くらしの栄養学

5月病かも?気持ちが沈みやすい季節の食事と栄養の整え方

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「なんとなく気持ちが重い」「朝、起き上がるのがつらい」——そんな感覚が続いていませんか?

新年度がスタートして1か月。はりきって迎えた春も、GWを過ぎて少しずつ疲れがたまってくる時期です。「5月病かな」と感じながらも、どうしたらいいかわからずに過ごしている方も多いのではないでしょうか。

実は、気持ちの落ち込みやだるさには、睡眠やストレスだけでなく、食事や栄養状態も関わっているとされています。

今回はおいしい健康の管理栄養士が、心と体を整える食事のポイントをわかりやすくお伝えします。

「5月病」と食事の関係

5月病とは、新生活への適応によるストレスが積み重なり、意欲の低下・疲労感・気分の落ち込みなどが現れる状態の通称です。こうした気持ちの状態には、脳内の神経伝達物質(気持ちや感情のバランスを保つ物質)が関わっています。

なかでも「セロトニン」は安心感や幸福感に関わる物質で、セロトニンの働きが気分に影響する場合があるとも考えられています。そしてセロトニンの材料となる栄養素は、食事からとる必要があります。

気持ちを整える栄養素①:たんぱく質(トリプトファン)

セロトニンの材料になるのが「トリプトファン」というアミノ酸です。難しく聞こえますが、たんぱく質を含む食品に幅広く含まれているため、「たんぱく質を意識して食べる」ことが、そのままトリプトファンをとることにつながります。

意識してとりたいたんぱく質食品

  • 豆腐・納豆・豆乳(大豆製品)
  • 牛乳・ヨーグルト・チーズ(乳製品)
  • 卵・鶏むね肉・まぐろ・かつお
  • ごま・ナッツ類など(植物性でもとれる)

トリプトファンがセロトニンに変わるためには、ビタミンB6も一緒に必要です。鶏肉やまぐろ、バナナにはビタミンB6も含まれているので、これらを組み合わせることで、効率よく栄養素を補うことができますよ。

気持ちを整える栄養素②:鉄

「気力がわかない、だるい」という状態には、鉄の不足が関わっていることがあります。鉄は脳に酸素を届けるためにも必要で、不足すると、疲れやすさやだるさにつながることがあります。月経のある女性は特に不足しやすいため、意識してとってみてください。

鉄を多く含む食品

  • 牛赤身肉・豚レバー・あさり・かつお(ヘム鉄:吸収されやすい)
  • ほうれん草・小松菜・納豆・豆腐(非ヘム鉄)

※非ヘム鉄はビタミンCと一緒にとると吸収率が上がります

気持ちを整える栄養素③:ビタミンB群

ビタミンB群は、神経の働きを正常に保ったり、セロトニンをつくったりするうえで欠かせません。外食続きやお酒をよく飲む方は特に不足しやすい栄養素です。

ビタミンB群を多く含む食品

  • 豚肉・レバー・うなぎ(B1・B6・B12)
  • まぐろ・さけ・鶏むね肉(B6・B12)
  • 卵・牛乳(B2・B12)
  • 枝豆・ほうれん草・ブロッコリー(葉酸)

気持ちを整える栄養素④:マグネシウム

マグネシウムは、神経の過剰な興奮を和らげ、神経の働きをサポートする栄養素です。ストレスが続くと消費されやすいといわれているため、意識して補うと良いでしょう。

マグネシウムを多く含む食品

  • アーモンド・カシューナッツ(少量でもしっかりとれる)
  • 豆腐・納豆・豆乳
  • わかめ・ひじき・玄米・ほうれん草

食事のリズムも大切です

栄養素の種類と同じくらい大切なのが、食事のリズムです。朝食を食べることで体内時計が整いやすくなり、生活リズムを整えることにつながるとされています。バナナ+ヨーグルト、ゆで卵+牛乳など、簡単なものでも毎日続けることが大切です。

整えたいポイント

  • 毎日なるべく同じ時間に3食食べる
  • 朝食を抜かない(簡単なものでOK)
  • 夜遅い食事・就寝前2〜3時間の食事を避ける

まず1つだけ試してみるところから始めてみましょう。

管理栄養士おすすめのレシピ3品

意識してとりたい栄養素を、おいしく食べるためのレシピをご紹介します。

鶏むね肉とブロッコリーの照り焼き炒め
セロトニンの材料となるたんぱく質をしっかり補える主菜です。ビタミンB6も含まれるので、たんぱく質をより効率よく活かせます。甘辛い照り焼き味で、食欲が落ちがちな時期でも食べやすい一品です。
厚揚げと小松菜の甘辛そぼろ炒め
厚揚げのたんぱく質とマグネシウム、小松菜の鉄を補える副菜です。気持ちが沈みがちなときにも、取り入れたい栄養素をまとめてとることができます。
バナナきなこトースト
バナナのトリプトファン・ビタミンB6ときなこのマグネシウムで、セロトニンの材料となる栄養素を含むコンビです。忙しい朝でもさっと作れる、朝食にぴったりの一品です。

おいしい健康アプリの活用法

食事でのセルフケアをもっと手軽に続けるために、おいしい健康アプリを活用してみてください。

① 栄養価順でレシピ検索
とりたい栄養素(たんぱく質・鉄・マグネシウムなど)を選んで、含有量が多い順・少ない順に並び替えてレシピを探すことができます。「今日はたんぱく質をしっかり補いたい」というときに、効率よく献立を選べます。

② プロフィール設定による最適化
疾患や体の状態を登録すると、栄養バランスに配慮したレシピが優先的に提案されます。80種類以上の病気・お悩みに対応しています。

③ 食事記録で栄養素をチェック
毎日の食事を記録することで、鉄・ビタミンB群・マグネシウムなど、記事でご紹介した栄養素が不足していないかを確認できます。

まとめ:食事でできること、少しずつ始めてみましょう

食事で体を整えることが、気持ちの安定にもつながることがあります。難しく考えずに、今日の食卓に、今回ご紹介した栄養素をひとつだけ意識してみてください。
おいしい健康のアプリも、ぜひ活用してみてくださいね。

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※本記事は一般的な栄養情報を目的としています。症状が強い場合や、治療中の方は、医師や管理栄養士にご相談ください。

参考・出典

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
  • 日本うつ病学会「うつ病診療ガイドライン2025」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」

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編集:おいしい健康編集部
監修:おいしい健康管理栄養士