【管理栄養士が答えます】部活動をする子ども、食欲が無くても朝食は食べた方がいい?
公開日:
2019年1月11日
最終更新日:
2021年5月9日
ユーザーのみなさまより寄せられる質問に、おいしい健康の管理栄養士が答えます。 今回は部活動に励むお子さんを持つ方からの質問です。
質問
「中学生の息子が野球部で頑張っています。朝は食欲がなく朝食をあまり食べてくれず困っています。どんな食事がいいのでしょうか?」
回答
朝食はとるように心がけましょう。特に運動をしているお子さんはしっかりと
成長期であり、勉強に運動に忙しい子どもたちは、活動のためのエネルギーや体をつくる栄養素を不足させないよう、朝食はとった方がよいでしょう。
特に部活動などで運動をしている場合、スタミナ維持やからだ作りのため、運動をしていない子どもに比べてエネルギーやたんぱく質を多くとる必要があります。
しかし「朝食を食べられないから昼食や夕食で多くとればいい」という訳でもなく、背が伸びたり、体重が増えたりするように、消化や吸収を担う消化器官もまだ成長過程。
1度に消化・吸収できる量にも限界があります。 1回の食事量を増やすのではなく、3食に分けて食事をとることで、栄養がきちんと消化・吸収されるのです。
そのため、欠食はせずに「朝昼晩の3食」をしっかりとること、また3食だけではとりきれない栄養素を補う「補食」(※)がとれるとさらに理想的です。
(※)3食では補えないエネルギーや栄養素を補給するための間食。トレーニングの前後で食べられる、果物やおにぎり、サンドイッチ、ゆでたまごなどがおすすめです。
理想はしっかり食べること
朝食も含めて理想的な食事は、主食+主菜+副菜の3品がそろっていることが基本です。 この3品では、それぞれ主にとれる栄養素が異なるからです。
主食:ご飯やパン、麺類などの穀類。エネルギー源となる炭水化物が多く含まれます。
主菜:肉や魚、卵、大豆食品などのメイン料理。からだをつくるたんぱく質・脂質の供給源となります。
副菜:野菜やきのこ、海藻などのサラダやあえものなどの小鉢。体の調子を整える食物繊維やビタミン・ミネラルがとれます。
これに加えて、乳製品や果物をとれるとパーフェクト。成長期に必要な栄養素を補うことができます。
乳製品:骨をつくるカルシウムやたんぱく質がとれる牛乳、ヨーグルト、チーズなど。 果物:ビタミン・ミネラルがとれるキウイ、りんごなど。
しかし今回のご質問では、息子さんが食欲が無くて朝食をあまり食べられない、とのことでした。無理して食べるのは本人にとって辛いと思いますし、朝からたくさん品数を用意するのは作る方にも負担が大きいですよね。
食欲がないときでも食べやすく、簡単な朝食を
エネルギー源となる炭水化物、体をつくるもとになるたんぱく質、からだの調子をととのえるビタミン・ミネラルがとれる献立内容になっていれば、無理にたくさん量や品数を増やさなくてもOKです。
温玉しらすのせご飯と野菜のおみそ汁
卵は良質なたんぱく質、ご飯はエネルギー源になるので、運動をする人におすすめの組み合わせです。
この1杯だけでは不足する、ビタミン・ミネラルや食物繊維のとれる野菜を入れたおみそ汁もつけるといいですね。 野菜は冷蔵庫にあるものでいいですが、ビタミンの多いかぼちゃや小松菜などの緑黄色野菜がおすすめです。
ツナとトマトのピザトースト&はちみつバナナトースト
バナナヨーグルトシェイク
どうしても食べられない、そんなときは食欲がなくてもさらっと飲みやすいシェイクを。
ヨーグルトに含まれるたんぱく質や、くるみやアーモンドなどのナッツに含まれる脂質は腹持ちをよくしてくれるので、単にフルーツジュースを飲むよりも、お腹が空きにくくなります。
しっかり必要な栄養素がとれる朝食を
スポーツをする子どもたちは、朝食をしっかりとるように心がけてもらいましょう。 エネルギーが不足すると、スタミナが切れやすいだけでなく、不足分を補うために筋肉をこわしてエネルギーを作り出そうとするからです。
“しっかり”というのは、単に量を食べることではなく、必要な栄養素がとれている点も重要です。 ポイントは炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラルがとれること。
食欲が無くても食べられるもの用意して、朝食を食べる習慣をつけてもらうようにしましょう。
※2019年1月に配信した記事を一部再編集しています。