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血糖値が上がらない食べ物はある?栄養素と血糖値の関係

血糖値が上がりにくい食べ物、上がりやすい食べ物があることをご存じですか? 血糖値とは、血液中に含まれているブドウ糖の量のことで、糖尿病の診断や治療の目安に使われます。

ブドウ糖は人間が活動するためのエネルギーになる物質。 糖尿病は、インスリンというホルモンの働きや量に問題があって、血液中に大量のブドウ糖が含まれている状態が続く病気です。

糖尿病の方にとって、血糖値と栄養素の関係を知っておくと、血糖値をコントロールする上で役立ちます。同じエネルギー量(カロリー)でも、食後の血糖値の上がり方は、食べ物を構成する栄養素の種類によって違うからです。

1.たんぱく質、脂質は血糖値の上昇が緩やか 1781

1-1. エネルギーになる栄養素

体に欠かせない栄養素のうち、エネルギー源となるのは、たんぱく質と脂質、炭水化物です。

たんぱく質は、肉や魚、牛乳、チーズなどの動物性のものと、豆腐や納豆などの植物性のものに分かれます。

脂質も肉・魚の油(脂)やバターなどの動物性の油脂と、なたね油やごま油などの植物油があります。

炭水化物は、体内に取り入れられてエネルギーになる「糖質」と、体内で消化できない「食物繊維」に分かれます。ご飯やパン、麺類などの穀類、いも類のほか、はちみつ・砂糖、果物などにも含まれます。

1-2. 食後に血糖値が上がりやすい炭水化物

このうち炭水化物(糖質)は体内で消化され、ブドウ糖に分解されて血液に入ります。分解されたブドウ糖は、インスリンの働きによって体の細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。 炭水化物は消化・吸収されやすく、他の栄養素に比べて食後の血糖値が早く上がるのが特徴です。

一方、たんぱく質は炭水化物に比べるとゆっくりエネルギーに変わり、血糖値の上昇は緩やかです。 脂質はエネルギーに変わるまでにさらに時間がかかるので、食後しばらくしてから血糖値が上がります。

2. 血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維 1766

2-1. 食物繊維は血糖値の急上昇を抑制

また、食物繊維には食後の血糖値の急上昇を抑える作用があります。 食物繊維とは、消化・吸収されずに大腸まで達する成分のこと。糖質の吸収を緩やかにして、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

2-2.水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

食物繊維には水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維は、オクラや昆布などのネバネバする食品や、果物、こんにゃくなどに豊富。不溶性食物繊維は、きのこやごぼう、野菜や果物、豆類などの食品や、穀物の皮などに多く含まれます。

3. 食材の組み合わせで血糖値は変化

ただし、血糖値の上がり方は栄養素だけでなく、食材の組み合わせや食事のタイミングよっても変わります。

例えば「ご飯と卵料理」「ご飯とサラダ」のように、炭水化物とたんぱく質や食物繊維が豊富な食材を組み合わせると、炭水化物だけを食べるより、血糖値の急上昇を抑えられます。 一方、「ご飯と揚げ物」など炭水化物と脂質の組み合わせは、時間がたってからも血糖値が高い状態が続いてしまいます。

これを献立に応用して、できるだけ毎食「主食+主菜+副菜」の組み合わせにすると、血糖値をコントロールしやすくなります。

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撮影:寺澤太郎

4. 低GI食とは?

4-1. 血糖値の上がりやすさを示すGI

なお、糖尿病の食事法の一つとして、「低GI食」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

GI(GI=Glycemic Index。グライセミック・インデックス)とは、食後に血糖値が上がる程度を示した数値のこと。 低GI食では、GIの低い食品を選んで、食後に血糖値がゆるやかになるようにします。

具体的には、食物繊維の多い野菜や、未精製の穀類(玄米や全粒粉のパンなど)のような吸収の遅い食品、酢や油脂など胃でとどまる時間を延ばす食べ物を推奨する食事法です。例えばトーストよりフレンチトーストのほうが低GIなど、同じ食材でも調理方法によって低GIにすることもできます。

4-2. 栄養バランスにも配慮が必要

ただし、GIの低い食品ばかりとればいいわけではなく、栄養バランスにも配慮する必要があります。GIの数値は、発表する機関によって異なります。 取り組んでみたいという方は、自己判断で始める前に、主治医や管理栄養士に相談しましょう。

5. まとめ

食後の血糖値の上がり方は、食べ物を構成する栄養素の影響を受けます。 炭水化物は食後に血糖値が早く上がりやすく、たんぱく質や食物繊維は血糖値の急上昇を抑えてくれます。 実際の食事では、血糖値が上がりにくい食べ物と上がりやすい食べ物を組み合わせて、血糖値を上手にコントロールしましょう。

<参考>
日本糖尿病学会 編・著 「糖尿病診療ガイドライン2019」(南江堂)
綿田裕孝、高橋徳江 監修「糖尿病の満足ごはん」(女子栄養大学出版)

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士
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