高血圧の日に血圧の管理について知っておきましょう
公開日:
2020年10月6日
最終更新日:
2023年5月17日
毎年5月17日は高血圧の日。世界高血圧デーでもあります。
この日をきっかけに、血圧についての知識を深めましょう。
日本には高血圧の方が4000万人以上いると推定されていますが、適切に治療して血圧をコントロールできている方は3割に満たない状況です。
高血圧は自覚症状が出にくいものの、脳卒中や心臓病の最大の危険因子となるため、ぜひこの機会に血圧について知識を深めておきましょう。
今回は、高血圧の診断や治療にも大切な情報となる家庭での血圧について、測定の意味やタイミングなどを紹介します。
血圧の基準値は、家庭と病院で異なります
血圧は大きく分けて2種類のタイプがあることをご存知ですか?
それは、病院やクリニックで測る「診察室血圧」と、自宅にて自分自身で測る「家庭血圧」です。これらはそれぞれ基準値が異なります。
●診察室血圧の正常値
最高血圧が140mmHg未満、最低血圧が90mmHg未満
●家庭血圧の正常値
最高血圧が135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満
診察室血圧は、病院での診察という状況下に緊張してしまい、血圧が上がってしまう場合があります。それを考慮して、それぞれの基準が設けられているのです。
血圧を測るメリット
・高血圧の診断や治療方針を決める大切な情報に
医療機関では、健診や診察室で測った血圧だけでなく、家庭で測った血圧のレベルも含め、高血圧の診断や治療が検討されます。
その際、それぞれの値に差がある場合は家庭で測った血圧が優先されますので、日々、家庭で血圧を正しく測ることはそれだけ大切なことといえますね。
・1日の血圧の変化がわかる
血圧は、1日のうちに大きく変動しています。朝、昼、夜の時間帯でも変化がありますし、また食事、運動、入浴など日常のいろいろな動作でも変動しています。
時間帯やタイミングを決めて日々同じ条件で測って記録しておくと、1日の傾向がわかりやすく、受診の際も適切な診断や治療に役立ちます。
まずは、朝と夜の血圧を測ってみましょう
家庭に血圧計がある場合は、ぜひ時間を決めて測ってみましょう。習慣化しやすいおすすめのタイミングは、朝と就寝前です。まずは1日2回の血圧測定を続けることから意識してみましょう。
もちろん、日中も決まった時間に測ることが理想的ですが、血圧測定がストレスにならないよう、無理のない範囲で継続できるといいですね。
測定のタイミング
◎朝
●起床後1時間以内
●排尿後
●薬や食事はとる前に
◎就寝前
●食事や飲酒の直後は避ける
●入浴前、もしくは入浴から1時間以上たってから
測定の方法
血圧は脚を組まずに、腰かけた状態で測定します。歩いたり運動したりした直後は避け、1〜2分間の安静を保ったうえでリラックスした状態で測りましょう。
血圧計はさまざまなタイプがありますが、上腕に巻くタイプ(上腕式)が最も正確に数値が測れるといわれています。測ったら忘れずに、血圧を記録しましょう。
日々の血圧は、健康管理の大切な指標に
家庭で毎日、血圧を測ることは、体調を知る目安になります。血圧がいつもより高いときなどは、かかりつけ医に相談することも大切ですね。
血圧の変化など体調の異変に早めに気づくことは、大きな病気の予防にもつながります。
【高血圧対策】減塩レシピ3選
参考/高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)
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