【管理栄養士が答えます】部活動をする子ども。食欲がなくても、朝食は食べた方がいい?
公開日:
2019年1月11日
最終更新日:
2022年8月26日
ユーザーのみなさまより寄せられる質問に、おいしい健康の管理栄養士が答えます。 今回は部活動に励むお子さまを持つ方からの質問です。
質問
「中学生の息子が野球部で頑張っています。朝は食欲がなく朝食をあまり食べてくれず困っています。どんな食事がいいのでしょうか?」
回答
朝食はとるように心がけましょう。特に運動をしているお子さまは、しっかりとることがおすすめです。
成長期であり、勉強に運動に忙しい子どもたちは、活動のためのエネルギーや体をつくる栄養素を不足させないよう、朝食をとることをおすすめします。
特に部活動などで運動をしている場合、スタミナ維持や体づくりのためエネルギーやたんぱく質がより多く必要となります。
しかし「朝食を食べられないから昼食や夕食で多くとればいい」という訳でもありません。背が伸びたり、体重が増えたりするように、消化や吸収を担う消化器官もまだ成長過程。
1度に消化・吸収できる量にも限界があります。
1回の食事量を増やすのではなく、3食に分けて食事をとることで、栄養がきちんと消化・吸収されるのです。
そのため、欠食はせずに「朝昼晩の3食」をしっかりとること、また3食だけではとりきれない栄養素を補う「補食」(※)がとれるとさらに理想的です。
(※)3食では補えないエネルギーや栄養素を補給するための間食。トレーニングの前後で食べられる、果物やおにぎり、サンドイッチ、ゆで卵などがおすすめです。
理想はしっかり食べること
朝食も含めて食事の内容は、主食+主菜+副菜の3品がそろっていることが理想です。 この3品では、それぞれ主にとれる栄養素が異なるからです。
主食:ご飯やパン、麺類などの穀類。エネルギー源となる炭水化物が多く含まれます。
主菜:肉や魚、卵、大豆食品などのメイン料理。体をつくるたんぱく質・脂質の供給源となります。
副菜:野菜やきのこ、海藻などのサラダやあえものなどの小鉢。体の調子を整える食物繊維やビタミン・ミネラルがとれます。
これに加えて、乳製品や果物をとれるとパーフェクト。成長期に必要な栄養素を補うことができます。
乳製品:骨をつくるカルシウムやたんぱく質がとれる牛乳、ヨーグルト、チーズなど。
果物:ビタミン・ミネラルがとれるキウイフルーツ、りんごなど。
しかし今回のご質問では、お子さまが食欲がなくて朝食をあまり食べられない、とのことでした。無理をして食べるのは本人にとってつらいと思いますし、朝からたくさん品数を用意するのはつくる側にも負担が大きいですよね。
無理にたくさん量や品数を増やさなくてもOK
エネルギー源となる炭水化物、体をつくるもとになるたんぱく質、体の調子を整えるビタミン・ミネラルがとれる献立内容になっていれば、無理にたくさん量や品数を増やさなくてもOKです。 手軽にできて食べやすいレシピをご紹介します。
納豆しらす温玉アボカド丼
卵は良質なたんぱく質、ご飯はエネルギー源になるので、運動をする人におすすめの組み合わせです。
この1杯だけでは不足する、ビタミン・ミネラルや食物繊維のとれる野菜を入れたおみそ汁もつけるといいですね。
ピザトースト・はちみつバナナトースト
ツナでたんぱく質、トマトで野菜がとれます。
バナナヨーグルトシェイク
どうしても食べられない、そんなときは食欲がなくてもさらっと飲みやすいシェイクを。
ヨーグルトに含まれるたんぱく質は腹持ちをよくしてくれるので、単にフルーツジュースを飲むよりも、お腹が空きにくくなります。
無理なく栄養素を意識した朝食を
エネルギーが不足すると、スタミナが切れやすくなります。 スポーツをする子どもたちは、とくに朝食をしっかりとるようにしましょう。
朝食に取り入れたいポイントは炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラルをなるべく意識すること。
食欲がない場合は、食べやすいものから栄養を補いましょう。
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