【医師・管理栄養士監修】知っておきたい心臓病の知識と医療の最新情報
公開日: 2022年9月28日
毎年9月29日は「World Heart Day(世界心臓デー)」です。
世界で最も多い死因である心血管疾患は、世界で毎年1860万人の方が亡くなっているといわれています。
そんな状況から、世界心臓連合が予防と管理のためにこの日を作りました。
心血管疾患のうちの心臓病は、日本人の死因の第2位。患者数は、年々増加しています。
心臓病の発症に影響を与えているのが生活習慣です。食生活や喫煙、睡眠、運動を見直すことが、発症予防につながります。
食事療法のポイントは、「よい栄養バランス」と「塩分・脂質・エネルギー摂取量を減らすこと」です
心臓病の主な原因は、高血圧や脂質異常、糖尿病、動脈硬化、肥満などの病気です。
これらを予防する食生活が大切になります。
栄養バランスがいい食事をとり、塩分や脂質、エネルギーの過剰摂取を控えましょう。
心臓病について解説した記事を公開しています
心臓病は、狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全などのさまざまな病気をまとめた総称です。
おいしい健康では、それらの解説と食事について取り上げたコンテンツ『心臓病の食事のきほん』を公開しています。
監修は、竹谷クリニック院長の竹谷哲先生に協力していただきました。
大阪大学大学院医学系研究科の招聘教授や、大阪心不全地域連携の会の代表幹事を務められています。
心臓病の中には、放っておくと命に関わるものもあるため、医療機関に行って今後の対処法を決めることがとても大切です。
『心臓病の食事のきほん』では、できるだけ早く症状に気づけるように、そして予防を行えるように、心臓病の原因や症状、治療法や生活のポイントなどを紹介しています。
01 心臓病にはさまざまな種類があります
02 冠動脈からの血流が不足して起こる「狭心症」
03 心臓に血液が届かなくなる「心筋梗塞」
04 心臓の弁の働きが悪くなって起こる「心臓弁膜症」
05 心臓の機能が落ちた状態の「心不全」
06 脈のリズムがおかしくなる「不整脈」
07 心臓に負担がかからない生活のポイント
08 心臓病を予防する食事のきほん
管理栄養士おすすめ!
心臓病をお持ちの方向け「塩分、脂質、エネルギー控えめレシピ」
『心臓病の食事のきほん』では、食事のポイントだけでなく、管理栄養士監修のレシピも掲載しています。
レシピの特徴は、塩分や脂質、エネルギーの摂取量を抑えながらも、おいしく仕上げていることです。『心臓病の食事のきほん』で掲載している「塩分、脂質、エネルギー控えめレシピ」を紹介します。
自己管理ツール「ハートノート」が、大阪から全国に広がっています
監修者の竹谷先生は、大阪大学医学部附属病院にて、心臓移植や人工臓器のほか、再生医療に関わり心臓外科の第一線でご活躍されていました。現在は、大学病院で培われた経験を活かして、心不全を持つ方が安心して地域医療を受けられる環境づくりに取り組まれています。
このような取り組みの中で作られたのが、自己管理ツール「ハートノート」です。
地域医療の“連携”が、確かなものになる仕組み作り
大阪などの都市部では、心不全治療を行う医療機関の間で「診療情報が共有されていない」「受診をすすめるための評価方法が違う」などの問題がありました。
これらを解決するため、2017年に竹谷先生をはじめとする医療者で作ったのが、『大阪心不全地域医療連携の会』。地域の医療者の方々を集めた会議が何度も行われ、「心不全地域連携クリニカルパス(診療情報の共通化の仕組み)」と「心不全ポイント自己管理用紙(評価方法の共通化の仕組み)」、そして「ハートノート(患者教育の共通化の仕組み)」が誕生しました。
ハートノートを使うことで、継続的な自己管理が期待できます
心不全を持つ方の治療で重要なのが、心臓の働きを悪化させないこと。指標となる再入院の回数をいかに減らすかが鍵になります。
以前から、なかなか解決できなかった問題が、心不全を持つ方の“自己管理”です。心不全の原因となる水分・塩分の過剰摂取などがやめられず、再入院につながっていました。
そこで作られたのが、体重や症状など自分の状態を数値化したハートノート。
数値をみれば、簡単に体調を把握できます。ほかにも、日々の数値をたどれば、食事の内容など体調に影響を及ぼすものがわかることや、日記帳のように自己管理を継続的に行えることが大きなメリットです。
大阪から始まったハートノートは、大分や高知などにも採用され、全国101施設において約4500人の方が使っています(2022年9月時点)。現在、導入を考えている医療機関もあり、これからもまだまだ全国に広がっていきます。
竹谷哲 先生
1990年兵庫医科大学医学部卒業。大阪大学医学部第一外科入局後、大阪労災病院にて消化器外科、心臓外科に従事。1998年医学博士取得。大阪大学心臓血管外科、日本学術振興財団研究員、先端医療財団主任研究員として循環器領域の臨床、研究に従事。2008年竹谷クリニック理事長に就任。2017年より大阪大学大学院医学系研究科招聘教授。
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