「うす味」「減塩」をおいしく楽しむために 〜心がけ編〜

近ごろ、スーパーの店頭では減塩しょうゆや減塩みそといった「減塩商品」がバラエティ豊かに並び、外食チェーン店では減塩メニューが用意されています。
今や「減塩」という言葉はとても身近になってきました。

一方で、減塩やうす味は「おいしくない」という声も。 人によっては継続がなかなかできなかったり、味がうすいからと後から塩やしょうゆで味を足してしまい、結局減塩ができていないことも。

そこで、今回は我慢して「減塩」を行うのではなく、うす味に慣れると食事がより楽しくなるということをご紹介します。

うす味は「素材本来のおいしさを味わう」こと

1029

料理をうす味にすると、調味料の味に邪魔されず、素材のおいしさを味わえるという利点があります。

うす味に慣れると、素材が持つ本来のおいしさを感じられるようになり、季節の食材もおいしく味わえ、食事の楽しみが増えます。
また、塩辛いものを好んで食べなくなるので、自然と食塩の摂取量を減らすことにもつながります。

うす味に慣れると、食事をおいしく楽しめて、健康を維持しやすいということですね。

さらに、うす味に早めに慣れておいた方がいい理由があります。

年齢とともに味付けは濃くなる傾向がある

私たちは年齢を重ねるごとに、体のさまざまな機能が落ちていくのと同様に、味覚も鈍感になっていきます。味覚が鈍感になり、味を感じにくくなると、味付けも濃くなっていきます。

そして味付けが濃くなると、塩分を摂りすぎる傾向があり、高血圧を引き起こす可能性も。
高血圧で、血管が圧迫された状態が続くと、心筋梗塞や脳卒中などの病気のリスクも高まります。

また逆に、今までの味付けの食事や外食もうすく感じるようになり、食事をおいしいと思えなくなることも。食事を楽しめないと食欲が落ち、体力が落ちることにもつながります。

年齢を経てから味の感じ方や、味付けを変えるのはより難しくなってくるので、できるだけ早い段階でうすい味付けに慣れることをおすすめします。

うす味に慣れる心がけ

それでは、実際にどうやってうす味に慣れていくといいのでしょう。

最初はうすいと感じても、まずは少し続けてみる

人間の味覚は意外と慣れるものです。
うすいと思っても、ひとまず3日でも1週間でも続けてみて、様子をみましょう。
慣れる時間は人それぞれですが、続けることでうす味に慣れていきます。

段階を経て、少しずつ減らす

イギリスが国を挙げて2003年から実施していた減塩対策のひとつに、パンの製造会社がパンに使用する食塩を少しずつ減らし、国民が気づかないうちに減塩目標を達成できた、という事例があります。

1034

これをヒントに、例えばご家族の塩分のとりすぎが気になったとき、使用する塩の量を徐々に減らしてみるなど、本人が気が付かないところで段階的に減らすのもひとつの手です。

ご自身で実践する場合でも、使う塩分を少しずつ減らし、徐々に慣らしていくことで減塩のハードルを下げることができるでしょう。

素材の味を楽しむ

食事の味がうすいな、と感じたら、素材の味を探すようにしてみましょう。

「じゃがいもの甘みがよく出てる」「ピーマンのしゃきしゃき感がいい」など、その素材の良さを発見して、味わうようにします。

見つける意識をすることで、今まで気が付かなかった本当のおいしさに気がつきます。

1028

1年を通して、さまざまな野菜や果物が手に入るようになった今でも、
春のたけのこ、夏のゴーヤー、秋の栗、冬の菜の花など…その季節でしか楽しめない味があります。

うす味は調味料が少ない分、素材の味をより感じることができるので、旬の食材のおいしさを存分に味わうことができますね。

外食の回数を調整する

外食は基本的に味の濃いものが多いです。
この味に慣れてしまうと、「外食の味=基準の味の濃さ」となってしまうので、家で食事を作るときでも味付けが濃くなってしまいます。

外食が週4回の方は3回に、3回の方は2回に、といったように少しでも回数を調整できるといいですね。

また、外食の味を家庭で再現するのではなく、外食は外食のおいしさ、家庭は家庭の素朴な味、と理解しておくことも大切。

ハレとケを心がけて、うす味の日を作って味覚を整えましょう。


まずは気づくことから始まります

1030

考え方次第で印象も大きく変わります。今回は心がけ編として、うす味は素材そのままのおいしさを味わうことができる、ということをご紹介しました。

また糖尿病や肝臓病などの病気が原因で、味を感じにくくなることもありますので、いつもの味付け、いつもの食事なのに、「味がうすいな」と感じたら、かかりつけ医に相談してみましょう。

次回は、実際にうす味をおいしく味わうための「料理の工夫」についてお伝えしたいと思います。


文・写真/ 北田 翔子

編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士