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「葉酸」は妊娠中にどのくらい必要?どんな食べ物に入っている?

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妊娠中に大切な栄養素として有名な「葉酸」。サプリメントなどたくさんの種類が出ているので、妊活中や妊娠中は自然と気になる人も多いのではないでしょうか。 なぜ必要なのか、どのようにとればいいのかをご紹介します。

「葉酸」は妊娠初期に大切な栄養素

葉酸とはビタミンB群に含まれる水溶性ビタミンです。水に溶けやすく、熱に弱いため、食事からとりにくいのが特徴。日本人に不足しがちな栄養素といわれています。

では、なぜ妊娠中に葉酸が大切なのでしょうか。それは、DNAの合成に関わる栄養素であり、おなかの赤ちゃんの細胞分裂や成長を助ける効果があるためです。 細胞分裂が活発になる妊娠初期にとくに大切な栄養素ですが、妊娠中期以降も継続してとることがすすめられています。

緑色の野菜に多く含まれています

葉酸はほうれん草などの色の濃い、葉もの野菜に多く含まれます。ほかにも、果物や豆類などにもある程度入っていますが、「葉酸をたくさんとる」という目的ならば、緑黄色野菜を意識して食べるのがおすすめです。

【葉酸を多く含む食品】
ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、枝豆、アスパラガス、アボカド、オクラ、にら、納豆、いちご など

ただし、「ほうれん草だけを毎食、食べる」ような特定の食材だけをとるのは栄養価が偏るので、いろいろな野菜をまんべんなくとるようにしましょう。

妊娠初期は640μg、妊娠中期と後期は480μgとりましょう

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18才以上の妊娠していない女性は1日240μgの葉酸摂取を推奨されています。 ただし、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦さんは、この240μgにプラスして、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(狭義の葉酸※1)を 1日400 μg摂取することが望まれています。

さらに、妊娠中期と妊娠後期は1日480μgとることを推奨されています。これは妊娠していないときに推奨されている量(240μg)の2倍! 授乳時も340μgの摂取が目安とされています。

また、葉酸は体内に貯めておくことができないため、継続して毎日とることが必要です。 では、妊娠中期と妊娠後期に必要な480μgとはどのくらいなのでしょうか。

代表的な例でいうと
・ほうれん草…生のものなら約1束、ゆでたものなら約2束
・ブロッコリー…生のものなら約1株分、ゆでたものなら約2株分 となります。

このように、かなりの量を食べなければならないので、「毎食必ず緑黄色野菜をとる」という気持ちで主菜、副菜に積極的に取り入れましょう。

※1 葉酸のサプリメント、または葉酸が強化された食品

加熱時間は短めに

葉酸は水に溶けやすく、ゆでると半分ほどに減ってしまうため、煮汁ごと飲めるスープにしたり、電子レンジなどを使って調理するのがおすすめです。

ほうれん草と豆ときのこのスープ
ほうれん草を温かいスープに。バターと牛乳のコクが口一杯に広がります。ミックスビーンズを加えて食べ応えをアップ。
野菜たっぷり 簡単ビビンバ
小松菜やもやしなど葉酸が多い食材を使った彩り豊かな一品。具材の味つけにメリハリをつけて、塩分が控えめでも満足できる仕上がりに。
ふんわり卵の中華炒め
卵の黄色とブロッコリーの緑が華やかな一品。ブロッコリーをレンジで加熱することで葉酸たっぷりな料理に。

参考:厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 参考:文部科学省,「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士