夜遅くに食べるなら、どんなものがいい?
公開日: 2020年9月8日
仕事の関係で、ついつい夕食が遅くなってしまうこと、ありませんか?
そんなとき「どんなものを食べたらいいのだろう…」と悩むことも。
できれば健康的なものがいいけれど、おなかは適度に満たしたいですよね。
夜遅くに食べるときの食事について、解説します。
脂っこいものは避けましょう
よく「食事は就寝の3時間前までに済ませるのがいい」といわれますが、なかなかそうはいかないこともあります。
どうして「3時間前」といわれているかというと、食べたものを消化する時間と関係しています。
食べたものが胃に入ると、胃酸が出て胃液が分泌します。胃液と食べたものが混ざり、ドロドロの状態に(=消化)。この消化にかかる時間が、だいたい「3時間」なのです。
けれど、脂っこいステーキや天ぷらなどは、消化に3時間以上かかってしまいます。
消化に時間のかからないものを
人間は日中活発に動き、夜は眠るという生体リズムになっています。そのため、夜遅く食べてすぐに寝てしまうとからだは休息モードのため、消化・吸収するスピードもゆっくりに。
そうすると食べたものが胃にとどまる時間が長くなり、翌朝の胃のもたれにつながることがあります。
夜遅く食べるならば、消化にあまり時間のかからないものを選んだほうが、胃にやさしいのです。翌朝に影響が出ることも少なくなり、生活リズムの乱れを防ぐことにもつながります。
また、夜遅くに食べると太りやすくなることがあります。夜遅くに食べたものはエネルギーが消費されにくく、余分なエネルギーが体脂肪として蓄積されやすいのです。その点からも、食べる内容に気をつけたいですね。
固ゆで卵や生卵よりも半熟卵
脂っこいもの以外にも、消化に時間がかかるものがあります。
それは、食物繊維が多く含まれているものです。
食物繊維は糖質や脂質の吸収を抑え、腸内環境を整えてくれる効果があるので、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。
けれども消化に時間がかかるため、食べてから寝るまでの間が短いときは、控えたほうがいいでしょう。
消化に時間がかかるものがある一方で、消化にあまり時間がかからないものもあります。
夜遅くに食べるならば、消化にいい料理を選びたいもの。
では、どんな料理・食材が消化にいいのでしょうか? 具体例を出して、解説していきます。
・米なら…ご飯よりもおかゆ
・大豆製品なら…油を含む油揚げよりも豆腐
・卵なら…固ゆで卵や生卵よりも半熟卵
・魚なら…脂質が多い赤身魚よりも白身魚
・肉なら…脂質が多い牛肉よりも鶏ささ身・鶏胸肉
・野菜なら…食物繊維が多いごぼうよりもかぶやかぼちゃ
・果物なら…食物繊維が多いパイナップルよりもりんご
調理法にも消化をよくする秘訣があります。
米はふっくらご飯よりもトロトロのおかゆ、卵はしっかり焼いた卵焼きよりもトロトロの半熟卵。そのほうが、消化にいいのです。
もちろん、食材は生より加熱したほうが消化にいいですし、加熱の際はサラダ油などの油を使わないほうが、より消化によくなります。
さらに、食べるときにもポイントが。よーく噛み砕くことで、消化の助けになります。
夕食が遅くなる時は夕方に間食を
事前に「今日は、仕事が夜遅くまでかかりそうだな…」とわかっているときは、夕方に間食をしておくのもひとつの手。
夕方におにぎりやサンドイッチなどの主食を食べておきましょう。
その分、夜は主食を軽めにし、脂の少ないたんぱく質や野菜を中心に摂ります。調理法は蒸す、煮る、ゆでるなど、油を使わずに加熱することで、消化がよくなります。
管理栄養士がすすめる 夜遅く食べるときのレシピ
消化にいい食材を使い、消化にいい調理法で作る、管理栄養士目線で厳選したおすすめのレシピを3つ紹介します。夜遅くに食事をするとき、思い出してもらえるとうれしいです。
■サラダチキンでできる簡単なおかゆ
■豆腐・とろろで食べやすいどんぶり
■温かいうどんでお腹を満たして
参考/農林水産省ホームページ「みんなの食育」世代・ライフスタイル別トピックス「夜遅く食事をとるときは」
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