がんばらなくてもOK!えんげ食は気軽に始められる
えんげ障害の方にとって飲み込みやすい食事とは、やわらかく、ベタつきにくく、口の中でまとまりやすい点がポイント。えんげ食はこれらを踏まえつつ、見た目を普通の食事に近づけ、食べる楽しみを感じられるよう工夫されています。
えんげ食の作り方は、意外にシンプル。「ゲル化材」があれば、自宅でも十分に作ることが出来ます。
「えんげ食づくりの基本的な流れ」(ハンバーグの場合)
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調理した食材、だし汁、ゲル化材をミキサーに入れ、なめらかなペースト状になるまで回す
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鍋にいれ、火にかけ、焦げないようにかき混ぜながら、ひと煮立ちさせる
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ラップを敷いたバットに流し込み、ゼリー状に固める
えんげ食に用いるゲル化材は、飲み込みやすいゼリーを作ることができるという特長があります。また成形を工夫すれば美味しそうな見た目に。
温度に弱いゼラチンなどと違い、温かな食事も食べられます。
冷凍保存も可能なので、作り置きもおすすめです。
なお、えんげ食をつくる際には、食材をゼリー状にする「ゲル化材」の他に、とろみをつける「とろみ材」もあり、えんげ障害の程度によって適した食形態があります。
どのような食形態が適しているかは、必ず医療機関に相談しましょう。
広がりつつある、えんげ食
近年、えんげ食は医療・介護の現場で導入が進んでいます。
ゲル化材の進化により、ご家庭でのえんげ食作りも以前より手軽になりました。手軽になったとはいえ、ひと手間かかるのも事実。
そこは無理せず、余裕がある時やお祝い事など、徐々にトライしていきましょう。
また市販の調味料や缶詰を上手に利用し、おいしく“手抜き”することも。家事や介護に疲れてしまわないよう、気負わずに取り組みたいものです。
今回お話をうかがったニュートリー株式会社さんは、えんげ食のパイオニア企業。最近では、地方の郷土食をえんげ食で楽しむ試みを行っており、新聞などにも取り上げられています。
いかにも味気ないミキサー食ではなく、食べる方も作る方も嬉しいえんげ食。新しい介護食として、注目されつつあります。