつまいもなどの日持ちする野菜
✔︎コーン・トマトなどの缶詰
✔︎野菜ジュース
✔︎乾燥わかめ・切り干し大根・ひじき・のりなどの乾物
✔︎みそ汁・スープなどのインスタント食品
✔︎梅干し・漬け物
●そのほか
✔︎ビタミン・ミネラル類を補う果物(日持ちする果物・缶詰・果物ジュース・ドライフルーツ)
✔︎牛乳・乳製品(ロングライフ牛乳・粉チーズ・スキムミルク)
✔︎菓子類(あめ・チョコレート・ようかん・ビスケット・せんべいなど)
✔︎調味料(塩・みそ・しょうゆ・酢・砂糖・食用油・ケチャップ・マヨネーズ・バターなど)
✔︎ふりかけ・ジャム・はちみつ
レトルト食品や缶詰を使ったレシピ
賞味期限が迫っている缶詰やレトルト食品は、おいしく調理して食卓へ。
日ごろからストック食品を使って調理をすると、いざというときにもメニューに困りません。
■さばの水煮缶とスパゲッティの乾めんで
■さんまの蒲焼き缶の甘辛い味がポイントに
■材料3つで作れるお手軽ツナサンド
参考/災害時に備えた食品ストックガイド(農林水産大臣官房政策課食料安全保障室)
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