飲み込む力が弱まることで起こる、えんげ障害。高齢化を背景に増加する、「誤えん性肺炎」の主要因のひとつです。
えんげ障害の方の多くは、ミキサーでペースト状にした食事(ミキサー食)や細かくきざんだ食事(きざみ食)を食べることになります。しかし近年では、食べる楽しみを感じられるよう配慮した、「えんげ食」が注目を集めています。

ゲル化材を加えて成形した「えんげ食」
本当は怖い、えんげ障害
えんげ(嚥下)とは、食べものを飲み込む動作。健康な時には意識しづらいですが、えんげには多くの器官が関わっており、加齢による筋力低下や、脳こうそくなどの後遺症で、「上手に飲み込めない=えんげ障害」が起こります。
えんげ障害では、食べものが誤って気道に入る(=誤えん)確率が高くなり、その結果「誤えん性肺炎」を起こすリスクに。
肺炎は、65歳以上の日本人における主要な死因のひとつですが、その多くは誤えん性肺炎によるものです。つまり、えんげ障害は命を脅かす危険性があるのです。
えんげ障害の初期症状と対策
えんげ障害の初期症状は、
- 飲食時にむせやすい
- 食欲がない
- 食べるスピードが遅くなる
など。場合によっては栄養不足を引き起こし、何より食の楽しみが失われていきます。
えんげ障害は、主に体の機能低下が原因なので、どんな人でもいつかは起こる可能性があります。現時点では、手術やクスリで完治するものではないため、えんげ障害が進行してしまったら、日々の食事での対策が大切です。
できるだけ飲み込みやすい食事を作ることで、誤えんのリスクを抑えることが出来ます。
なお、えんげ障害を勝手に判断せず、思いあたる症状があれば、医師に相談しましょう。