【月刊おいしい健康】9月号 妊娠中のママへ。効率よく鉄をとれて、簡単にできるレシピ
公開日: 2022年9月1日
おなかの赤ちゃんのために。赤ちゃんを育てる自分のために。
きちんと栄養のある食事をしなければと考えているお母さん! 偉いですし、本当にすばらしいことだと思います。
とはいえ、きっと料理だけに気を取られているわけにもいかないはず。おいしい健康の管理栄養士は、お母さんたちがいっぱいいっぱいにならないようにと願っています。料理の後片付けもあれば、掃除や洗濯といった家事もあります。生まれてくる赤ちゃんのための準備もあるし、適度に運動も取り入れなければ……。
そんな状況で、少しでもお役に立てればと考えたのが、「月刊おいしい健康9月号」の第2特集「妊娠中のママへ、鉄を補うレシピ」です。
鉄を多く含む食材に、吸収をアップさせる食材をプラス
まず、積極的に取りたい栄養素として鉄に注目。おなかにいる赤ちゃんの成長とともに、お母さんのからだはいつも以上に鉄が必要になります。貧血になりやすい時期でもあるので、鉄を多く含む食材を効率的にとれるレシピにしました。
ここで鉄について少しだけ説明します。
食材に含まれる鉄は大きく分けて2種類。肉や魚の赤身に含まれる「ヘム鉄」と、野菜や豆腐、乳製品や海藻などに含まれる「非ヘム鉄」です。ヘム鉄は、食材にたっぷり含まれているわけではありませんが吸収率が高いもの。一方、非ヘム鉄は食材に多く含まれていても、吸収率が低いと言われています。
つまり、ただ鉄の多い食材使えばいいわけではなく、吸収率を高める必要があるのです。そこで大切なのが「ビタミンC」や「たんぱく質」。一緒にとることで鉄の吸収率をアップさせてくれる頼もしい相棒です。
というわけで、今回のレシピでまず大事にしたのは
・「ヘム鉄」「非ヘム鉄」を効率よくとれること
・吸収率をアップさせるための「ビタミンC」「たんぱく質」も一緒にとれること
さらには、妊娠中によく言われる「葉酸」もしっかりとれるように。葉酸は赤血球を作るために必要な栄養素なので、妊娠中はもちろん、貧血気味の方も積極的にとりましょう。
疲れていても、体調がイマイチでも作れるように
そして、最後の大事なポイントが、あれこれ考えなくてもパッと気軽に作れるレシピであること。妊娠中期や後期になっても、体調がすぐれない日もあるでしょう。いろいろやることがあって、気持ちが追いつかないこともあるかと思います。そんな時でも作りやすい簡単な工程のものを用意しました。材料を混ぜて電子レンジでチンするだけ。フライパンに入れて炒めるだけ。どれも、妊娠中にとりたい栄養がありつつ、さらに、気軽にできるものばかりなので、ぜひお試しください。
あさりは鉄が豊富な食材。とはいえ、吸収率の低い「非ヘム鉄」なので、レモン汁と豆苗でビタミンCをプラスして、からだにしっかり取り込めるように。また、忙しい時でもパッと作れるのも嬉しいポイントです。あさりは簡単に使える水煮缶で、豆苗は包丁とまな板いらず。さらに加熱は電子レンジだけというお手軽レシピです。
なんともおいしそうなチャーハンは、牛肉とほうれん草で鉄をしっかりとれる一皿。牛肉はたんぱく質を含み、ほうれん草はビタミンCもあるので鉄を吸収する役目もしっかり果たしてくれます。さらに赤血球を作るうえで必要なビタミンB12や葉酸もとれる心強いメニューです。
豆腐、卵、青梗菜、乾燥キクラゲ……。他の食材よりも鉄を多く含む食材をたっぷり盛り込みました。さらに、豆腐と卵にはたんぱく質、青梗菜にはビタミンCが含まれているので、吸収率も高めてくれます。ふんわり卵とつるっとのどごしのいい豆腐がたまりません。
一般的には牛肉を使うことが多い肉じゃがを鶏肉でアレンジ。小松菜を加えているので鉄も豊富で、かつ、じゃがいものビタミンCが吸収を助けてくれます。さらに鉄分を含むカレー粉をプラスして、ひと味もふた味も違って楽しめる一品です。もちろん、鶏肉を牛肉や豚もも肉に変えてもオッケーです。
フライパン一つでパッとできる炒めもの。鉄を含む厚揚げと、ビタミンCと葉酸を多く含むブロッコリーを合わせました。より食べ応えを出すために豚もも肉もプラス。少ない調味料でバシッと味が決まります。ブロッコリーをほうれん草や青梗菜に変えてもおいしく仕上がりますよ。
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