お酒を飲みすぎると何がいけないの?
公開日: 2018年11月15日
年末年始は忘年会や新年会など、お酒を飲む機会が増える時期です。お酒は、適度に飲む分にはストレス発散などメリットもありますが、飲み過ぎは体に負担をかけてしまいます。
でも、そもそも「お酒を飲みすぎると、具体的に何がいけないの?」。
もやもやっとしている疑問を、おいしい健康の管理栄養士に聞いてみましょう。お酒と一緒に楽しみたい、簡単おつまみレシピもご紹介します。
アルコール代謝のしくみ
お酒に含まれるアルコール成分。飲んだアルコール成分は胃と小腸で吸収され、血液に溶け込んで肝臓に送られます。
肝臓内でアルコール脱水酵素(ADH)によりアセトアルデヒトという成分に変わり、続いてアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により酢酸に変えるという作業が行われます。
さらに二酸化炭素と水に分解され、尿や汗となって排泄されるというのが、おおまかな流れ。
体には必要がなく、時に有害ともいえるアセトアルデヒドを「酢酸」という成分に変え無害化するのが肝臓の役割です。
体重約60kgの人がビール500ミリリットル(アルコール度数5%)を飲んだ場合、アルコールは体内に3〜4時間滞在します。この時間は個人差がありますが、体重が少ない人や、遺伝的にお酒に弱い人は、アルコールが消失するまでに、さらに時間がかかります。
お酒を飲みすぎると、どうなる?
アセトアルデヒドは本来、体には必要のない成分。お酒を飲むと顔が赤くなったり吐き気や頭痛、動悸などが起こるのは、アセトアルデヒドの仕業です。
短時間に大量の飲酒をすると血中のアルコール濃度が上がり、急性アルコール中毒を引き起こすことがあります。また、長期に渡って大量の飲酒を続けると肝臓に負担がかかり、脂肪肝やアルコール性肝炎などの肝臓障害を引き起こす可能性もあります。
肥満の原因にも
アルコールはエンプティーカロリーなので太りにくいと思われがちですが、エンプティー(empty)とは「栄養が空っぽ」という意味。アルコールは1グラムで7キロカロリーあるので、アルコール度数の高いお酒ほどカロリーも多くなります。
▼主なお酒のアルコール度数とカロリー
ビール……4〜5度、140kcal(缶1本/350ml)
ワイン……15度、73kcal(赤ワイングラス1杯/100ml)
日本酒……15度、約185kcal(1合180ml)
焼酎……25度、117kcal(焼酎水割り1杯/(焼酎80ml))
ウイスキー……40度〜、71kcal(シングル1杯/30ml)
350ミリリットルの缶ビール1本で140キロカロリー、中ジョッキ(500ミリリットル)は1杯で約200キロカロリーなので、おかわりを続けると、お酒のカロリーだけで相当なものに……!
お酒をぐいぐい飲み、おつまみに油っぽいものなどものを食べすぎると、あっという間にカロリーオーバーになってしまいます。